年々長引きつつある薄着の季節からようやく、おしゃれ本番の秋へ! 季節が深まるたび、アイテムをひとつずつ丁寧に “重ねる” ことで豊かさが増して、洗練は極まります。

雑誌『Precious』11月号では【重ねるほどに洗練極まる!美しき「秋レイヤード」】と題した大特集をお届けしました。

今回は、『Precious』でレイヤード企画を幾度も担当してきた、スタイリスト・大西真理子さんの「レイヤード美学」を深掘り。着る人のオリジナリティを映し出す「個性の重ね方」について、詳しくうかがいました。

大西 真理子さん
スタイリスト
(おおにし まりこ)颯爽としたキャリアスタイルから、リラクシングなカジュアルまで、洗練の魔法を掛ける達人。本誌では、創刊よりさまざまな企画で手腕を発揮している。

「個性」を重ねる|Preciousスタイリストの「レイヤード美学」

グレージュを重ね、穏やかなカラートーンを重ねて秋景色が似合うカジュアルに

コート_1,バッグ_1
コート[ファージレ付き]¥2,477,200・ニット[別ブラウスとセット]¥617,100・ブラウス¥275,000・パンツ¥247,500・バッグ[小]¥297,000・[大]¥473,000/参考色・靴¥283,800(ブルネロ クチネリ ジャパン)

「カジュアルレイヤードを実践するなら、淡めトーンでつくるアプローチが取り入れやすいもの。濃い色同士は、トーンのわずかな違いだけで合わせるのが難しくなりますが、淡い色は微妙に異なる色もなじみやすく、上品でリッチな印象に仕上げられます」(大西さん)

グレージュコートとモカブラウンのジレ、ライトグレーニットを合わせ、ラグジュアリー感満点の装いに。差し色のブルーが、爽やかさを添えて。バッグもサイズ違いで効かせ軽快にレイヤード!

「レイヤードのひと手間が、大人のカジュアルをクラスアップします」(大西さん)

本誌のレイヤード企画を幾度となく担当してきた大西さん。

「レイヤードは、重ねることで生まれる色のグラデーションや絶妙な配色が魅力。そこに着る人の個性やオリジナリティも映し出され、人を惹きつけるのではないでしょうか」。なかでも大西さんが好むのが、カジュアルレイヤードです。

「私はテクニックを強調する着こなしは得意ではないのですが、カジュアルなレイヤードは、重ねることが自然な点に共感できるのです。そのなかで丁寧に仕上げられたグラデーションや絶妙配色は、手のかかったおしゃれという雰囲気をもたらし、大人をクラスアップしてくれます。また、裾や襟を出すようなレイヤードの“遊び”も、着る人の個性や気分を表して楽しいもの。程よく取り入れるとおしゃれに広がりが生まれます」

シーンや人とリンクする、意味がある自然なレイヤードこそ、大西さんのレイヤード美学なのです。

●ときにはフリルブラウスでガーリーな要素をプラス

アウター_1
ジレ¥55,000(オンワード樫山〈ベイジ,〉)、ニット¥39,600(theory luxe)、ブラウス¥99,000(ストラスブルゴ〈ストラスブルゴ〉)

「カジュアルスタイルのインナーというと、これまでシャツかタートルネックでしたが、今季はトレンドの立ち襟フリルブラウスを楽しみたい気分。大人が取り入れるからこそ、ガーリーな要素が上質な遊びになります」(大西さん)

クリーミーなグラデーション配色で、フリルブラウスとクルーネックニットをラグジュアリーに表現。この配色だからフリルが甘すぎない。

●ストールの2色使いで首元にこなれたニュアンスを

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ストール各¥38,940(ファルコネーリ銀座店)

ベージュとグレーの同型ストールをしなやかに絡めつつ、首元にひと巻き。こなれたボリューム感が、カジュアルをいきいきと盛り上げてくれる。

「ポイントは、重ねやすい薄手ストールを選ぶこと。ここでは相性のいい穏やかな2色を選びましたが、グラデーションカラーにしても」(大西さん)

合わせるトップスも、ストールの色とリンクさせると、より洗練されたレイヤードになって。共にカシミア素材。

●大人のネックレス使いは重ねるほど素敵に!

ネックレス_1
ネックレス[マラカイト]¥657,800・[ラピスラズリ]¥2,654,300・[ゴールド]¥950,400(ザ・サロン バイ ノーア〈サイモン・アルカンタラ〉)、“バルバ ナポリ”のジャケット¥147,400・“ヴィンス”のワンピース¥99,000(コロネット)

ネックレスは一点投入よりも、重ねづけをするのが大西流。襟元にたっぷりとボリュームを出して、凛としたかっこいい女性像を演出する。ネイビーのジャケット×ワンピースのレイヤードに、天然石やゴールドネックレスの重ねづけが力強さと艶めきをプラス。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

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PHOTO :
小林美菜子
STYLIST :
大西真理子
EDIT&WRITING :
長瀬裕起子、佐藤友貴絵(Precious)