ファッションのボリュームに合わせるつもりでメイクを作り込みすぎると、迫力が出てしまう。かといって、メイク感がなさすぎるとアンバランスに…。大人が美しくメイクを「盛る」には、どうしたらいいでしょうか。美容ジャーナリストの永富千晴さんに伺いました。
まつ毛、眉毛、唇の“質”を上げると品よく盛れる!
「いつもより盛ったメイクをするとき、どのパーツを注力されますか? 大きく分けて、ベースメイクに力を入れる方と、アイメイクをしっかりする方に分かれるように思います。ベースメイクは、肌悩みをすべてカバーすると厚塗り感が出て老け見えするリスクが高まるので、ご注意を。アイメイクは、アイラインやアイシャドウをいつもよりハッキリと入れることで、強いまなざしを越してキツい印象にならないように気をつけなければいけません。どちらも塩梅が難しいところですよね。
そこで私が提案したいのが、まず目元はまつ毛と眉毛の“毛”に注力すること。年齢とともに“毛”が細く弱々しくなるのは、髪だけでなく目元も同じです。そうなると、まつ毛はついボリュームアップを狙いたくなりますが、大人に必要なのは長さです。まぶたがだんだんとかぶってきて、目と眉の間が広く感じられるようになった目元に、長いまつ毛なら距離感をカムフラージュすることができるからです。自分のまつ毛ではがんばってもあまり長さが出ない…という方は、部分用のつけまつ毛を使ってみるのも手。目頭側や黒目の上に部分付けするのがおすすめです。
そして眉毛は、ここ数年は脱色カラーのような眉マスカラが流行って薄眉ブームになっていますが、フォルムがぼやけてきた大人世代は、これまた老け見えの要因に。また、いままではブラウン系で描いていた方が多いと思いますが、地毛に違いグレー系で描き足した方が、自然に毛量がアップしたように見せつつ、目元が引き締まって顔立ちがハッキリしてきます。
もうひとつ提案したいのが、リップメイクに下地を使うこと。唇は粘膜の延長なのでデリケートです。さらに冬は乾燥しやすいですし、感染症予防でマスクをするから荒れやすいという問題も。下地を使うことで、唇がパサついて口紅の色が綺麗にのらない…という悩みが解消できます。
つまり、大人メイクの盛るコツは、パーツの見え方を工夫することで、品よくクラスアップできるように思います」と、永富さん。そこで、永富さんが大人世代のメイクの縁の下の力持ち的存在になるアイテムを教えてくださいました。
「つけまつ毛を貼る部分が透明だから自然な仕上がり」(永富さん)
「毛の長さが3種類入っている部分用つけまつ毛。貼る部分が柔らかい素材でフィット感が良く、まつ毛を貼る部分が透明で目立ちにくいですし、毛がV字についているので、とても自然な仕上がりです。大人は、目尻を強調するよりも、目頭側や目の中央に付ける方が、ナチュラルに盛れると思います。ほんの少し助けてもらうだけで、気持ちまで上がります」(永富さん)
「地毛の色に近いグレイッシュなアイブロウペンシルだから顔立ちにメリハリが出ます」(永富さん)
「眉毛の隙間を自然に埋めるのに、地毛に近い色を探して出合ったグレイッシュなアイブロウペンシル。色がしっかり目に発色して、色すべりすることなく描きやすいです。ペンシルの先が長方形になっているので、角を使ってシャープにも描けますし、幅広の面で全体的に色をのせるもの自在。地毛に近い色にするだけで、こんなにも顔立ちがハッキリするんだと気付かされました」(永富さん)
「丁寧にケアしたようなふっくらと柔らかい唇をひと塗りで叶えてくれます」(永富さん)
「これまで唇のスペシャルケアとしてハチミツを塗ってラップパックしていた私。ひと塗りで、まるでハチミツパックした後のようにふっくらと柔らかさが出ます。とろけるようになめらかに塗れて、潤いを閉じ込めるように密着する使用感も絶品。左のココアは、ニュートラルなブラウン。単品使いでケアとカラーが叶い、肌までも綺麗に見せてくれます。右のベアーは、淡いピンク色でほのかに血色をプラスでき、後に使う口紅の色までも美しく発色してくれます」(永富さん)
メイクを盛るというと、いつも使っているアイテムを重ね付けするイメージがあったかもしれません。それよりも、永富さんのように足りないパーツを見直すことで、自然に魅力を引き出せそうですね。ぜひ参考にしてください。
※掲載している商品の価格は、すべて税込です。撮影はご本⼈によるもので、商品はすべて私物です。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 越後有希子

















