【目次】
【拾得物の日とは?意味・由来を簡潔に解説】
1980(昭和55)年4月25日、トラック運転手の男性が東京都中央区銀座3丁目の路上で発見した現金1億円が入った風呂敷包みを警察に届けました。この拾得物は落とし主が現れなかったため、旧遺失物法に基づき、6か月後に所有権がこの男性に。全額を受け取ったという出来事がありました。
このことから、警視庁が「落とし物や忘れ物について関心をもってもらおう」と制定したのが4月25日の「取得物の日」なのです。
【拾得物とは?法律上の定義と基本ルール】
■拾得物と遺失物
「拾得物」とは拾得した物品のこと。「遺失物」は置き忘れたり落としたりした物。拾った他者の所有物が「拾得物」、失くした物が「遺失物」です。
■準遺失物
似たような言葉の「準遺失物」は、誤って占有した他者のものや他者が置き去った物、飼い主から離れてしまったペットや家畜を言います。
■埋蔵物
地中や遺跡など包蔵物の中に埋蔵されていて、その所有者が誰であるか容易に識別できないものを言います。公園の地面を掘ったら何か出てきた…は、埋蔵物として扱われます。
【落とし物を拾ったときの対応|届け出や権利のポイント】
拾得物は警察などに届け出なければなりません。その際、拾得者にはいくつかの権利が発生しますが、ルールを知らないとその権利は無効になる場合もあります。また、届け先は警察とは限りません。「拾得物の日」はこうした法律上のルールを学ぶよい機会ですね。ポイントをまとめてみましょう。
■路上や河川敷、海岸など「施設外」で拾った場合
・届け先と期間:近くの交番や警察署などに届け出て、「拾得物件預り書」を受け取ります。これにより拾得者としての権利が生じますが、落とし物を拾った日から7日以内に届け出ないと拾得者としての権利を得ることができません。警察がシステムなどを使って紛失物と拾得物を照会します。
・報労金を請求する権利:遺失者が判明した場合、落とし物の価値の5%から20%の間で遺失者からお礼を受けることが可能です。
・物件を受け取る権利:3か月経っても遺失者が見つからなかった場合、落とし物を自分のものとして受け取ることができます。現金の場合も全額が拾得者の所有に。「拾得物の日」ができた1980年当時は6か月でしたが、2007(平成19)年12月10日に改正遺失物法が施行され、その期間が3か月に短縮されました。
・物件の受け取り期間:警察から遺失者に返還した旨の連絡がなかった場合は、拾得物件預り書に記載の物件引取期間内に警察署に連絡をしたうえで受け取りに行きます。引取期間は2か月で、それを過ぎると落とし物の所有権は都道府県に帰属することになります。
■駅や空港、店、ホテル、学校など「施設内」で拾った場合
・届け先と期間:24時間以内に拾った施設に届け出ること。それを過ぎると拾得者としての権利は得られません。「物件の種類や特徴」「届け出た日時」「施設の名称等」が記載された書面を受け取ります。施設から警察に拾得物として届け出ます。
・報労金を請求する権利:遺失者が判明した場合のお礼は施設と折半となるので、落とし物の価値の2.5%から10%となります。
※3か月以内に遺失者が見つからなかった場合の物件の受け取りやその期間については、施設外での拾得と同様です。
■所有権を取得できないケース、権利に伴うリスクも
拾った場所が施設内外にかかわらず、法令によって所持が禁止されている物件(違法薬物など)や、クレジットカードや身分証明書、携帯電話機などの個人情報が搭載されている物件の所有権は取得することができません。
また、報労金や所有権を得るためには、居住所や連絡先電話番号などの個人情報を届け先に明示しなくてはなりません。報労金の取引は遺失者と拾得者間で行われ、基本的に警察などの介在はありません。拾得者は権利を放棄することもでき、その場は個人情報の明示は必要ありません。
【拾得物の日に考えたい|大人としての適切な行動とマナー】
■ビニール傘、届ける?届けない?
他者の落とし物に気付いた際、その物件の価値によって対処が変わってはいけませんが、正直なところ迷うケースもあるでしょう。たとえば駅のトイレの個室にビニール傘があったら…あなたならどうしますか?
届け出るなら駅の遺失物受付へ。そのままにしておいても、間もなく駅員や清掃員が見つけて適切に処置されるでしょう。傘の忘れ物は遺失物のトップクラス。大量に届けられ(拾得され)た傘は一定期間保管されたのち、処分されることが多いようです。
■中身がわからない場合、むやみに触るのはNG!
放置されている物品を拾って届けるのは正しい行為ですが、注意も必要です。何が入っているかわからない鞄や袋類、液体が入ったボトルなどはむやみに触るのは危険。爆発物などの可能性もあるので、物件が落ちている、置き忘れられているらしい旨を関係機関に通報するにとどめるのが正解かもしれませんね。
■子どもが拾ったものはどうなる?
拾得物に関する権利や義務は年齢に関係なく発生します。しかし、拾得者が未成年など手続きが十分果たせない場合は保護者が代理人に。4月25日の「拾得物の日」は、子どもに「拾ったものは届ける」という社会のルールを教えるいい機会です。持ち帰ってきてしまった拾得物は速やかに届け出ましょう。
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遺失物情報は、都道府県警ごとのサイトの「落とし物検索」などに集約されています。落としたと思われる日にちや場所などで検索でき、届け出のあった物件の特徴などが一覧できます。貴重品(1万円以上の現金および物品、運転免許証、預金通帳、携帯電話など)については情報共有し、各県警サイトから全国分が検索できるようになっていますよ。気になる方は閲覧してみて下さい。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/警視庁( https://www.npa.go.jp/bureau/soumu/ishitsubutsu/otoshimono/index.html ) :

















