限りある資源を枯渇させることなく環境のバランスを整え、持続可能な社会に向けて取り組んでいく。自動車の世界でもサステナビリティは重要課題となっており、なかでもいち早く取り組んできたのが、スウェーデンのボルボです。近年はクリーンな電気駆動車両の導入に力を入れており、今年2月に日本で発表されたハイエンドモデル「XC90」にも、将来の完全電動化への架け橋となる先進技術を取り入れています。人生のパートナーとして日々を輝かせる、数々の魅力を紹介します。

多くの安全技術はボルボから生まれた

大きな車体は堂々としているものの、威圧感は少ない。
大きな車体は堂々としているものの、威圧感は少ない。

ボルボは北欧の洗練をまとう欧州車ブランドとして、日本でも多くのファンに支持されてきました。特に1980年代から90年代にかけては、角張った車体のエステート(広い荷室を備えたワゴン車の呼称)がブランドの個性として認知され、アウトドアアクティビティを楽しむ都市生活者の象徴に。近年は、当時を知らぬ若いユーザーによって無二の個性をもつファッションギアとして注目され、中古車両が人気を博しています。

そんな歴史をもつボルボを語るうえで欠かせないのが、安全性の追求。さまざまな交通事故のデータを蓄積・分析し、乗員の身を守る数々の技術を開発してきました。そのひとつが、現在では当たり前となった3点式シートベルトです。ベルトを肩の上から身体の前を通して、腰まわりのバックルにはめ込んで使用するこの方式は、1959年にボルボが生み出したもの。その特許は無償公開され、以後の衝突被害軽減に大きく寄与しました。

3列目のシートはふたりがけ。乗車可能な身長は身長170㎝まで。
3列目のシートはふたりがけ。身長170㎝までであれば、他のシートと同様の安全性が担保されている。

2009年には、衝突の危険を検知して完全停止する「衝突被害軽減ブレーキ」を日本で初めて乗用車に採用。歩行者と自動車がお互いを尊重し、スムーズで安全な交通社会をめざすこれからの時代に、ボルボは先進の技術で応えてきたのです。今回紹介するXC90にもドライバーサポート機能をはじめ、周囲の状況をいち早く正確に検知し、安全支援を行う技術を搭載しています。

北欧のライフスタイルに根差したデザイン

正面から見ると、実にダイナミック。凹凸が少なく、滑らか。
正面から見ると、実にダイナミック。凹凸が少なく、滑らか。

XC90は広い乗車空間と荷室を備えたSUV。精緻な彫刻のようにデザインされた外観はモダン・ボルボの特徴であり、大きな車体にもかかわらず、これみよがしなところがありません。内装もしかり。前面パネルは操作ボタンを最低限に抑え、優雅なラインを描き、空調の吹き出し口のデザインやダイヤルのディテールなど、細部にいたるまで美しく仕上げられています。

なかでもみごとなのが前進・後退などを操作するATレバー。スウェーデン産のクリスタルを使用し、手元で優しい光を放ちます。再生素材を多用したこの空間はグレーやブラウンなどのカラーでコーディネートすることができ、居心地の良さは格別です。

多彩な機能をわかりやすく表示し、操作もしやすい。柔らかなラインでデザインされ、リラックスして運転に集中できる。
多彩な機能をわかりやすく表示し、操作もしやすい。柔らかなラインでデザインされ、リラックスして運転に集中できる。
美しいクリスタル製のATレバーを採用。握ったときの感触や操作感も抜群。
美しいクリスタル製のATレバーを採用。握ったときの感触や操作感も抜群。

厳しく長い冬のために屋内で過ごすことが多いスウェーデンの人々は、明るく温もりのある住環境での暮らしを大切にしてきました。‟スカンジナビアデザイン”として知られる北欧の家具は、そうしたライフスタイルによって生まれたものであり、XC90も同様に、乗員の心を落ち着かせ、快適なドライブを楽しめるように、機能とデザインが一体になったつくりが魅力。この“主張しすぎない感”に共鳴できる女性も多いのではないでしょうか。

大きさを感じさせない運転のしやすさで気持ちも弾む!

スクリーンにはマップ、メディア、電話など、よく使うアプリや操作系がホーム画面に表示される。
スクリーンにはマップ、メディア、電話など、よく使うアプリや操作系がホーム画面に表示される。

今回の試乗ドライブでは、人間工学に基づいてデザインされ、乗り手の体格に合わせて自在に調整できるシートに身を預けた瞬間から、居心地の良さを実感しました。前面中央の大きなディスプレイではカーナビゲーションの操作・表示からシートリラクゼーションまで、様々な機能をわかりやすく表示してくれるので、迷うことがありません。

ボルボは2040年までにゼロGHG(温室効果ガス)排出企業になる目標を掲げており、環境負荷の低減に大きな役割を果たす電気駆動モデルの導入に力を入れています。XC90はガソリンエンジンと電気モーターで走るハイブリッドカー。充電ケーブルを通じて電気を貯める機能を備えています。クリスタルのATレバーを動かしてアクセルペダルをそっと踏み込むと、強力な電気モーターのアシストで静寂を保ったまま走りだします。

短い夏を楽しむスウェーデンの人々にとって、外光を取り入れる機能は重要なポイント。XC90にも面積の広いガラスルーフが装備される。
短い夏を楽しむスウェーデンの人々にとって、外光を取り入れる機能は重要なポイント。XC90にも面積の広いガラスルーフが装備される。
2列目と3列目をたたんだ状態。連泊の旅でお土産が増えても心配無用!
2列目と3列目をたたんだ状態。連泊の旅でお土産が増えても心配無用!

印象的だったのは、意外なほどの取り回しのしやすさでした。3列のシートを備えたXC90は、全長が5m近くあり、幅も2mに届くほどワイド。にもかかわらず、駐車スペースでの出し入れや交通量の多い道での車線変更がしやすく、ストレスを感じることなく運転が楽しめました。前後・斜め・左右の見晴らしに優れ、車体の端を感覚的につかみやすい設計は、安全性向上に取り組んできたボルボの哲学をうかがい知ることのできる、ひとつの要素といえるでしょう。

そして、電気モーターだけで73kmも走れ(メーカー公表値)、車体の構造から危険回避まで、高度で包括的な安全技術は、高度で包括的な安全技術は日々のドライブから週末の遠出までを優しくアシストしてくれます。自身はもとより、大切な人を迎えるうえでの安心。ボルボを選ぶ理由はそこにあります。

【VOLVO XC90 Ultra T8 AWD Plug-in hybrid(AWD※)】

車体寸法:全長4,955×全幅1,960㎜×全高1,775㎜
乗車定員:7名
車両本体価格:¥12,940,000
※四輪が状況に応じて適切な出力で駆動する、安定感の高いシステム。

問い合わせ先

ボルボ・カー・ジャパン

TEL:0120-55-8500

この記事の執筆者
総合誌編集部を経て独立。ライフスタイル全般の企画・編集・執筆を手がける。ファッションのひとつとして自動車に関心を持ち、移動の手段にとどまらない趣味、自己表現のひとつとして提案している。
PHOTO :
ボルボ・カー・ジャパン、櫻井 香