【目次】

左義長ってどんな行事?|意味と歴史】

■読み方

「左義長」と書いて「さぎちょう」と読みます。

■意味

「小正月」に行う火祭りの行事です。かつて宮中では1月15日に、清涼殿の東庭で三本の青竹を組んだやぐらに吉書(きっしょ)などを結びつけ、囃(はや)しながら焼き上げる『左義長』の儀式が行われていました。

民間では、1月15日ごろに野外で門松などの新年の飾り物を集めて炊き上げ、無病息災を祈る行事を言います。京都市内の各所や、滋賀の近江八幡、神奈川の大磯などで伝統的に行われています。

■盛大に行われる「大磯左義長」

国指定重要無形民俗文化財に指定されているのが、大磯に古くから伝わる壮大な左義長です。正月飾りを集めて積み上げた高さ7~8mにもなる9基の“サイト”に、その年の恵方の方角から一斉に点火。その壮観さは夜空を焦がすがごとくと言われています。町民は団子を取り付けた竹竿を持参し、サイトの火であぶって食べます。この団子を食べると1年間風邪をひかないといわれているのだそう。

2026年は1月17日(土)に、大磯北浜海岸にて18時30分から開催予定ですが、詳細は公式サイトをご確認ください。


【左義長で燃やすもの・燃やしてはいけないもの|正しい持ち物とマナー】

「左義長」は正月に関連した行事です。宮中発祥であることや神社などで行われることからも、正しいマナーを知っておきたいものですね。

■燃やしていいもの

新年、正月、神様にまつわる品。古いお守りやお札、破魔矢など神社での授与品や、しめ縄(しめ飾り)、門松、松飾などの正月飾りは「左義長」でお炊き上げしていただきましょう。書き初めもOKです。

■燃やしてはいけないもの

新年、正月、神様と関係ないものはNGです。仏像や数珠など仏教関係の品、年賀状やお年玉の袋などを持ち込むのは厳禁。左義長でのお炊き上げを焼却炉代わりに使うのはマナー違反です。

■左義長でのルール、マナー

「お守りくださりありがとうございました」という気持ちで。「当社以外の授与品はご遠慮ください」「1件につき○○円ご志納ください」など、地域や神社での取り決めがある場合は従うこと。


【左義長に参加する意味とご利益|家内安全・無病息災だけじゃない!】

「左義長」のご利益は、家内安全や無病息災のほか、豊作や商売繁盛、子孫繁栄、学業成就など。火や煙に当たることで厄を払います。具体的にはこんないわれも。

■書初めが高く舞い上がると、学業成就や、書道の上達が見込める。

■炊き上げた灰を持ち帰ると火災除けに。

■あぶった餅を食べると、病除けや虫歯予防に。


【左義長に行くときの服装・持ち物は?|防寒と安全対策を忘れずに】

真冬の野外行事なので、防寒は万全に。火の粉や煙に配慮した服装がおすすめです。持参するのは、役目を終える授与品や正月飾りですが、お炊き上げするものがなくても、炎や煙を感じるだけでもご利益が期待できそうです。


【左義長に行けなかった場合は?お守りやしめ飾りの処分方法】

大きく火を焚く左義長は、どこでもできる行事ではありません。「左義長や神社でのお炊き上げに参加できないけれど、古いお守りやお札はどう処分すべき?」と悩むこともあるでしょう。

基本的には自治体のルールにのっとって“燃やしていいゴミ”と考えてOK。そのままごみとして捨てるのがはばかれるなら、書道半紙やコピー用紙など、白い紙に乗せて軽く塩を振って清めてから処分するとか、包んで捨てると、気持ちがスッキリするでしょう。

正月飾りにはプラスチックなど、自治体によっては不燃物とされている素材が使われている場合も。ルールを守って正しく分別処理を行ってくださいね。


【ビジネス雑談で盛り上がる豆知識】

■なぜ団子や餅を焼く?

お正月の行事や習慣は、各家庭に年神さまを迎えるためのものでもあります。正月の終わりとなる小正月に行われる左義長の炎は、迎えた年神さまを見送るための神聖な火。そんな火で焼いたりあぶったりした団子や餅を食べることで災いを払い、健康を願うのです。

■なぜ団子や餅?

もともと団子は神様への供物。五穀豊穣や豊漁を祈願して柳など木の枝に団子を飾る「まゆ玉」や「餅花」の風習は、長野県や京都府、岐阜の飛騨地方、香川県、鹿児島の奄美大島などで続けられています。

■神聖なる火

火、炎は、古くから人間の営みに欠かせないものである一方で、浄化力をもつ神聖なものとして崇められてきました。神事や仏事に火が欠かせないのは、火や煙にあたるだけでも厄払いになると考えられているからなのです。

■「左義長」と「どんと焼き」の違い

「左義長」と「どんと焼き」は、呼び方や細かい作法に違いはありますが、いずれも小正月に行われる火祭りで、正月飾りやお守りを焚き上げ、無病息災などを祈願する点では共通しています。どちらも小正月に行われる行事で、お守りや正月飾りなどを集めて燃やし、その年の無病息災などを願う火祭りです。

「左義長」は平安時代の宮中行事に由来する呼び名なので関西で、炎がどんどん萌える様子を表した「どんど焼き」は東北地方を中心に全国に広まった名称なのだとか。

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年始の慌ただしさが落ち着く小正月には、古くから無病息災や厄除けを願う「左義長」が各地で行われてきました。近年は簡略化されつつありますが、伝統行事に触れることで心が整い、新たな一年への意識も変わるもの。家庭や地域でどれほど続けられているかは定かではありませんが、こうした節目の習慣こそ、大人の女性として大切にしていきたい文化のひとつです。

この記事の執筆者
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