【目次】
- 「ドレミの日」とは? 意味・由来・いつなのか解説
- なぜ6月24日? 聖ヨハネ祭との関係
- 「ドレミファソラシド」の由来とは? ラテン語の歌詞を解説
- 「ドレミ」は誰がつくった? グイード・ダレッツォとは
- 「ハニホヘト」との違いは? 日本の音名文化
- ビジネス雑談に役立つ音階の雑学
【「ドレミの日」とは? 意味・由来・いつなのか解説】
■「何日」?
「ドレミの日」は6月24日です。
■「どんな日」?「意味」「由来」
楽器を演奏しない人にとっても、カラオケや合唱で歌うときなど「ドレミ」は私たちにとってとても身近な存在です。「ドレミの日は」は、この「ドレミ」のルーツとなる出来事にちなむ記念日で、音楽の歴史や文化に親しむ日として知られています。
■「いつ」「誰が」決めた?
6月24日は、一般に「ドレミの日」と呼ばれることがあります。特定の団体が制定した公式の記念日ではなく、6月24日の出来事に由来する通称として広く親しまれている記念日です。
【なぜ6月24日? 聖ヨハネ祭との関係】
■6月24日は「聖ヨハネの日」
6月24日は、キリスト教で洗礼者ヨハネの生誕を祝う「聖ヨハネ祭」の日です。イエスの誕生を祝うクリスマスは冬至祭と関わりがあるとされていますが、そのちょうど6か月前にあたるこの「聖ヨハネ祭」は夏至祭とも結びついて、キリスト教文化圏では盛大に祝われます。中世ヨーロッパでも重要な祝祭日で、多くの聖歌が歌われていました。
■「聖ヨハネ賛歌」が音階のもとに
11世紀のイタリアで活躍した修道士グイード・ダレッツォは、聖歌の練習をより効率的にするため、聖ヨハネ祭で歌われるラテン語の聖歌「Ut queant laxis(ウト・クァント・ラクシス)=聖ヨハネ賛歌」に注目し、これを音階として体系化しました。
■6月24日が「ドレミの日」に
こうした「聖ヨハネ祭」と「聖歌」の関係から、6月24日は「ドレミの日」として親しまれるようになりました。なお、「1024年の6月24日に、ダレッツォが音階の原型を考案した」という説も広く知られていますが、正確な日付を示す同時代の史料は確認されていません。
【「ドレミファソラシド」の由来とは? ラテン語の歌詞を解説】
■「ドレミ」のもとはラテン語の聖歌・聖ヨハネ賛歌
現在の「ドレミファソラシド」の原型は、聖ヨハネ賛歌「Ut queant laxis(ウト・クァント・ラクシス)」の歌詞にあります。この聖歌の各節は、冒頭の音がそれぞれ一音ずつ高くなるようつくられており、音の高さを覚えるのに適していたといわれています。そこで、冒頭の音節である「Ut、Re、Mi、Fa、Sol、La」が音の高さを覚える目印として用いられるようになったのです。
■聖ヨハネ賛歌の歌詞(ラテン語)
Ut queant laxis
resonare fibris
Mira gestorum
famuli tuorum
Solve Polluti
labii reatum
Sancte Johannes
【歌詞の意味】
あなたのしもべたちが
弦(の声)が鳴り響くように
響かせて歌えるように
けがれた唇の罪を
取り除いてください
聖ヨハネよ
各節の冒頭の音節(ラテン語)を読んでいくと…
Ut – Re – Mi – Fa – Sol – La…「ウト・レ・ミ・ファ・ソ・ラ」になりましたね! これが現在の「ドレミ」の原型だといわれています。
■「ウト」は「ド」に変わった
現在使われている「ド」は、もともと「Ut(ウト)」だったものがのちに「Do(ド)」に替わって用いられるようになったものです。16世紀頃、イタリアでは「Ut」は歌いにくいため、音楽理論家ジョヴァンニ・バッティスタ・ドーニが、自身の姓「Doni」やラテン語の「Dominus(主)」にちなみ、「Do」を提唱したとする説が広く知られています。ただし、由来については諸説あり、定説はありません。
■「シ」は後から加わった
当初の音階は「Ut、Re、Mi、Fa、Sol、La」の6音でした。その後、17世紀頃「Sancte Iohannes(聖ヨハネ)」の頭文字から「Si」が加えられ、7音音階が完成したとされています。
【「ドレミ」は誰がつくった? グイード・ダレッツォとは】
■そもそも「ドレミ」って何?
「ドレミ」は音の高さや音階上の位置を表す呼び方として広く使われています。イタリア語の 「ドレミ」 は、多くの国で用いられていますね。
■グイード・ダレッツォが、「ドレミ」の原型を体系化した
グイード・ダレッツォは、11世紀前半のイタリアで活躍したベネディクト会の修道士であり音楽理論家です。当時、現在のような楽譜はまだなく、そのため聖歌のメロディも聴いて覚えるしかありませんでした。聖歌を覚えるに苦労している人々を見たダレッツォは、メロディを何とか覚えやすくする方法はないかと考え、音階に「ドレミ」と音名をつけたのです。「なぜ『ドレミ』だったのか?」については、前の章で解説した通り。この工夫は複雑だった聖歌の学習を大きく改善したといわれています。
■「五線譜」の原型を考案したのも…
グイード・ダレッツォの功績としてもうひとつ有名なのが、線を用いて音の高さを示す記譜法を改良したことです。現在の五線譜とは完全に同じではありませんが、音の位置を視覚的に表す方法を体系化したことで、譜面を見た人が直感的に音の高さを掴みやすくなり、楽譜を見ながら歌うことが比較的容易になったのです。
【「ハニホヘト」との違いは? 日本の音名文化】
■「ドレミ」と「ハニホヘト」は何が違う?
「ドレミ」と「ハニホヘト」は、どちらも音の高さを表す「音名」です。イタリアではイタリア語で「ドレミ」と用いられたように、日本では「ハニホヘトイロ」が古くから使われてきました。現在でも、楽譜や調の表記、音楽理論の世界では「ハニホヘトイロ」が使われることが少なくありません。例えば、「ハ長調」は英語の「C major」、ドイツ語の「C-Dur」にあたり、「イ短調」は「A minor」に相当します。
■日本の音楽界は多言語混在
日本の音楽界(主にクラシック)では、歌う際にはイタリア語の「ドレミ」を多く用いる一方、理論や調の表記にはドイツ語がよく使われます。また、ジャズやポピュラーミュージックの普及によって英語の影響も強まり、「ド・シャープ」「ミ・フラット」などの呼び方も一般的です。
ちなみに、日本の音楽教育ではどのようなときに何語を使う習慣があるのかを簡単に分類してみると…
・音名で歌うとき:ド・レ・ミ (イタリア語)
・♯や♭の付いた音の高さを伝えるとき:Cis(ツィス)Des(デス )など
・調の表示:「嬰ハ短調」や「cis moll(ツィス・モル)」 など(日本語かドイツ語)
このように、日本の音楽界では、イタリア語、ドイツ語、日本語、さらに英語も併用されているのです。
【ビジネス雑談に役立つ音階の雑学】
■なぜ「ド」は「C(ハ)」なの?
「ドレミファソラシド」は「ド」から始まるのに、アルファベットでは「C」、日本語では「ハ長調」と呼ばれるのを不思議に思ったことはありませんか?
話は11世紀の中世ヨーロッパまで遡ります。当時、普通の男性が出せる最低音は「低いソ」だったとされ、その音を「γ(ガンマ)=G」と名付けました。そして、そのひとつ上の音から、順番にABCと名前を付けていったのだそうです。すると…「γABCDEF」という並びになり、ちょうど真ん中に位置する「C」が、合唱の際の基準音になりました。
一方、「ドレミファソラシ」は、11世紀にグイード・ダレッツォが聖歌の歌詞から考案した音名です。つまり、アルファベットの音名と「ドレミ」は、それぞれ異なる歴史をたどって発展してきたものだったのです。そのため現在では、「ド」はアルファベットの「C」、日本語では「ハ」に対応しています。「ド=C=ハ」という少し不思議な関係の裏には、中世から続く長い音楽の歴史が隠されているのですね。
■なぜ1オクターブは「12音」?
ピアノの鍵盤を見ると、1オクターブのなかには白鍵と黒鍵を合わせて12の音があることがわかります。実はこの数は、人間が適当に決めたものではなく、古代から研究されてきた「音の響き」の法則と深く関わっています。
古代ギリシャの哲学者ピタゴラスは、弦の長さを単純な整数比にすると、耳に心地よい音程になることを発見しました。例えば、弦の長さを半分にすると高さの違う同じような音(1オクターブ上の音)になり、3分の2にすると「完全五度」と呼ばれる美しい響きが生まれます。そして、この完全五度の関係を繰り返していくと、12回ほど積み重ねたところで、ほぼ元の音に戻ることがわかりました。こうした考え方が長い年月を経て発展し、現在の「1オクターブ=12音」の体系へとつながったのです。
■「和音」はなぜ美しく響く?
和音とは、複数の音を同時に鳴らしてできる響きのことです。なかでも基本となるのが、「ド・ミ・ソ」のように3つの音を重ねた「三和音(トライアド)」です。では、なぜ「ド・ミ・ソ」は美しく響くのでしょうか。その理由は、それぞれの音が単純な整数比の関係にあり、人間の耳に自然で安定した響きとして感じられるためだとされています。また、同じ3つの音でも組み合わせ方によって印象は大きく変わります。明るく華やかな長調、どこか切なく物悲しい短調など、音楽の豊かな表情は、こうした和音の組み合わせによって生み出されているのです。
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「ドレミ」はイタリア語、「ハ長調」は日本語、そして♯(シャープ)は英語。わたしたちが日常何気なく使っている音楽用語が、それぞれ異なるルーツをもっていたとは驚きでした。当たり前に眺めた楽譜にも、実は先人の知恵と長い歴史が詰まっていたのですね。「ドレミの日」をきっかけに、そんな音楽の奥深さ・おもしろさをビジネス雑談にお役立てください。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:YAMAHA「そもそも「楽譜」とは何か? ~その1:言葉の意味から辿る【演奏しない人のための楽譜入門#19】】」(https://sheetmusic.jp.yamaha.com/blogs/magazine/sheet-music-intro-19) /ピティナ 読み物・連載(https://research.piano.or.jp/index.html) /ケルトの笛屋さんブログ「「ドレミの日」ってどんな日?」(https://blog.celtnofue.com/archives/1989) /オトマナビブログ「「ドレミファソラシ」の起源は聖ヨハネ賛歌だった」(https://blog.otomanavi.com/2016-12-13-003000/) /コトバンク「聖ヨハネ祭」(https://kotobank.jp/word/よはね祭-1214186#goog_rewarded) /ノートルダム清心女子大学「洗礼者聖ヨハネの誕生の祭日―シスター・セント・ジョン渡辺和子名誉学長を偲ぶ」(https://www.ndsu.ac.jp/blog/article/index.php?c=blog_view&pk=1568798091cbe383085eec2b68d02ede511b98d50c&category=&category2=) /Senzoku Online School of music「音名」(https://www.senzoku-online.jp/theory/classic/02/onmei-04.html) /一般社団法人日本音楽能力検定協会「ドがAではなくCになった理由/日本音楽能力検定協会」(https://www.ongaku-kentei.com/blog/2244) スガナミ楽器「音名のABCはどうしてラから始まるの?‐コラム11」(https://www.suganami.com/info/40405) ダヴィンチ「ドレミ…はどうやって生まれたか知ってる? 心地よいハーモニーを科学的に解明!」(https://ddnavi.com/article/d470631/a/) :

















