3,000坪の敷地にわずか8室の「沼津倶楽部」でモダンチャイニーズとスパを満喫!
JR沼津駅からタクシー利用で10分ほど、三島駅からは約20分で「沼津俱楽部」に到着します。大正時代から残る茅葺きの「長屋門」をくぐり広い庭を歩いていくと、右手に1913年に建てられた登録有形文化財「茶亭」が見えてきます。その先、左手にあるモダン建築が宿泊棟(別邸)です。
宿泊棟は、旧「二期倶楽部」などの設計で知られる建築家・渡辺明氏によって2006年にデザインされた建物です。富士川の砂と土を積み重ねた「版築壁(はんちくかべ)」や吉野杉などの自然素材を贅沢に使い、目の前に広がる美しい水盤や松林の自然と美しく調和しています。
宿泊棟の中心には美しい水盤が配されていて、すべての客室からこの水盤と松林の景色を望むことができます。水面に映り込む光や影が、ゲストを沼津の自然へと没入させるのです。
屋根には吉野杉が美しく、客室のひさしから見える粒揃いの美しい断面など細部まで匠の技が光ります。
富士川の砂と土を幾重にも積み重ねて地層のように仕上げた「版築」技法を採用し、建物全体が周囲の自然と調和する表情を持っています。
美しい建築と自然に囲まれた場所で、お籠りステイが叶う
客室は宿泊棟の1階と2階に配され、和室、洋室、メゾネットタイプなど8室それぞれが異なる作り。いずれも伝統的な和の設えと現代的な快適性が絶妙に融合した空間です。
今回、滞在したのは1階にある「デラックス畳ルーム」。眼前には美しい水盤が広がり、松林の景色も望める豊かな自然を感じられる造りです。
開放感のあるリビングスペースと、畳のスペースが一体となっています。畳にゴロンと横になり、思いっきり羽を伸ばすのもよし、チェアに座って外を眺めるのもよし。テレビはあえて置かれておらず、デジタルデトックスもできてしまう。
ミニバースペースの湯沸かしポットの脇に置かれた茶箱には静岡産の煎茶と茶器がセットされ、冷蔵庫内のドリンクやクラフトジン、落合ハーブ園とコラボレーションしたハーブティーなどの用意も。全てインクルーシブで楽しめ、まさにお籠り滞在するのにぴったりです。
部屋の中から外を眺めるだけでなく、時にはテラスに出て、この空間に身を委ねて過ごすという贅沢な時間が過ぎていきました。
極上の湯あみは客室の檜風呂とスパエリアで存分に!
客室には、広いバスルームがあり檜の内風呂が備わっているので、時間を気にせずプライベートな湯あみができます。お湯を張ると芳香が漂い、少し窓を開ければ、鳥や虫の鳴き声が聞こえてとてもリラックスできました。
また、宿泊棟に隣接して「沼津倶楽部 SPA」があり、宿泊ゲストはスパエリアの温浴施設(内風呂と露天風呂、岩盤浴、サウナ室)を利用することができます。
お風呂には敷地内の井戸から汲み上げられた、日本3大清流のひとつ柿田川湧水群と同じ水源の富士山伏流水が使われています。富士山の雪解け水はバナジウムやカリウム、マグネシウムといったミネラルを豊富に含んでいるそう。
スパエリアで客室の檜風呂とはまた違う湯あみを堪能しました。ほかに、オーストリア産の天然「バドガシュタイン鉱石」が敷き詰められた岩盤浴室もあり、横たわって遠赤外線でじんわりと身体を温めました。
そして、忘れてならないのがスパトリートメント! 1室のみのトリートメントルームでは、トータルビューティーカンパニー「uka」が、沼津倶楽部のために監修した予約制のトリートメントが受けられます。
テーマは「自然のリズムに身をゆだね、静かなひとときを取り戻す場所」。トリートメントの前後に入浴や岩盤浴を利用すれば、浄化やストレス軽減、健康増進も期待できますね。
トリートメントメニューはシンプルに「ボディトリートメント(全身、または、上半身)」(各60分)の2種。「上半身」のメニューは、背中・首肩・デコルテ・腕・脇、そして、「ukaスカルプブラシケンザン」を使うヘッドスパとハンドまでが含まれます。
抗酸化作用の高い「シナラオイル(西洋アザミの種子から抽出)」をベースにしたオーガニックオイルで、ボディのコリをほぐされ、ヘッドもスッキリ。トリートメント後は、客室に戻ってお布団に身を任せ、うとうと……。
「パーツケアメニュー」(各30分。各¥8,050)も4種(ドライヘッドスパ、リフレクソロジー、デコルテ、ハンド&アーム)あるので、ボディトリートメントと組み合わせて受けるのもおすすめです。
大正時代の数寄屋造りの空間で、五感で味わうチャイニーズ
ディナーは「茶亭」にて。鎌倉にある「イチリン ハナレ」の齋藤宏文シェフが監修。地元の沼津港や駿河湾で獲れた新鮮な魚介類、静岡の豊かな土地で育った旬の野菜をふんだんに使い、四川料理の技法と融合させたイノベーティブ・チャイニーズです。ソムリエによるアルコールペアリングも一緒に堪能しました。
取材時のディナーコースからいくつかご紹介しましょう。
地魚の刺身(この日はシマアジでした)には、自家製の食べるラー油を添えていただきます。また、土鍋に入った「フカヒレ」がワゴンで運ばれ、目の前で熱い上湯(シャンタン)が注がれると、音とともになんともいえない芳香が漂いました。コースを通して、こういったエンタメ性も秘めています。
アルコールペアリングは、ほぼひと皿ごとに1種類という贅沢さ。ワイン、日本酒、中国酒、ジンや焼酎などバリエーション豊か。料理とのマッチングを堪能しました。
「沼津倶楽部」は、大正初期に、ミツワ石鹸の二代目社長・三輪善兵衛が沼津市から借用した約3,000坪の土地、庭園「松石園」の中に、当代随一と言われた江戸幕府小普請方大工棟梁の柏木家十代目・柏木祐三郎により造られました。さまざまな時代を経て受け継がれ、老朽化した建物を修繕、宿泊棟を増築し、2023年に新たな「沼津倶楽部」としてスタートしました。
1913年(大正2年)に建てられた国の登録有形文化財「茶亭」は、三輪善兵衛氏が「千人茶会を催したい」という想いから贅を尽くして作り上げられた建築物です。この希少な建物に最低限の修復を施し、今はレストランとして活用されているのです。
翌朝の朝食も「茶亭」にて。滞在時は、大ぶりの金目鯛の干物、たっぷりの地元野菜、体に優しいおかゆなどを味わい、朝からしっかりとエナジーチャージできました。
早朝に庭園をゆっくりと散策。そして、敷地を出て少し歩けば海が広がっています。心地のいい潮風を肌に受けながら思いっきり深呼吸しました。
お泊りしてのんびりゆっくりと楽しむのがベストですが、スパトリートメントと「茶亭」でのランチ・ディナーはビジター利用も可能です。都会の喧騒を忘れて訪れたい、リラックスできる隠れ家を見つけました。
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- TEXT :
- はまだふくこさん ライフスタイルジャーナリスト
- WRITING :
- はまだふくこ

















