飛行機を利用する際やラグジュアリーなホテルに宿泊するときには、きちんとした女性としてのふるまいをしたいものです。
今回は、自分ではできていると思っていても、意外とできていないこともある、旅行中の機内マナーとホテルマナーを、おもてなし協会認定 おもてなしコンシェルジュである大川ユカ子さんに教わります。
意外と知らない女性のたしなみ!飛行機内のマナー5選
■1:手荷物はコンパクトに
「なるべく手荷物はコンパクトにしましょう。機内持ち込みのうち、すぐに使いたいものは足元(前の座席の下)に収まる範囲で。機内は乾燥しているので、マスクや保湿のためのグッズがあると安心です。ビジネスクラスやファーストクラスにはアメニティーとしてマスクや歯ブラシ、リラックスウエアなどがサービスされますので、選ぶのもいいでしょう。また、香りは自分にとっては心地良いものでも周囲からは不快に思われることがあります。香水や強い香りのアロマも控えましょう」(大川さん)
■2:お手洗いのタイミングをよく考える
「お手洗いに立つタイミングを考慮することも大人の女性として必要です。食事の流れの最中に席を立つのは控えましょう。離陸後は、ベルト着用サインが消灯して食事が始まる前に、着陸前はサインが点灯する直前に慌てることのないよう、到着予定時刻から逆算して30分以上前を目安にお手洗いを済ませるよう意識しておくと安心です」(大川さん)
■3:アルコールは控えめに
「機内は、気圧の関係で通常より酔いが回りやすいです。旅の勢いで飲みすぎないようお気を付けください。ちなみに、ジントニックや水割りなどは、薄め・濃いめなど希望を伝えることもできますよ」(大川さん)
■4:リクライニングのマナーを守る
「トラブルにならないよう、座席の背を倒すときは後ろの方にひと声かけて。食事の際には、リクライニングを元に戻すことを忘れずに」(大川さん)
■5:着陸後の「感謝の言葉」も大切
「使用したブランケットは軽くたたんで座席に置くのが大人の女性としいての美しいマナーです。ゴミはゴミ袋にまとめて、出口の客室乗務員に『ありがとう』のひと言や会釈・アイコンタクトがあると、旅慣れた大人の女性としての格も上がります」(大川さん)
押さえておきたい、機内で「品格がある女性」と思われる4つのポイント
元CAの大川さんから見ると、基本的に次のようなゲストは「品格がある」と感じるそうです。こちらもぜひ押さえておきましょう。
■1:食後のトレーが綺麗
「食事の後、トレーを下げる際にカトラリーがきちんとそろえて置かれていたり、食べ残した食材や使い終わった薬味などが綺麗にまとめてあったりすると、普段から丁寧な暮らしをされているのだなと感じます」(大川さん)
■2:化粧室を使った後が綺麗
「手を洗ったときに鏡に飛び散った水滴や、ベイスン(シンク)周りの水を拭くなどされている方がいらっしゃいました。こうして使用後が美しいと、品格ある女性としてのたしなみが備わっていて、心の美しさまで想像が及びます」(大川さん)
■3:頼みごとをする際の言葉使いが丁寧で依頼形
「何かを頼む際、命令調やくだけた言葉づかいでなく、きちんとアイコンタクトを取って依頼形で話される方は格が高いと感じます。例えば、『コーヒーのお替わりをお願いできますか?』などです」(大川さん)
■4:笑顔で「ありがとう」と言える
「サービスを受けた際に、笑顔でアイコンタクトを取って『ありがとう』とおっしゃる方はスマートなマナーを身に付けていらっしゃる素敵な女性だなと感じます」(大川さん)
意外と知らない女性のたしなみ!ホテルのマナー6選
■1:ロビーでの写真撮影は控える
「最近では、SNSに旅の記録を投稿するために、スマートフォンで撮影をする方が多いです。しかし、特にラグジュアリーなホテルのロビーでは、控えるべきでしょう。他のお客様のことも考え、周囲の空気を読むことが大切です。ロビーはホテルの顔でもあり、静かでゆったりした空間を提供することがそのホテルの格にもつながっているのです。大きな声ではしゃいだり走ったりすることも控えましょう」(大川さん)
■2:服装で「格」が決まる
「ホテルの雰囲気を壊さないよう、ホテルではそれなりの服装を心がけます。特にチェックイン時はホテル側からもお客様としての『格』をチェックされています。リゾート地だからといってビーチサンダルに短パンは控えましょう。特に足元は見られていますので、注意が必要です。
ホテルのレストランではドレスコードを設けているところもあります。服装によっては入店を拒否されたり、案内されるテーブルに差をつけられたりすることも。残念な思いをしないためにもその場にふさわしい服装を意識しましょう」(大川さん)
■3:チップをお財布から出すのはNG
「お財布を広げて直接渡すのはスマートではありませんし、防犯上からもおすすめしません。チップ用に予め少額紙幣を用意して、お財布とは別にしておきます」(大川さん)
■4:レディーファーストを意識した行動を
「ご存知の通り、特に欧米ではレディーファーストがマナーです。男性と一緒の旅行の際は、特に意識しましょう。チェックインやレストランの支払いのとき、女性が男性のそばで見守るようにじっと見ているのはあまりスマートではありません。女性はソファや椅子に座って手続きが終わるまで待ちましょう」(大川さん)
■5:ルームサービスの後の配慮を
「ルームサービスで食事をとったものは、ワゴンやトレーごと部屋の外に出します。そのとき、食べた後の食器にはナプキンをかけておきましょう。廊下を通りかかった宿泊客に不快な思いをさせない気遣いも必要です」(大川さん)
■6:部屋を出るとき、ある程度は整える気遣いを
「立つ鳥跡を濁さずの気持ちで、整える気遣いを持ちます。使用済みのバスタオルやバスローブは1か所にまとめてバスタブの中などに置きます。ベッドはある程度整えましょう。ベッドメイキングのように完璧につくり込む必要はありませんが、シーツがグシャグシャのままチェックアウトするは気持ちの良いものではありません。同じ場所で、また同じように歓迎してもらうためにもほんの少しの気遣いを意識してみてください」(大川さん)
そして大川さんは、ホテル内で次のような女性たちを見かけるとがっかりすることがあるそうです。
・大声で話して盛り上がっている
・お酒の飲み過ぎ=ただの酔っ払い
・ホテルスタッフに横柄な態度をとっている
・時間と心に余裕がないのか、どこかせかせかしている
・近くのスーパーやコンビニでお酒や食べ物を大量に買い込んだ袋をこれ見よがしに持ち歩く
言われてみると、誰もが納得する内容ですが、気を抜くと自分もそのような人になってしまう可能性も。すべて我が事ととらえて、ぜひ旅の出発から帰宅まで、今回教えていただいた内容を踏まえ、素敵な旅にしたいですね。
おもてなし協会 一般社団法人スマートマナークリエイト
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利