12月12日は「漢字の日」。2025年、あなたにとって“今年の漢字”は？【大人の語彙力強化塾】

【目次】

• 12月12日は「漢字の日」由来は？
• 毎年発表される「今年の漢字」とは？
• ビジネス雑談に役立つ「漢字」の雑学

【12月12日は「漢字の日」由来は？】

■「いつ」「誰が」決めた？

12月12日の「漢字の日」は、公益財団法人日本漢字能力検定協会が1995（平成７）年に制定した記念日です。

■日付の「由来」は？

日付の「12月12日」は、「いい字（12）」と「一字（12）」の語呂合わせに由来します。日本人ひとりひとりが毎年、「いい字」を「一字」は覚えて欲しいとの願いが込められています。

【毎年発表される“今年の漢字（R）”とは？】

■「今年の漢字（R）」とは？

公益財団法人日本漢字能力検定協会では、毎年、その1年の世相を表す「今年の漢字（R）」いち文字を全国から募集し、応募された漢字のなかから、応募数の多かった上位20位までの漢字を発表しています。また、応募数が1番多かった漢字は、「漢字の日」である12月12日に、京都・清水寺にて揮毫（きごう）してもらい、その字を清水寺に奉納しています。1995年から始まり、今年（2025年）で30周年を迎える、年末の風物詩のひとつとして知られていますね。　　　　　　　　　　

※揮毫（きごう）とは、毛筆で書をしたためることを指します。

■「今年の漢字（R）」の応募期間は？

2025年の「今年の漢字（R）」は、2025年11月1日（土）9:00から2025年12月9日（火）18:00まで、「今年の漢字」サイトでWeb応募されていました。来年、挑戦してみてはいかがでしょう。

■クイズに答えて！ 過去に選ばれた「今年の漢字（R）」は？

Q. 1995年の漢字は？　
この年を象徴する出来事は…「阪神・淡路大震災」、地下鉄サリン事件、米国大リーグの野茂投手の大活躍など
A.「震」

Q. 2000年の漢字は？　
この年を象徴する出来事は…シドニーオリンピックとパラリンピック、南北朝鮮統一に向けて金大中氏と金正日氏の首脳会談が実現
​A.「金」

Q. 2010年の漢字は？
この年を象徴する出来事…記録的な猛暑日の連続により、熱中症にかかる人が続出、野菜価格の高騰、チリ鉱山で、地下700メートルの暑い環境の中から、作業員全員が生還
​A.「暑」

Q. 2015年の漢字は？
この年を象徴する出来事…安全保障関連法案の審議で、与野党が対立。世界で頻発するテロ事件や異常気象
​A.「安」

Q.2024年の漢字は？
この年を象徴する出来事…オリ・パラの日本人選手や大谷翔平選手などの活躍、政治の裏金問題、闇バイトによる強盗事件、止まらない物価高騰
A.「金」

毎年、応募数が一番多かった漢字を揮毫(きごう)しているため、過去と同じ漢字が複数回「今年の漢字®」に選ばれています。最多は「金」の５回です。

■2025年の「今年の漢字（R）」を予想してみると…？

応募には間に合いませんでしたが、「今年の漢字（R）」を予想してみましょう。

手順は…
1）ニュースサイトや検索サイトを使って、今年一年を振り返ってみましょう
2）１年の出来事を振り返ったら、その出来事に関連する漢字をいくつか書き出してみましょう
3）今年の世相を最も表していると思う漢字一字を選びます。

2025年のニュースと聞いて、あなたは何を連想しますか？ 日本初の女性総理大臣の誕生でしょうか？ 株価高騰？ 金価格の急騰？ アメリカ大統領による関税問題？ 大谷翔平選手の活躍？ 

ちなみに、今年も「現代用語の基礎知識 選 『2025 T＆D保険グループ新語・流行語大賞』」が発表され、今年の年間大賞には、高市早苗氏の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります／女性首相」が選ばれました。このほか、トップテンには、大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」や、邦画の実写作品の歴代最高興行収入を22年ぶりに更新した映画「国宝（観た）」、新聞やテレビなどを指す「オールドメディア」、「トランプ関税」「古古古米」「緊急銃猟／クマ被害」「戦後80年／昭和100年」などが入りました。

こうしてみると、2025年を表しているのは、新たな時代の幕開けを象徴する「新」や改革の「変」などが有力候補でしょうか？ あなたなら、何を挙げますか？

【ビジネス雑談に役立つ「漢字」の雑学】

■今年もまもなく「聖誕祭」「聖夜」がやってきます

「聖誕祭」「聖夜」といえば、クリスマスのこと。毎年、12月になると「もうすぐクリスマス！」と、何となく弾んだ気分になる人は多いのでは。クリスマスは中国語でも「聖誕祭」と表されます。ご存知の通り、この場合の「聖」は［saint］の訳語で、聖人、すなわちキリストを指しています。「誕」は「誕生」。つまり「クリスマス」とは、「聖人が誕生した日」となるのです。

聖夜や聖バレンタインデーなど、なんとなく「聖」の文字は西洋的な概念にも思えますが、実は中国では古くからある言葉です。「聖人」という語は古くは西周（前11世紀〜前8世紀）の金文にも記述があり、「高い徳を持ち、万事に通暁する人物」を指しています。儒教では、理想化された古代の聖王の堯・舜・禹などが「聖」に該当します。当然のことながら、キリスト教の聖人とは異なり、信仰とは関係がありません。

■恋はもつれた糸？

「戀（こい）」という漢字は、“心がまとわりつくさま” を表す象形文字とされています。上部の「糸」は、細く長く続くもののたとえで、途切れずに続く思いを示し、下部の「心」は、その人の抱える心情や感情を象徴しています。

つまり「戀」とは、長く続く想いが心に絡みつくような、断ち切れない感情――その状態を一文字で表した漢字なのです。いかがですか？  あなたご自身の「恋」はどんな言葉で表現できるでしょうか。

■『鬼滅の刃』を表す漢字一文字は？

アニメ『鬼滅の刃』の劇場版『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』が、2025年7月の公開から136日間で、興収383.3億円を突破しました。日本漢字能力検定協会は映画公開に合わせ、公式に『鬼滅の刃』とコラボし、「あなたが選ぶ『鬼滅の刃』を表す漢字一字は？」という企画を展開しました。

こちらの結果はすでに出ており、応募総数23,318票のなかから１位に選ばれたのは、「滅」でした。以下、トップ10は…
1位    滅　漢検3級
2位    絆　漢検1級
3位    鬼   漢検4級
4位    繋　漢検準1級
5位    刀　漢検9級
6位    炎   漢検3級
7位    継   漢検4級
8位    無   漢検7級
9位    柱   漢検8級
10位  煉　漢検準1級

『鬼滅の刃』ファンなら、どうしてこの漢字が選ばれたのか、すぐおわかりになりますね！

■2026年の干支は「午」！ 「牛」ではありませんよ

2025年も残すところあとわずか半月あまり。来年の干支（えと）は「午（うま）」ですね。しかも来年は「丙午（ひのえうま）」にあたります。

「丙午」というと、昭和のころまではこの年に生まれた女性は気が強いなどと言われていましたが、もちろんこれは迷信です。とはいえ60年前の丙午の年（1966年）には、日本各地で産み控えが起こって出生数は前年の約182万人より約46万人も減少しました。

この迷信の始まりは江戸時代の寛文６年（1666年）と考えられており、「八百屋お七」はそのアイコン的存在です。

八百屋お七は、江戸の火事で出会った男に恋心を抱き、再び彼と会いたい一心で、江戸の街に自ら付け火をし、その罪で火刑に処されてしまいます。八百屋お七は丙午の年に生まれたわけではありませんが、その激しい恋心と行動が“丙午生まれの女性は気性が強い”という迷信の象徴として語られるようになりました。

さて、「午」という字については、もともとネガティブな意味は含まれていません。「午」という字には、もともと棒状の形（杵に似た形）を象った象形文字とされる説があります。それにしても、なぜ「馬」に、「牛」によく似た「午」の字が当てられたのでしょうか？ 紛らわしいですよね！

実は、十二支はもともと動物を表す言葉ではありませんでした。古代中国で「子・丑・寅・卯……」は、暦、時間、方角、さらに農作業の節目を示す抽象記号であり、単なる記号だったのです。それがなぜ、動物を表すようになったのかといえば…「記号を覚えやすくするために、象徴として動物を当てはめた」という説が有力です。

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公益財団法人日本漢字能力検定協会が運営するWebサイト「kanjicafe」では、漢字の歴史や由来、読み間違えやすい表現、さらに知的好奇心を刺激する漢字クイズや効率的な学習法まで、多彩なコンテンツが揃っています。

ご自身の「漢検受験目安級」を確認できるセルフチェックも用意されており、日々の言葉遣いや文章力をアップデートしたい方にとって、上質な学びの機会となるはず。

“漢字の日” をきっかけに、忙しい毎日の合間にほんの少しだけ、自分の言葉の世界を豊かに磨いてみませんか。ビジネスの場面での一言にも、知性と余裕がそっと宿るはずです。