最近の吉祥寺ってエグいほどに混んでいますが、こちらのショップがあるのは五日市街道沿い。比較的クルマも停めやすく、僕的には便利な場所です。看板を見ると、「江口洋品店・江口時計店」と。洋品店?

五日市街道沿いの、この看板が目印。
五日市街道沿いの、この看板が目印。

中に入ってみると、そこはいわゆる時計店とは全く趣が異なる、モダンでおしゃれな空間が!

一見すると時計屋さんには見えない、まるでショールームのような空間です。
一見すると時計屋さんには見えない、まるでショールームのような空間です。

しかも品揃えがなかなかニクい。エルメスのヴィンテージウエアやジュエリー、スカーフ、グッチのビットローファー、アクアスキュータムやバーバリーのトレンチコート、そしてコムデギャルソンの白シャツ・・・。本誌でもおなじみの老舗ブランドの中でも、これぞ!という名品だけに焦点を絞った、完璧に大人向けの構成になっております。このラインナップにギャルソンの白シャツってところが、僕的には完全にご飯が何杯でも進むツボですね。商品点数こそ少ないものの、どれも素晴らしいコンディション、サイズ感のアイテムばかりなので、見応えは抜群。ウィメンズもあるので、カップルで訪れても退屈させることはないでしょう。

エルメスやアルニスなどのヴィンテージウエア。
エルメスやアルニスなどのヴィンテージウエア。
エルメスの「カレ」は後染め加工を施して、ちょっとカジュアルに。
エルメスの「カレ」は後染め加工を施して、ちょっとカジュアルに。
「シェーヌダンクル」をはじめとするシルバーのブレスレット。
「シェーヌダンクル」をはじめとするシルバーのブレスレット。
状態抜群の英国製トレンチコート。ウィメンズも多い。
状態抜群の英国製トレンチコート。ウィメンズも多い。
グッチのビットローファー。
グッチのビットローファー。
この並びにギャルソンの白シャツ!わかってるなあ〜。 
この並びにギャルソンの白シャツ!わかってるなあ〜。 

時計の品揃えも、洋服と同様のコンセプト。もちろんそれだけではありませんが、お手頃なマストタンクから希少な50年代以前のモデルまで、カルティエのタンクにかなり特化しております。探すと意外と見つからないベルトやパーツも豊富。

カルティエを中心に、ロレックスやオメガなどの機械式時計を展開。
カルティエを中心に、ロレックスやオメガなどの機械式時計を展開。
豊富なパーツ類。タンク用の革ベルトも豊富なのが嬉しい。
豊富なパーツ類。タンク用の革ベルトも豊富なのが嬉しい。

洋服も時計もかなりツボをついたセレクトで欲しいものばかりだったのですが、忘れちゃいけない。僕は時計を直しに来たのだった! でもこういう洒落たお店って、修理に関しては外注で専門知識も薄かったりするんだよなあ。「見積もり取ったら1週間後くらいに連絡しますね〜」なんて。特にヴィンテージウォッチともなると、部品の問題もあるので、結局修理代が超高額になったり、修理自体を断られてしまったりね・・・。お宅は大丈夫?

と、思ったらこのお店、なんと修理工房を併設! その場で時計の状態をチェックしてもらえ、オーバーホールや修理の見積もりも取れるのだとか。これは侮りがたし! 

店舗の奥にある修理工房。時計修理におけるほぼすべての工程をここで賄えるとか。
店舗の奥にある修理工房。時計修理におけるほぼすべての工程をここで賄えるとか。

それにしても、吉祥寺のこのスペースでこのすっきりした商品構成、よく成り立ってるよなあ・・・なんて不思議になってしまいましたが、実はこの「江口時計店」、トゥモローランドをはじめとるする様々なセレクトショップ内に出店しており、この吉祥寺のお店はある意味ショールーム的な位置付けになるのだとか。オーナーの江口大介さんはヴィンテージ好きが高じてこの仕事を始めた方だけあって、ディープなゼンマイ話からファッションのコアな部分まで知り尽くした、意外とこの業界には少ないタイプのお方でした。このレベルのお店は都心はおろか、おそらく海外にもないでしょうね。

眼鏡店の「ソラクザーデ」あたりもそうですが、最近はハイセンスというだけじゃなくて、サービス面も充実したヴィンテージショップが増えてきて、個人的には嬉しい傾向です。人気になるといいモノが手に入れにくくなるので(笑)あんまり知られたくないのですが、ぜひとも行ってみてほしいお店であります!

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この記事の執筆者
MEN'S Preciousファッションディレクター。幼少期からの洋服好き、雑誌好きが高じてファッション編集者の道へ。男性ファッション誌編集部員、フリーエディターを経て、現在は『MEN'S Precious』にてファッションディレクターを務める。趣味は買い物と昭和な喫茶店めぐり。
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