連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People

明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する『Precious』連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、武田薬品工業ジャパン ファーマ ビジネス ユニットプレジデントの宮柱明日香さんにインタビュー!

日本製薬工業協会の会長にも就任し、業界を牽引するキーパーソンとして各界から注目を浴びている宮柱さんに、詳しくお話しをうかがいました。

宮柱明日香さん
武田薬品工業ジャパン ファーマ ビジネス ユニットプレジデント、日本製薬工業協会の会長
(みやばしら あすか)’04年に入社。日本国内のコマーシャルおよびメディカル部門で経験を積んだあと、インドネシアの事業運営責任者に。その後ベトナムに赴任し、カントリーマネジャーとして、管轄地域の事業戦略の構築と変革の推進に従事。JPBU神経精神疾患事業部長を経て、’24年4月より現職。

【Tokyo】不確実な時代こそ“不易流行”を実践。製薬業界のトップに君臨するキーウーマン

インタビュー_1
武田薬品工業ジャパン ファーマ ビジネス ユニットプレジデント 宮柱明日香さん

創業は1781年。江戸時代から令和まで244年もの歴史を刻んできた、国内老舗のメガファーマ「武田薬品工業」。’24年4月、その国内ビジネスを統括する「ジャパン ファーマ ビジネス ユニット」のプレジデントに就いたのが宮柱さんだ。その翌年には、日本製薬工業協会の会長にも就任。業界を牽引するキーパーソンとして各界から注目を浴びている。

「昔から0を1にするのが好きで、入社後はインドネシアやベトナムなど新興国を希望し、事業構築を行ってきました。そこで学んだのは『妥協はしないけど、完璧を求めすぎない』という揺らぎとゆとりの精神。日本とはまったく違う文化に身をおいて『不確定要素のなかで意思決定を行う』という挑戦と決断を積み重ねてきました。こう見えて私、実はすごくまじめで(笑)、きちんと段階を踏んで物事を進めたいタイプ。でも現地でそのスタンスは少数派。“ティダアパアパ”(インドネシア語で『なんとかなる』の意)のメンタル、そして胆力を身につけた時間でした」

トップの地位に就いてすぐに沸き上がったのは「国内における事業変革を私がリードしなければ」という強い思いだった。

「変革に重要なことはふたつ。ひとつ目が、逆説のようですが『ならば何を変えないのか』を徹底的に議論すること。それを経てこそ、ふたつ目の『どう変わるのか』という理想像を描く時間が有意義なものになります。変革の具体的な課題としてAIの活用が挙げられますが、私自身、実際に使ってみて実感しているのが、効率化により『自ら考える時間が増えた』というメリット。さらに『その時間で人間は何をするの?』というワクワクする問いも浮かび上がってきました。それに対する私の答えは『心に寄り添う』というこの仕事の原点。ケアリングリーダーシップを実践して、未来の可能性を広げていきたいですね」

不確実性の高い今の世の中で、彼女のような人が要職に就くのは必然なのかもしれない。

◇宮柱明日香さんに質問

Q 朝起きていちばんにやることは?
ストレッチ。
Q 人から言われてうれしいほめ言葉は?
「おもしろい!」「元気が出た!」。楽しそうにしているのが好きだし、窮地でも希望を見つけて、共有したいタイプです。
Q 急にお休みがとれたらどう過ごす?
家でのんびり過ごす。先日は、AIにおすすめの場所を提案してもらって群馬県へ。充実した休みになりました。
Q 仕事以外で新しく始めたいことは?
音楽が好きなので、楽器演奏を再スタートさせたい。
Q 10年後の自分は何をやっている?
先生になるのが夢だったので、教育に関心あり。次世代を育成することに関わっていたい。
Q 自分を動物に例えると?
どうかな? ミヤバシラアスカという動物(笑)。人間一人ひとりが唯一無二の動物だと思うから。

PHOTO :
望月みちか
WRITING :
本庄真穂
EDIT :
本庄真穂、喜多容子・木村 晶(Precious)