「筆禍」ってなんと読む?「ふでわざわい」ではありません!
明日、11月26日は『ペンの日』です。1935(昭和10)年のこの日、外務省の文化事業部関係者と国際文化振興会の斡旋により、著述業者や文学者等で構成される団体・日本ペンクラブが創立したことに由来します。
日本ペンクラブは現在、『文学に国境はない』という理念を掲げる国際P.E.N. (文学・文化に関わる表現とその普及にたずさわる人々が集まる国際組織)の日本センターとなっており、「言論・表現・出版の自由の擁護、文学の振興と文化の国際交流、世界平和への寄与』を目的とした活動を行っています。創立当時の会長は詩人・小説家の島崎藤村氏、現在の会長は小説家の桐野夏生氏です。本日は「執」「筆」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「執成し」ってなんと読む?
「執成し」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「対立する二者の間に入って、うまく折り合いをつけること。仲裁。また、仲介」などの意味で使われる言葉です。
<使用例>
「同じ文学に感動した、という経験が、対立していた両者の執成しの後押しとなりました」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 執成し(とりな-し) です。
「執成とりなし」は「取成し」とも表記しますが、「取」という字は「取る。自分のものにする」を意味する字です。これに対し「執」は「手に取る。執り行う」「扱う。司る」「こだわる」「捕(と)らえる。捕(つか)まる」など、意味の幅の広い字で、「とりなし」という言葉の意味合いとしては「執成し」という表記のほうが、より正確で知的な表現でしょう。ぜひ覚えておいてくださいね。
さて、二問目は「筆」という字の入ったクイズです。
【問題2】「筆禍」ってなんと読む?
「筆禍」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「発表した著書・記事などが原因で官憲や社会から受ける制裁または処罰。また、そのような災難」を言う言葉です。
<使用例>
「現代は一般人でも、ネットを介して筆禍を招かぬよう、よくよく気を付けるべきね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 筆禍(ひっか) です。
「コロナ禍(ころな-か)」という言葉がニュース等に登場し、その読み方について本シリーズで扱ったのが3年前の10月でした。当時は「なんて読むのだろう?」と疑問に思われた方が多かったようで、反響もとても大きかったのですが、現在では「コロナ禍」を読めない大人はいないでしょうね。「筆禍(ひっか)」は皆さま、読めたでしょうか?
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本日は、11月26日『ペンの日』にちなんで、「執」「筆」という字の入った日本語から、
・執成し(とりな-し)
・筆禍(ひっか)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/NHKホームページ/日本ペンクラブホームページ/長崎新聞ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱

















