40〜50代の「大人婚」になると、若者世代の一般的な挙式や結婚披露宴とは、どのような違いがあるのでしょうか? トレンドとなっている演出や規模感もあるのでしょうか? そこでウエディング・ブライダルコンサルタントの岡澤ひとみさんに、具体的なエピソードを交えつつ、最近の大人婚の様子を教えていただきました。
成熟した「大人のウエディング」3つのトレンド
「大人の新郎新婦様は、ご友人の披露宴に多く参列されて来た経験から、よい部分とそうでない部分をよく見極めておられるように感じます。そして自分たちに何がいちばん似合うのか、どのスタイルが自分たちらしいのか、ということを、よくわかっておられます。
ですので、ありきたりのウエディングではなく、上質であり、無駄がなくシンプル、そしてゲストを一番に考える余裕のある素敵なウエディングが好まれる傾向があります」
シンプルで、ゲスト第一。今までに岡澤さんが見届けてきた大人婚の数々のなかから、その主な傾向を教えていただきました。
■1:お気に入りの場所で結婚と観光を同時に楽しむ「デスティネーション」ウエディング」
「おふたりのお気に入りの地、主に海外などで、観光も兼ねて行う『デスティネーションウエディング』、今とても人気があります。ゲストはご家族やごく親しいご友人に限られ、みんなでその地に集まり、観光を楽しみつつ、ウエディングにも参列するスタイルが一般的です」
■2:スイートルームで行う「高級プライベート」ウエディング
「高級ホテルのスイートルームを貸し切って、少人数で上質なプライベートなウエディングを行うスタイルも人気です」
■3:多くのゲストを招く「盛大な」ウエディング
「大人ゆえに、ご自身やお相手の仕事のポジションから、お世話になっている方は必然的に多くなります。その多くのゲストを招かれる盛大なウエディングが行われているのも、大人婚の特徴です。ウエディングドレスも、日ごろからファッションに気を遣う方が多い世代ですので、ユミ・カツラ、ヴェラ・ウォン、ジル・スチュアートなどの、有名ブランドをお召しになる花嫁様が多くいらっしゃいます。ご結婚式に費用をかけられる、経済的な余裕もお持ちなのでしょう」
スイートルームで夜景とともに、親しい友人と静かな時間を過ごした結婚式
大人女性の結婚の傾向が見えてきたところで、岡澤さんが経験した具体的な大人婚のエピソードをご紹介します。
「新郎様は外資系の会社にお勤めのビジネスマン、花嫁様はモデルという新郎新婦のウエディングを担当させていただいたときは、おふたりのさまざまなリクエストをお伺いし、私も勉強をさせていただきました。とてもセンスのある結婚式だったのです。交際中、一度離れてしまった経緯のあるおふたりでしたが、花嫁様が待ち続けてのご結婚でした」
夕方からチャペルで幻想的に挙式
「土曜日の夕方からの挙式、キャンドルを敷き詰めたチャペルでゲストをお迎えし、照明を落とし、幻想的な結婚式を行いました」
あえて木・グリーンで演出
「普段のウエディングでは、お花を多用するのですが、おふたりのリクエストは『木』や『グリーン』。花嫁様のヘアーにはオリーブの素敵なヘッドドレスをご用意するという徹底ぶり。ドレスはシンプルで立体的なアントニオ・リーヴァのものでした」
披露パーティーは少人数でスイートルームを貸し切り
「高級ホテルのスイートルームを貸し切り、夜景を見ながらの、少人数の披露パーティーで、お料理やシャンパーニュも事前におふたりが試食を繰り返してご用意されました。まるで海外のウエディングのような、とても洗練されたロマンティックな挙式とパーティーでした」
大人婚を成功へと導く3つの心構え
未来に希望があふれる結婚というセレモニー、ふたりはもちろん、ゲストも満足する成功につなげるには、一体どうしたらよいのでしょうか? 岡澤さんは次の3つを挙げます。
■1:ゲストに感謝を伝える余裕をもつ
「自分達らしさや、心地よさを優先しつつも、お世話になった方々に感謝をお伝えできる時間的、距離的な余裕があることが大切だと実感しています」
■2:プロに相談して思いつかないアイディアを実現
「その道のプロに相談すれば、思いもつかないアイディアを提案してくれることが期待できますし、自分達ではなかなか実現できないことも可能にしてくれます」
■3:ゆったりと早めの計画を
「責任ある立場でお仕事されていたり、多忙さのなかでウエディングのご準備される方が多い世代でもありますので、なるべくゆったりと早めの計画ができればベストです。健康管理にも十分ご注意くださいね」
40〜50代のウエディングの特徴は、上質で無駄がなくシンプルかつ、ゲストを一番に考え、感謝が伝わるところにあるようです。これからウエディングの計画のある方は、ぜひトレンドを押さえつつ、自分らしい大人婚を成功させたいですね。
FAST MANNER 神戸
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利