ネット・ラジオ、SNS、動画サイト……と、さまざまなシチュエーションで音楽を聴くことができる今、世界中のアーティストとの出会いを多方面で積極的に楽しんでいる人は多い。ダーディ・ループスは、そんな人たちの間で話題を集めているスウェーデン発のユニットだ。

高度なテクニックで世界を驚かすスウェーデン発のユニット「ダーディ・ループス」

JONAH NILSSON - ジョナ・ニルソン

ジョナ・ニルソン
ジョナ・ニルソン

 スウェーデン王室音楽アカデミーの生徒だった3人によって結成されたダーティ・ループスは、アカデミー在学中から人気シンガーの楽曲をカヴァーして次々と動画サイトにアップ。これが爆発的な再生回数を記録して注目を浴びた。彼らの圧倒的な演奏力とずば抜けたアレンジ・センスに、アメリカ音楽界の重鎮クインシー・ジョーンズや、グラミー賞を15度も受賞したスーパー・プロデューサーのデイヴィット・フォスターも惚れ込んだという。そして、2014年、待望のアルバム『ダーティ・ループス』でワールド・デビューを果たす。

 ブルーノート東京がダーティ・ループスの魅力に着目したのも早く、昨年8月には初ステージを実現させている。彼らを間近に見られるチャンスとばかりに訪れた幅広い年齢層のファンで客席は満席になり、熱気に包まれた会場からは手拍子のみならず合唱も自然に巻き起こった。それほど、彼らのパフォーマンスは、見せどころ、聴かせどころが満載だった。

 その興奮の記憶がまだ新しいこの6月、ブルーノート東京のステージに、ダーディ・ループスの中心人物であるジョナ・ニルソンが今度はソロ・プロジェクトで登場するという。昨年のステージを見逃したファンはもちろん、新しい音楽との出会いを求める人たちにとっても、ダーディ・ループス・サウンドを、ナマで体感できる絶好のチャンスとなるだろう。6月12日から3夜連続だ。

 あらためてダーディ・ループスのプロフィールを紹介しておくと、結成は2009年のストックホルム。メンバーは3人とも欧州最古の音楽学院であるソード・ラテン音楽学校からスウェーデン王立アカデミーに進学しているとうエリート集団。ベース&ソプラノヴォーカルがヘンリック・リンダー。ドラムスがアーロン・メルガルド。そして、ヴォーカル&キーボードが、今回ソロ・プロジェクトでブルーノート東京のステージに立つジョナ・ニルソン。

2017年8月のダーティ・ループスの公演より。撮影:古賀恒雄
2017年8月のダーティ・ループスの公演より。撮影:古賀恒雄

 ジョナは、スティービー・ワンダーの再来と囁かれるほど幼い頃から音楽の才能を発揮してきた。両親が教会で働いていたこともあり、言葉を覚える前から教会で歌っていたという。11歳でピアノを弾き始め、高校時代にはミュージシャンとしての活動をスタート。スウェーデンの人気アーティストのツアー・バンドに参加するなど、数々の経験を重ねながら若い才能を磨き、伸ばしてきた。

2017年8月のダーティ・ループスの公演より。撮影:古賀恒雄
2017年8月のダーティ・ループスの公演より。撮影:古賀恒雄

 そして特筆すべきはジョナのヴォーカル。昨年のブルーノート東京のステージでもオーディエンスたちを魅了したその歌声は、「今までに聞いたことのない最も広い音量、声域、そして、熱い魂を持ち合わせた唯一無二の男」とクインシー・ジョーンズが絶賛するほど。

 今回の公演では、発売が予定されているソロEPからのナンバーに加え、ダーティ・ループスのヒット曲や、音楽好きなら誰もが口ずさんでしまいそうなカヴァー曲も取り上げられる予定。その魅力のすべてを、至近距離で体感したいものである。

Jacob Collier feat. Jonah Nilsson - Do I Do (Live)

■スケジュール
2018年6月12日(火)、13日(水)、14日(木)
時間、料金などの詳細はこちら​

■会場
ブルーノート東京
住所:東京都港区南青山6-3-16

■ご予約/お問合せ

この記事の執筆者
音楽情報誌や新聞の記事・編集を手がけるプロダクションを経てフリーに。アウトドア雑誌、週刊誌、婦人雑誌、ライフスタイル誌などの記者・インタビュアー・ライター、単行本の編集サポートなどにたずさわる。近年ではレストラン取材やエンターテイメントの情報発信の記事なども担当し、ジャンルを問わないマルチなライターを実践する。