年々長引きつつある薄着の季節からようやく、おしゃれ本番の秋へ! 季節が深まるたび、アイテムをひとつずつ丁寧に “重ねる” ことで豊かさが増して、洗練は極まります。

雑誌『Precious』11月号では【重ねるほどに洗練極まる!美しき「秋レイヤード」】と題した大特集をお届けしました。

今回は、着こなしの背景をわかりやすく解説できる理論派としてもおなじみのスタイリスト・三好 彩さんの「レイヤード美学」を深掘り。

着る人のオリジナリティを映し出す「個性の重ね方」について、詳しくうかがいました。

三好 彩さん
スタイリスト
(みよし あや)トレンドを敏感にキャッチして、大人の女性にふさわしいリアル・ラグジュアリーを提案。雑誌『Precious』では、着こなしの背景をわかりやすく解説できる理論派としてもおなじみ。今回のレイヤード特集ではCHAPTER3「季節」を重ねる&CHAPTER4「襟元」を重ねるを担当。

「個性」を重ねる─Preciousスタイリストの「レイヤード美学」

「華やぎスタイルのアップデートに、レイヤード発想が有効です」(三好さん)

「レイヤードは華やぎシーンの装いにこそ、実はおすすめです」と三好さん。そう考えるようになったのは、自身の経験から。

「ドレスアップをする場ではしばしば、ワンピースや、フェミニンブラウス×タイトスカートなどのように、服合わせがシンプルな装いになりがちでした。それを物足りなく感じていたのです」。そこで、レイヤードを取り入れることに着目。

「ボウタイブラウスにレースシャツや、ファージレにはベルトをプラスするなどといった、ニュアンスをもたらす、もう1点を重ねれば、着こなしが“今どき”にアップデート! 奥行きや立体感も備えた、感度の高いドレスアップが可能になるのです。華やぎシーンでの、おしゃれのもうひと押しにまさに最適といえるのです」。

おしゃれの矜持から生まれた、プロならではのレイヤード美学です。

レセプションでリュクスに着映えるレイヤードスタイル

三好 彩さんのスタイリングによるレイヤードコーディネート
ボウブラウス×レースシャツで華やぎを高めて。ブラックレザーの艶感がモノトーンに素材コントラストを。ジャケット¥172,700(サン・フレール〈アイスバーグ〉)、レースシャツ¥59,400(S&T〈バウム・ウンド・ヘルガーテン〉)。ブラウス¥66,000(ストラスブルゴ)、パンツ¥86,900(リトルリーグ インク〈ウォルフォード〉)、ピアス¥56,100(エルディスト ショールーム〈バージュエリー〉)、サングラス¥58,740(ルックスオティカジャパン〈ティファニー〉)、バッグ¥115,500(ブルーベル・ジャパン〈ワンドラー〉)、靴¥137,500(クリスチャン ルブタン ジャパン)

「ジャケット×ボウタイブラウスという端正な組み合わせに、黒のレースシャツを投入。下に着た白ブラウスの透けが、黒レースを際立たせて、レセプションなどの場にも映えるワンランク上の華やかさに」(三好さん)。

●半袖ツイードジャケットを華やぎの場のもう1枚に

ドゥロワーのジャケットとジョン スメドレーのニット
ジャケット¥209,000(ドゥロワー 青山店〈ドゥロワー〉)、ニット¥59,400(リーミルズ エージェンシー〈ジョン スメドレー〉)

ックアウターではときめきが少し薄まる気が。こんな煌めき感のある“中間アウター”があれば、今どきの華やぎレイヤードが叶います。シンプルな服に1枚足すだけでもドラマチックに」(三好さん)。

●エレガントなベルトでシルエットに女らしい立体感を

デアンシェのベルトとベイジ,のジレ
ベルト¥70,400(S&T〈デアンシェ〉)、ジレ¥55,000(オンワード樫山〈ベイジ,〉)

レイヤードでふっくらとボリュームが感じられる着こなしには、ベルトでウエストマークをするとメリハリが生まれ、スタイルアップ。

「ウエストをシェイプする装いが復活しつつある今、華やぎシーンでもベルト使いはおすすめです。通常のビジネス用のベルトでは着映えにくいので、ベルトは華のある色味や金具使いのものにすることもポイント」(三好さん)。

白レザーにゴールド金具が優雅な一本を効かせて。

●黒グローブにバングルを重ね、艶めく迫力を満喫

アニェルのグローブとコールムーンのバングル
グローブ¥49,500(S&T〈アニェル〉)、バングル¥143,000(showroom SESSION〈コールムーン〉)

これからの季節のドレスアップに活躍するロンググローブ。大ぶりのメタリックバングルと合わせれば、モダンな迫力が高まって。

「グローブはコートと合わせることが多いのですが、いざ合わせて装うと手元の肌が見えないため全身がマットに見えて、単調になりがち。そこでメタルバングルを加えて艶めきをプラス。室内ではグローブを外して、手首にじかにあしらっても素敵」(三好さん)。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

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PHOTO :
小林美菜子
STYLIST :
三好 彩
EDIT&WRITING :
長瀬裕起子、佐藤友貴絵(Precious)