出会ってきた格好いい男たちは、みんなジェイエムウエストンの靴をはいていた。

高級紳士靴の代表格「ジェイエムウエストン」

男の永遠の定番ストレートチップ

ストレートチップのマスターピースである『300オックスフォード』をラバーソールにアレンジすることで、軽快なカジュアルテイストを演出!カラースエードなど、今までにないアッパー素材との組み合わせも、実に新鮮。ぜひデニムなどに合わせていただきたい。各¥110,000(ジェイエムウエストン 青山店)
ストレートチップのマスターピースである『300オックスフォード』をラバーソールにアレンジすることで、軽快なカジュアルテイストを演出!カラースエードなど、今までにないアッパー素材との組み合わせも、実に新鮮。ぜひデニムなどに合わせていただきたい。各¥110,000(ジェイエムウエストン 青山店)

素足ばきしたリザードローファーを気にする様子もなく、ビーチで足をびしゃびしゃに濡らしながら撮影していた、カメラマンの中込一賀さん。五月革命の時代にパリのカフェで出くわした老人に影響を受けて、トップグレーのスエットパンツやキャメルのコートにクロコダイルのローファーを合わせていた、ファッションデザイナーの村松周作さん。ビートルズがはいていたチェルシーブーツをまねて買ったというサイドゴアブーツを、1960年代から大切にはき続けた故ムッシュかまやつさん⋮⋮。今回取材させていただいた方々も、いつもジェイエムウエストンを格好よくはきこなしている憧れの男たちである。その靴は長年にわたって、都市を生きる洗練された男たちの象徴であり続けたのだ。

『ル モック』

不朽のアイコン『180シグニチャーローファー』をベースに、やわらかく色鮮やかなレザーや、軽快なコンストラクションで再構築した『ル モック』。マッケイ製法や1枚革のインソールによる足なじみのよさを生かし、ぜひ素足ではきたい。負荷がかかる部分には補強を施すなど、心憎い配慮も。全8色展開。各¥80,000(ジェイエムウエストン 青山店)
不朽のアイコン『180シグニチャーローファー』をベースに、やわらかく色鮮やかなレザーや、軽快なコンストラクションで再構築した『ル モック』。マッケイ製法や1枚革のインソールによる足なじみのよさを生かし、ぜひ素足ではきたい。負荷がかかる部分には補強を施すなど、心憎い配慮も。全8色展開。各¥80,000(ジェイエムウエストン 青山店)

かくいう僕もそんな彼らからの影響で、6年ほど前にアリゲーターのローファーを買った。いまだビーチにはいていく勇気はないし、つい気負った格好に合わせてしまい、あとで気恥ずかしい思いをすることも多い。まだまだ僕が彼らの域に達するには、修業が足りないようだ。

さて、そんな伝説のブランド、ジェイエムウエストンは、古きよきクラシックモデルだけではなく、新作シューズも毎シーズン展開している。昔ながらのトラディショナルな木型を、色とりどりのカーフやソフトなコンストラクション、あるいは軽快なソールに置き換えたこれらの靴は、普遍的でありながらも瑞々しい魅力にあふれている。その新鮮な印象は、もしかしたら今回シューズを紹介してくれた紳士たちが、数十年前にはじめて〝ジェイエムウエストン〞を見た瞬間の感情に似ているのかもしれない。だとすればいつか、この靴をはいた僕の姿に憧れる若者が現れる可能性だって……。

かくして今までも、そしてこれからも、ジェイエムウエストンの伝説は尽きることなく語り継がれていくのである。

※価格はすべて税抜です。※2017年春号掲載時の情報です。

この記事の執筆者
TEXT :
山下英介 MEN'S Preciousファッションディレクター
BY :
MEN'S Precious2017年春号 男たちとジェイエムウエストンの物語より
MEN'S Preciousファッションディレクター。幼少期からの洋服好き、雑誌好きが高じてファッション編集者の道へ。男性ファッション誌編集部員、フリーエディターを経て、現在は『MEN'S Precious』にてファッションディレクターを務める。趣味は買い物と昭和な喫茶店めぐり。
クレジット :
撮影/唐澤光也(パイルドライバー) スタイリスト/河又雅俊 構成/山下英介
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