【初夏のおしゃれに「大人の肌見せ」というスパイスを!】

コンサバ回避や、スタイルアップなど、実はプレシャス世代にも恩恵が!おなじみケティ・ヨークがセレブリティスナップの解説と共に、ベストな攻略法をアドバイスします。

気温の高まりと共に気になる「肌見せ」。昨年の夏は、日本でも若い世代がおなかや脚を見せる姿が多く見受けられましたが、大人はどうするのが正解? ケティ・ヨークがN.Y.で見かけた達人のスタイルやセレブリティスナップをお手本に、理想の肌見せ術を探ります。

ケティ・ヨーク
ファッション・エディター
辛口コメントでおなじみのN.Y.在住ファッション・エディター。トレンドに精通するのみならず、リアルな着こなしにも関心を寄せ、街行く人のファッションチェックにもアンテナを張る。今回も、N.Y.の人気スポットで見かけた肌見せ達人を、イラストで披露!

「上手な肌見せは、極上のアクセサリーよ!もっとポジティブに取り入れてほしいわ」ケティ・ヨーク

ケティ:はーい、お久しぶり。
編集N:ケティさん、ようこそ日本に。また、よろしくお願いします。
ケティ:今日は「肌見せ」がテーマよね。それに合わせてコーディネートしてきたわ。
編集N:リネンの白スーツからの、潔い胸元開けが素敵です! ジレを素肌に着ているんですね。

“今” のバランスづくりに肌見せをスルーできない

編集N:“肌見せ” はここ数年のトレンドですが、N.Y.では浸透しているのでしょうか。
ケティ:ビジネスシーンはドレスコードがあるので、そうはいかないけれど、街中で見せている人は大勢いるわ。普通のことよ。
編集N:私たちも夜遊びやリゾートでの肌見せなら怖じ気づかないのですが、日常的なシーンでは年齢的にもためらいが大きくて…。
ケティ:今のファッションはバランスとして、肌見せするのが理にかなっているのよ。ワイドパンツなどのボリュームパンツにはコンパクトトップスが、合うでしょう? その軽快さを極めていったのが、おなか見せトップスじゃないかしら。オーバーサイズのアウターを着ていても中にクロップドのインナーを着るとすっきり見えるわよね。
編集N:そう考えると、トライしてみたくなります。
ケティ:あちこち肌を出そうとせず、出したり隠したり、でバランスをよく見せていくことが大人の嗜(たしな)みとテクニックだと思うのよ。

セクシーさを売りにする肌見せは過去のものに…

編集N:それなら、無理なく女らしさも演出できそうですね。
ケティ:そうね、肌がチラリと見えることで、女性のセンシュアルな魅力が際立つわ。ただ、セクシーさを売りにする着こなしは、今は違うと思うの。肌見せで色香を出すのは夜とリゾート。街では、ヘルシーさを目指すのが時代の気分ね。
編集N:美しい脚見せで絶賛されているマクロン夫人も、生々しいセクシーさとは違いますね。
ケティ:彼女の脚見せは、正統派スタイルの最高の “ハズシ” よね。守りに入らず若々しい。もっとも、あの美脚があればこそ、だけどね。
編集N:やはりそこが必須ですね。
ケティ:当然よ! 体を鍛えて、肌のお手入れをすることは不可欠。自信のないところをわざわざ出すのは端(はた)から見ても迷惑よ。自分が出して心地よくて、かっこいいと思えるところからチャレンジしてちょうだい。

「肌をチラッと見せると、抜け感が生まれて全身バランスがすごく今っぽくなるのよ」ケティ・ヨーク

Gigi Hadid(ジジ・ハディッド)|気負いのない “肌見せ” バランスがお見事!

肌見せスタイルのジジ・ハディッド
 

シンプルなカーディガンから、自然な雰囲気でのぞく胸元とおなかの肌が、黒ワントーンの最高のスパイス! 程よくゆるやかな、服のサイズ感も洗練をたたえて。

Olivia Palermo(オリヴィア・パレルモ)|抜群のセンスで “おなか見せ” も上品に

肌見せスタイルのオリヴィア・パレルモ
 

裾のジップを少しだけ開けてチラリと肌見せ。そのぶん、襟元は詰めて上品さをキープ。さすがのスナップクイーン、流行を自分らしくアレンジするさじ加減は随一。

Brigitte Macron(ブリジット・マクロン)|世界が賞賛するパーフェクトな “脚見せ”

脚見せスタイルのブリジット・マクロン
 

ミニ丈を凛と着こなすマクロン夫人には、世界のファッションプロも賞賛を惜しまない。構築的なフォルムのクチュール感覚のワンピースが、大人の品格を醸して。

Aimee Song(エイミー・ソング)|大人の “胸元開け” はかくあるべし!

肌見せスタイルのエイミー・ソング
 

フィット感のいいクルーネックカーディガンのボタンを深めに開け、首にはネックレスをオン。シックなグレーのワントーンが、肌見せでグッとモードな印象になって。

Grace Ghanem(グレース・ガネム)|ヘルシーでかっこいい “肩見せ” に脱帽!

肩見せスタイルのグレース・ガネム
 

年齢にとらわれないスタイルで熱視線を集めるグレース。白のアシメトリートップスが、鍛えた体に映え、実にヘルシー。カーディガンで露出を巧みにコントロールも。


チラリと出す “おなか見せ” は全身バランスをすっきり見せるのに有効!

編集N:まずは、大人がいちばん苦手意識をもっている、おなか見せからアドバイスをもらえますか。
ケティ:そうね…、おなかは特に、軽率に見せていいわけじゃないのは事実。そこは自己管理の問題として、着こなしをすすめるなら、今ポピュラーなボリュームボトムとコンパクトトップスの着こなしのときに、ちょっとトップスを短くするところから始めるのがいいのではないかしら。自然にチラッとおなかが見えるのは、ヘルシーでかっこいいでしょう? ジップアップブルゾンやシャツの裾から、小さく三角形に肌を見せるのもおすすめ。ふとした動きでちょっと見えた、という感じになるわ。また逆に、ビッグシルエットのジャケットを着たときに、短めインナーで抜け感を出すのもいいと思うわ。
編集N:軽さが出て、グッと全身がバランスアップしますね。
ケティ:そういうこと。それから、基本的におなかを見せたら、ほかの肌見せは控えることも大切。どこかを出したら、どこかはしまって。全面的にオープンなのは、若い世代に任せましょう。

ジジ・ハディッド
 

ビッグシャツの裾のボタンを外して、軽やかにおなか見せをするジジ・ハディッド。重くなりがちなダークカラーのワイドパンツの着こなしにも、爽やかな抜け感が生まれて。襟元にはゴールドジュエリーを重ね、リッチ感を醸している。

エイミー・ソング
 

自身のスタイルブックも出版している人気インフルエンサーのエイミー・ソングは、コンパクトカーディガンのボタンを開けて、小粋におなか見せ。カジュアルなワイドデニムとパフスリーブトップスとの、甘辛バランスも冴える。

オリヴィア・パレルモ
 

オリヴィア・パレルモは、贅沢なファブリックのセットアップでおなか見せ。ボリューム感のあるブルゾン&スカートも、中に合わせている短丈インナーの効果で、明るく軽やかな印象に。彼女のチャーミングさもより際立っている。

シャニーナ・シェイク
 

L.A.でキャッチされた、モデルのシャニーナ・シェイク。ビッグシルエットのテーラードジャケットのインに短めトップスを着用して、西海岸らしいヘルシーな肌見せに。キャップやハイカットスニーカーも、健康的なムードを盛り上げて。

◇Ketty’s Advice「大人が肌見せをするなら、上品なワントーンにするのがエレガントね」

齊藤木綿子さんによる女性のイラスト
 

「ブラウン〜ベージュのワントーンに、チラッとおなかを見せていた彼女は、開発が進むハドソンヤードのコンプレックスで発見。レザーブルゾンとベージュのとろみパンツがリッチで、肌見せもゴージャスにきまっていたわ。

こんなふうにブルゾンのダブルジップで肌の見え方を調整するテクニックは、真似しやすいわよね。割れてこそいなかったけれど、締まったおなかはきっとエクササイズの賜物」

◇Ketty’s Advice「おなかを出したら、ほかは隠す!肌見せは一か所にするのが大人の節度よ」

齊藤木綿子さんによる女性のイラスト
 

「ギャラリーのオープニングレセプションをハシゴしていたこの女性。“ザ・ロウ” とおぼしきシルキーなビッグシャツとパンツをまとい、自然におなかを見せているのがかっこよく、ついつい観察しちゃったわ。

差し色のバッグは斜め掛けにして、シャツの裾開けを上手にキープする小道具にもなっていた様子。足元には目下人気のローテクスニーカーのひとつ、“アディダス” の『サンバ』を効かせて」

PHOTO :
Getty Images
ILLUSTRATION :
齊藤木綿子
EDIT&WRITING :
長瀬裕起子、福本絵里香(Precious)