「本物の家具」がもつ魅力を味方につけてもらうために、インテリアエディター「D」が厳選した大人のためのインテリアアイテムをご紹介する連載。身長156cmと小柄なエディターが、実際に家具を触ったり、座ったりしながら、女性ならではの視点でインテリア名品の魅力を掘り下げます。第4回はフリッツ・ハンセンの『ロオチェア(RO)』です。

日々の喧噪から離れ、自分自身に戻る時間と空間を作り出してくれる「ロオチェア」

【ブランド】フリッツ・ハンセン【商品名】ロオチェア【写真の仕様の価格】¥438,480(税込)【サイズ】幅800×奥行き970×高さ1130mm【材質】脚=オーク材、シート=ファブリック/デザイナーセレクションのライトピンク(クヴァドラ社の「スチールカット(Steelcut)605 / 「キャンバス(Canvas) 0614

同世代デザイナー、ハイメ・アジョンが「ロオチェア」に込めたメッセージ

青山のショールームに飾られているロオチェアのスケッチ

“デザインは問題を解決します。もちろん耐久性も重要です。しかし何よりも、人が使うということを忘れてはいけません。デザインは、喜びを生み出さなくてはならないのです。” ― ハイメ・アジョン フリッツ・ハンセン公式HPより

【ブランド】フリッツ・ハンセン 【商品名】ロオチェア【写真の仕様の価格】¥438,480(税込) 【サイズ】幅800×奥行き970×高さ1130mm【材質】脚=サテン仕上げアルミニウム、シート=ファブリック/デザイナーセレクションのダークブルー(クヴァドラ社の「フェイム(Fame )66061」&「キャンバス(Canvas) 794」

物があふれると、やれ「ミニマムがいい」だの、「物よりこと」だの、何かを所有すること自体に罪悪感を感じさせる風潮のある現代。自分らしい生活空間のつくり方を、時代の空気感に左右されること自体、奇妙なことだと思いませんか? 

アートのような形状で、カラーリングの美しいロオチェアが日常の風景にあったら、朝起きるのも、帰宅するのもうれしくなるのでは。座った姿も、独特のくびれで姿勢良く見えます。しかも座ると静寂に包まれるような、おこもり感があります。

ロオチェアの魅力を味わうなら、機能的でセンシュアルな5色展開のデザイナーセレクトカラーがおすすめ

肌に触れる部分は、クヴァドラ社の「キャンバス」。ウール素材の比較的ボリューム感のあるやわらかな織りが特徴。https://kvadrat.jp

ロオチェアは、ファッションコーディネートのように、テクスチャーの異なる2種のファブリックで張り分けられています。ヨーロッパ有数のデザイン・テキスタイル・メーカー、クヴァドラ社のファブリックから、ハイメ・アジョン自身が選んだ組み合わせ。ロオチェアをきっかけに、お部屋に上品なカラーを取り入れられたら素敵ですよね。

北欧デンマーク家具の代名詞、フリッツ・ハンセン は、タイムレスなデザインを生み出す高級ブランド

1872年に、家具職人のフリッツ・ハンセンによってデンマークで創業。それ以来、有名デザイナーや建築家と共に、セブンチェアやスワンチェア、エッグチェアなどの数多くの名作を生み出しているブランド。才能あふれる各時代の気鋭デザイナーと協働し、その高い要望に応えるクラフトマンシップが新たな名作を生み出し続けています。2018年ミラノサローネでは、世界的に人気のある日本のデザインオフィス「 nendo(ネンド)」の新作も話題になりました。
【関連記事:名作北欧家具、フリッツ・ハンセンの『セブンチェア』の限定モデル(2017年)】

フリッツ・ハンセンの真製品への取り組み

ロオチェアの裏側に貼られたタグと、フリッツ・ハンセンのロゴマーク入りシーチング

2006年以降に生産された張り込みタイプの製品に、フリッツ・ハンセンの製品である証としてラベルを付けています。フリッツ・ハンセンでは最高のサプライヤーから家具の張り地や部材を仕入れ、それらは熟練した職人により縫製、組み立てられています。コピー製品の予防措置の一環として、フリッツ・ハンセンでは特殊な糸を織り込んだ茶色のラベルを張り込みタイプの製品に付けています。この糸は、フリッツ・ハンセンが保有する特別な器具でのみ確認することができ、これによりオリジナルとコピーとの判別を容易にすることが可能になりました。

スペインの伝統とユーモアを併せ持つ、職人技術と創造性でハイブランドから子どもまで笑顔にするハイメ・アジョン

ハイメ・アジョン

ハイメ・アジョンは、1974年マドリッド生まれのスペイン人アーティスト/デザイナーです。マドリッドとパリで工業デザインを学んだ後、1997 年にはベネトンにより資金供給されたデザインとコミュニケーションのためのアカデミー「ファブリカ」に参加。10代のころに没頭したスケードボードカルチャーやグラフィティアートも、今日の彼の詳細さと大胆さを併せ持ち、独創的な作品を創り出すベースになっているといえます。陶器や家具、インテリアデザインやインスタレーションまで活動の領域は広く、リヤドロや、バカラ、スワロフスキーなどさまざまなブランドからも作品を発表しています。遊び心のあるインスタ(#jaimehayon)も必見です。

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この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM
EDIT&WRITING :
土橋陽子