ラグジュアリーなだけじゃない！ 英国最新SUVの比類なきパフォーマンスをテスト

 

 

唯一無二の「雪道を走れるオープンカー」

長野県の斑尾高原をオープンで快走する「レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブル」

テレインレスポンスは、オンロード、草地・砂利・雪、泥・わだち、砂地の４モードから選べる。

　昨年に引き続き、ジャガー・ランドローバー・ジャパンが主催するメデイア向け雪上試乗会に参加した。卓越したオフロード性能にラグジュアリーな装備を組みあわせたランドローバーのSUVに加えて、昨年から日本で販売が始まったジャガー初のSUV「Fペイス」も加えたテストドライブである。まずは、ランドローバーのラインアップ中、最も勢いのある「レンジローバー・イヴォーク」に追加されたコンバーチブルに乗って、一般道を走る。幅はあれど、全長が短いこのクルマは前後のオーバーハング（タイヤからボディ先端までの部分）が短く、スポーツカー然とした印象を与えている。実際、その走りは視覚的効果だけでなく、路面にぴったりと張り付くような安定感だ。それにはモード切り替え式の電子制御4WD「テレインレスポンス」の働きが大きく寄与しているのだが、ウインタータイヤ（スタッドレスではない）にもかかわらず、滑るそぶりさえ見せない。そして何よりもフルオープンで走れるのが、このクルマ最大の魅力。氷点下の雪道でもサイドガラスさえ閉めておけば風の巻き込みは抑えられ、シートとエアコンのWヒーターが体を強力に温めてくれる。スノーリゾートを安心して往復できるオープンカーは、世界広しといえどもこれだけだ。

スポーツカーの挙動が楽しめるジャガー「Fペイス」

古典的なロングノーズのスタイリング。ディーゼルエンジンも選べる。

 

一方のジャガー「Fペイス」は、クローズドの特設コースで試乗。「レンジローバー・イヴォーク」とはまた違った、ある種古典的なスポーツカーのスタイリングをまとうこのSUVに装備された4WDは、デフォルトで前輪10：後輪90というトルク配分（「レンジローバー・イヴォーク」は前輪駆動ベースの4WD）。きめ細かい電子制御で路面状況に応じてタイヤに適切なトルクを与えることに変わりはないが、カーブの立ち上がりでアクセルを思いきり踏み込むと、途端に後輪が滑り出す。重心の変化を考慮しながら運転するテクニックがあれば、進行方向に前輪を向けるカウンターステア操作でカーブを素早く抜けていくスポーツ走行も可能だ。もちろん、こんな極端な走り方はスピードを出せる特設コースだから試せたわけで、前後の重量バランスが理想的な数値で設計された「Fペイス」なら、一般道ではよほど無茶をしないかぎり、ひやりとすることはないし、万が一のときもコントロールがしやすい。ジャガーとランドローバーのどちらを選ぶかは、好みと使い方によって変わってくるが、オフロードでの絶対的な安心感をとるなら前者、オンロードで走ることが多く、たまにスノーリゾードに繰り出すという人は後者が合うのではないか。購入の際の参考になれば幸いである。

〈ランドローバー・レンジローバー イヴォーク コンバーチブル〉

全長×全幅×全高：4385×1900×1650㎜
車両重量：2020kg
排気量：1998cc
エンジン：直列4筒DOHCターボ
最高出力：240PS／5500rpm
最大トルク：340Nm／1750rpm
駆動方式：4WD
トランスミッション：9AT
価格：765万円（税込）
（問）ランドローバーコール ☎︎0120-18-5568
 

〈ジャガー・Fペイス Rスポーツ〉

全長×全幅×全高：4740×1935×1665㎜
車両重量：1980kg
排気量：2994cc
エンジン：V型6気筒DOHCスーパーチャージャー
最高出力：380PS／6500rpm
最大トルク：450Nm／3500rpm
駆動方式：4WD
トランスミッション：8AT
価格：981万円（税込）
（問）ジャガーコール ☎︎0120-050-689