【目次】
- お年玉の相場はどれくらい?【全体の目安】
- 年齢別|お年玉の相場一覧
- お年玉はいつまであげる?【よくある悩み】
- お年玉をやめるタイミングの考え方
- お年玉の金額を決めるときの注意点
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お年玉に関するよくある質問(FAQ)
【お年玉の相場はどれくらい?「全体の目安」】
子どもがいる家庭もいない家庭も、家族をもたない人も、年末になると現代の“お年玉事情”は気になるところではないでしょうか。年末年始に帰省すると、親戚や友人の子どもに会う機会もあるでしょう。社会人として「お正月に子どもに会ったらお年玉を渡すべき? いくら?」と悩む人も少なくないはずです。
■そもそも「お年玉」とは?
正月の贈り物を「年玉」と言います。本来は年神(としがみ)さまにお供えした米や丸餅、酒などの魂を分け与えるものでした。年長者から年下の者に与えるのが慣例で、年長順に祖父母の前に座り、清らかさを意味する白い紙に包んだ餅を渡される――これは、米や餅に穀霊が宿っていると信じられていた、戦前ごろまで見られた習慣とか。近年は、正月に贈られる金銭を「お年玉」と呼ぶのが一般的になりました。
■目安となる相場は?
親から子へ、祖父母から孫へなど、身内間でのお年玉なら、あげる側で相談することもあるでしょう。とはいえ、ある程度の相場は知っておきたいものですね。
学研と朝日新聞による「キッズネット」の2022(令和4)年の調査によると、以下のような傾向が見られました。
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・未就学児:1000円台が最多
・小学校1~3年生:3000円台が最多
・小学校4~6年生:3000~5000円台が約6割
・中学生:5000円台が最多(32%)、1~2万円未満も20%
・高校生:5000円台が25%、1~2万円未満が35%
どの年代でも「あげていない」という割合が1割以上あり、高校生では「あげない」が22%で最多となっています。
【年齢別|お年玉の相場一覧】
では、具体的な金額を年齢別に見てみましょう。
■未就学児
1000円未満:6% 1000円台:33% 2000円台:12% 3000円台:19%
「あげない」という回答の19%は納得の数字だと思いますが、1~2万円未満が4%というのはやや意外です。
■小学校1~3年生
1000未満:3% 1000円台:17% 2000円台:19% 3000円台:30% 5000円台:12%
この年齢では3000円前後が主流です。
■小学校4~6年生
1000円台:8% 2000円台:10% 3000円台:29% 4000円台:1% 5000円台28% 1~2万円未満:7%
この年齢になると、5000円台が増え始めます。
■中学生
3000円台:14% 4000円台:3% 5000円台32% 8000円台:5% 1~2万円未満:20%
中学生になるとお年玉が「ベースアップ」する傾向にあります。
■高校生
5000円台:25% 1~2万円未満:35%
5000円以上が6割を越えますが、「あげない」も増えるのが特徴です。
【お年玉はいつまであげる?「よくある悩み」】
■何歳までお年玉をあげる?
お年玉の金額に「相場」はあるものの、何歳まであげるかの「決まり」はありません。
・高校卒業まで
・成人するまで(現在は18歳)
・就職するまで(自分で稼げるようになるまで)
このような区切りを目安にする人が多いようです。
■誰にあげる?
お年玉をあげる対象は、「お正月に直接顔を会った(親戚の)子どもにはあげる」という人が多いようです。お年玉をもらう立場だった子どものころは、兄弟が多い親をもつ友人(おじさんおばさんがたくさんいる友人)を羨ましく思ったものの、大人になってお年玉を贈る立場になると、甥っ子や姪っ子の人数がダイレクトにお財布に響き、痛い思いをする人もいるでしょう。
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令和のいま、お正月に親族が一堂に会するという機会も少なくなっています。しかし、電子マネーによるお年玉も珍しくないようで、「会わないから渡さない」は通用しにくくなっています。
【お年玉をやめるタイミングの考え方】
■学業に活用して欲しいから…
実際にはおもちゃやゲームに使われたとしても、「学びにかかる費用の一部に」という思いでお年玉をあげる人もいます。したがって「勉学が本分である学生でなくなったらお年玉をあげるのをやめる」というのは理に適っていますね。
■未成年のうちは…
民法改正により、2022年4月1日から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。「成年(成人)」とは心身が発達して一人前になったおとなを意味しますから、「成人になったらお年玉は終了」という考え方も一定の理屈があります。
とはいえ、家庭環境や経済状況により異なるため、無理のない範囲であげるのが理想です。
【お年玉の金額を決めるときの注意点】
年長者が年下の相手へ、目上の者から下の人へ、が一般的ですが、ここで気を付けたい点がいくつかあるのでチェックしておきましょう。
■兄弟間、親戚間の配慮
例えば、お互い小学校高学年の子どもをもつ40代の姉妹。姉から妹の子どもへ、妹から姉の子どもへお年玉をあげる際、金額に大差があるのは避けたいところ。可能なら、事前に話し合える関係なら、金額を揃えるなどの配慮があるとよいでしょう。
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また、子どもが複数の場合、小学校4年生にはいくら、6年生にはいくらと年齢によって変えるのか、一律同額にするのかなど…世知辛い話ですが、ルールを定めるのもいいかもしれません。
■高額すぎるお年玉には贈与税も!
お年玉は通常、贈与税の対象外です。ただし、1年間で贈与された金額の合計が110万円を超えると、その超過分には贈与税がかかります。
もし、お年玉以外にも贈与されたものがあり、合計額が110万円以上になるなら、110万円を超えた金額に対して受け取った側に納税義務が発生し、申告しなければなりません。これは受け取った側の年齢には関係ありません。ですから、例えば生まれてきた孫の将来を思って、祖父母が110万円以上のお年玉を贈与した場合、その赤ちゃんに支払い義務が発生するということです。
贈与税は1年間に贈与された合計金額が対象なので、お年玉だけでなく出産祝いなどを合計して110万円を超えた場合も同様です。また、贈与した側の人数などは関係がないので、祖父から100万円、祖母から20万円という場合でも、110万円を超えた10万円に対して贈与税が発生します。
赤ちゃんのお話ばかりになりましたが、進学、就職祝いを兼ねて…などの理由から高額のお年玉をもらう可能性のある相手へは、注意が必要です。
【お年玉に関するよくある質問(FAQ)】
■大学生でもあげる?
学生の状況によって判断が分かれます。親元から通う裕福な学生には不要という意見もありますが、アルバイトをしながら学んでいるような学生には渡すという配慮もあるでしょう。
■就職したら終わり?
「年神様へのお供え物の魂を分け与える」というお年玉の由来を考えると、就職しても変わらず年上・目上の人からもらってもいいような気もしますが…。一般的には「就職したらお年玉は終了」と、節目とされています。いう考えが一般的のようです。ただし、社会人になった子どもから親にお年玉を贈るケースも増えているようです。
■現金以外はアリ?
現金以外のお年玉を希望する子どもも増えており、電子マネーを希望する声も3割にのぼります。ただし、用途が不明瞭になる電子マネーより、図書カードなどの金券の方が安心という保護者の声もあります。
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子どものころ、自分の名前が書かれたお年玉袋をそっと受け取る瞬間。あの少しくすぐったいような嬉しさを覚えている方も多いのではないでしょうか。
今では、電子マネーでのお年玉も一般的になりつつあり、キャッシュレス時代の流れを感じさせます。実際、寺社では電子マネーによるお賽銭も可能になり、風情やしきたりのあり方も大きく変化しています。
とはいえ、こうした変化を「味気ない」と感じるのではなく、「新しいかたちで想いを伝える手段が増えた」と前向きに受け止めたいところです。お年玉は、金額の多寡ではなく、“心を贈る”文化。だからこそ、紙のぽち袋でもスマートフォンでも、その本質が変わることはありません。現代のお年玉の相場を参考にしながら、時代に合った「自分らしい贈り方」を選んでいけたら素敵ですね。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館)/キッズネット( https://kids.gakken.co.jp/ )/ 国税庁( https://www.nta.go.jp/ ) :

















