【New Designers】ファッション・ジャーナリスト藤岡篤子さんが注目する3名の「新デザイナー」をクローズアップ!

近年、デザイナー交代が活発化しているモード界。毎シーズン現地で取材をし、激動の変遷を肌で感じている藤岡さんに、今後の活躍に特に期待を寄せる、3名のデザイナーを伺いました。

お話を伺ったのは…藤岡篤子さん
ファッション・ジャーナリスト
世界の4大コレクションを毎シーズン取材。ファッションの変遷やブランドの動向、ランウェイから見出したトレンド情報を、メディアで発信している。

【designer of  DIOR】Jonathan Anderson(ジョナサン・アンダーソン)|ジョナサン節炸裂!独自の解釈でアイコンを日常着に昇華

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(C)DAVID SIMS

多くのアイコンバッグを生み出すなど、メゾンの活性化に貢献し、「ロエベ」で一時代を築いたジョナサン・アンダーソンの「ディオール」移籍は、発表当初から話題沸騰。ムッシュ ディオールが深く憧れたフランス革命と、18世紀のスタイルから着想を得た2026年春夏コレクションのフィナーレでは、自然とスタンディングオベーションが広がった。

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メゾンを代表するリボンモチーフを、クチュール感溢れるデザインでモダンに更新。
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カジュアルなチェック柄が、日常に浮かないドレスアップを提案。 

「『バー』 ジャケットを筆頭に、伝統的なアーカイブたちが現代のリアルクローズとして、軽やかに生まれ変わっていてさすが! ユーモラスなヘッドアクセサリーや、構築的なシルエットなど、ジョナサン節は健在ななか、メゾンへの深い敬意を感じさせるバランス感覚は見事です。今後どのように自分色に染めていくのか、楽しみですね」(藤岡さん)

【designer of  CELINE】Michael Rider(マイケル・ライダー)|フレンチシックとスポーティを土台にしたリアル・ラグジュアリー

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ワシントンD.C.生まれのマイケル・ライダーは、教師を務めたのち、2000年代初頭にパリに移り住み、ファッション業界に入った異例の経歴の持ち主。直近では約7年間「ポロ ラルフローレン」のクリエイティブディレクターを務めた。かつてフィービー・ファイロ率いる「セリーヌ」で、約10年間デザインディレクターとして働いていた経験も。

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テーラードジャケットやニットといった定番アイテムを、配色や着方のバランスで刷新。
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ネイビー×金ボタンがフレンチマリンを思わせるⅠラインドレス。 

「デビューコレクションを見て、これぞ真のリアル・ラグジュアリーだと感じました。彼はアメリカの上流階級出身。随所に感じられるプレッピーテイストは、彼のアメリカ人としてのルーツが生きているからリアルなのです。かといって、メゾンのスピリッツは失われず、しっかりと受け継がれている。伝統と革新の融合はあっぱれです」(藤岡さん)

【designer of  BALENCIAGA】Pierpaolo Piccioli(ピエールパオロ・ピッチョーリ)|メゾンのアーカイブや伝統のシルエットを現代的で軽やかに復刻

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イタリア出身のピエールパオロ・ピッチョーリは、カール・ラガーフェルド時代の「フェンディ」でキャリアをスタート。その後「ヴァレンティノ」で25年もの間、さまざまな挑戦をし続け、メゾンを率いてきた実力派のベテランデザイナー。彼が今回目指したのは、「アーカイブへのオマージュ」ではなく、「再定義」だという。

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ポケットに手を入れたモデルのポージングが示すように、コレクションの90%の洋服にポケットを備え付け。実用性を実現した、現代社会に寄り添う姿勢がうかがえる。  Courtesy of Balenciaga
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Courtesy of Balenciaga

「ピッチョーリによる “バレンシアガ” がほかの新生ブランドと大きく異なる点は、メゾンのスピリッツを忠実に引き継いでいること。“フェンディ” で培った素材への徹底したこだわりを駆使して、創業デザイナーのクリストバル・バレンシアガが生み出した革新的なシルエットを、軽やかに蘇らせた手腕は素晴らしい! 個人的にいちばん注目しています」(藤岡さん)

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EDIT&WRITING :
奥山碧子(Precious)