「頭分」ってなんと読む?「あたまぶん」ではないですよ!
みなさま、クリスマスの今日、いかがお過ごしですか? 欧米ではクリスマス翌日を『ボクシングデー』と言い、「クリスマスのプレゼントボックスを開けて隣人と分かち合う日」とする慣習がございます。また、イギリスやカナダ、ノルウェー、スウェーデンなどでは休日になっており、この日から歳末セールが更に大々的になる国もあるようです。
『ボクシングデー』の「ボックス」の由来は諸説あり、「クリスマスの翌日に教会などで寄付金箱を開けて貧しい人々に配った」というものや、「家主が使用人や労働者に、クリスマス当日に働いてくれたことをねぎらうため、翌日からの休暇と、プレゼントボックスを渡した」という説などがございます。いずれにしてもこの日の「ボックス」は、喜びを「分かち合う」ためのものなのです。本日は「分」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「分引き」ってなんと読む?
「分引き」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「幾分か割引きをすること」という意味です。
<使用例>
「このお店では、今日からセール価格の品がさらに分引きされるんですって」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 分引き(ぶび-き) です。
「分引(ぶび)き」は「割引き」の同義語で、今でも使われる言葉です。日本古来、割合のことを「○割○分○厘(○わり○ぶ○りん)」と表現しますね。「分引き」は「割合」のイメージとして「分(ぶ)」を使った言葉です。
では、二問目にまいりましょう。
【問題2】「頭分」ってなんと読む?
「頭分」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「集団のなかで指導的な立場にある人。親分。頭領」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「うちの兄弟姉妹は、精神的には末っ子が頭分なのよ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 頭分(かしらぶん) です。
「分」は「身分」を表す際にも使われる字で「頭分(かしらぶん)」は「頭(かしら)の身分」ということです。「頭」という字、「あたま」と読む印象が強いがための誤読が散見されます。「『あたまもじ』…じゃなかった、『頭文字(かしらもじ)が…』」というようなケアレスミスに遭遇したこと、皆さまもあるのでは?「頭分(かしらぶん)」という言葉は現在でも使われますが、やや古風な言い回しのため、言葉を知っていないと読み間違いに気付かない…ということも考えられますので、扱ってみました。
***
本日は、クリスマスの翌日のイベント『ボクシングデー』の話題から、「分」という字の入った日本語を取り上げ、
・分引き(ぶび-き)
・頭分(かしらぶん)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/BBC NEWS JAPANホームページ/日本経済新聞ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱

















