ディオール2025-2026年秋冬 コレクションの注目ルックを厳選!
「DIOR(ディオール)」の2025-2026年秋冬 コレクションショーが、パリのチュイルリー公園にて開催されました。

今回のコレクションにおいて、ファッションの歴史と多元的な対話を交わすことで、ディオールのヘリテージにまつわる記憶やジェスチャーを再解釈したいと考えたという、マリア・グラツィア・キウリ。披露されたルックや会場の演出も含め、ヴァージニア・ウルフの小説『オーランドー』が着想源のひとつとなりました。
『オーランドー』の旅が5つの幕に分けて表現され、各幕を独自の光と音で演出。幻想的な世界観を背景に、メゾンが継承する伝統に新たな価値を宿した最新のクリエイションが披露されました。
■『オーランドー』の主人公を彷彿とさせるフリル襟

主人公のオーランドーが、突然一夜にして女性に変身し、時代を超えて生き続ける物語が繰り広げられる小説『オーランドー』。今回のコレクションにおいて、“メタモルフォーゼ=変身、転身”は、ルック全体を通しても重要なキーワードのひとつです。

そんなメタモルフォーゼを体現しているのが、着脱可能な襟の形をしたフリルのディテール。主人公が着用していた「ひだ襟」を進化させたもので、ショー全体でもひと際存在感を放ちます。
■伝統と現代の融合による美しさを追求した刺繍技術

オーランドーが着用していた衣服を想起させるような、エレガントでロマンティックな雰囲気のルックも視線を集めていました。各ルックに施された刺繍技術が、ロマンティックなムードを高めています。

伝統的なコード刺繍やニードルポイントレースに、ルレックスやアンティークシルバー、パールを取り入れることでよりモダンに刷新。ドレスのスカートには、14メートルもの刺繍が施されるなど、軽やかな躍動感がありながらも格式のある印象に。
■伝統技術により新たな魅力を開花させたベロアジャガード

ベロアジャガード素材を用いたルックたちも、本ショーで注目したいところ。1950年代から伝わる織機を用い、特別な工程を経て生まれたとう今回のベロアジャガード。約5メートルの長さで作られた生地は、職人の手作業で取り付けられた1800本もの糸で構成されているそう。

2つの素材を用いて鏡のような効果を出すことに挑戦するなど、伝統技術を用いながら現代性を追求することで、新たな魅力を開花させています。
■ジョン・ガリアーノによる“ジャドール ディオール”の復刻も

ジョン・ガリアーノによってデザインされた、あの“ジャドール ディオール”Tシャツも復刻。メゾンが大切にするヘリテージに敬意を表しつつ、現代のモダニティを表現するマリア・グラツィア・キウリのクリエイションは、いつも私たちに新鮮な驚きと喜びを運んでくれます。

■マスキュリン×フェミニニティの共鳴が性別を超えて…

マスキュリンなジャケットに、女性的なビスチェを組み合わせたスタイルや、メンズライクなオーバーシルエットのコートにフリル襟のシャツを合わせたスタイルなど、マスキュリンとフェミニニティな要素を共存させたルックも印象的。小説『オーランドー』のように、性別を超えて個性を発揮したルックたちにメッセージ性を感じます。

以上、ディオールの2025-2026年秋冬 コレクションから、注目のルックたちをご紹介しました。ショーの様子は、オフィシャルサイトやSNSからもご覧いただけます。最新ルックを、ぜひチェックしてください。
問い合わせ先
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 池尾園子