伝説のドライバー&レーシングカーも登場!
圧倒的耐久性と速さを誇るポルシェの素晴らしき世界 

 
 

日本最高峰のワンメイクレース「ポルシェ・カレラ・カップ」

第6戦では、「ポルシェ・ジャパン・スカラシップ」に選出された上村優太選手が初優勝を飾った。
第6戦では、「ポルシェ・ジャパン・スカラシップ」に選出された上村優太選手が初優勝を飾った。

自費で参戦するドライバーも多数!

ポルシェオーナーによる、富士スピーウェイドウェイの本コースを走るパレードランも行なわれた。
ポルシェオーナーによる、富士スピーウェイドウェイの本コースを走るパレードランも行なわれた。

第6戦の優勝者、上村優太選手(22歳)は、ポルシェ・ジャパンとレースを主催するポルシェ・カレラ・カップ・ジャパンが実施している若手育成プログラム「ポルシェ・ジャパン・スカラシップ」の2017年ドライバーで、第5戦の優勝者、三笠雄一選手(24歳・スカイレーシング)も、2016年の同ドライバー。イコールコンディションでありながら、「911GT3 カップ」のパフォーマンスを最大限に引き出して、圧倒的な速さを見せつけたふたりは、そう遠くないうちに日本を代表するトップドライバーになるだろう。ちなみに、「ポルシェ・カレラ・カップ」では、ポルシェをこよなく愛するアマチュアドライバーたちも「ジェントルマンクラス」で参戦している。参戦に当たっては、約2000万円のマシン(「911GT3 カップ」)を含め、1年間で少なくとも総額3000万円以上の費用がかかるが、ベース車両の「911」はもとより、マシンは抜群の耐久性と安全性を誇る。したがって、レースを十分に楽しんだあとでも、次代のドライバーに下取りしてもらえる可能性は十分にある。ポルシェは市販モデル同様、"高値安定"傾向なのである。

ル・マンを制覇した往年のレーシングカー「936&956」

伝説的ドライバー、ジャッキー・イクスと往年のポルシェ製レーシングカー。
伝説的ドライバー、ジャッキー・イクスと往年のポルシェ製レーシングカー。

なお、6月3~4日の2日間は「ポルシェ・エクスペリエンス・デイ2017」と題し、多くのレースファンやクルマ好きが楽しめるプログラムも実施された。なかでも最大の見どころだったのが、ゲストドライバーによるデモ走行。登場したのは、1960年代から80年代にかけて、ル・マン24時間レースで6度の優勝経験をもつ名ドライバー、ジャッキー・イクス(72歳)。それも現役当時に操ったポルシェのレーシングカーで走るとあって、パドックにはレースファンがサインを求めて殺到した。サーキットを「走る実験室」ととらえ、数多くのスプリント&耐久レースに参戦し、圧倒的な実績を残してきたポルシェ。新旧のレーシングドライバーが登場したこのイベントを間近で見て、そのブランド力の根幹を成すものがサーキットにあるのだということを、改めて実感できた。ワンメイクレースは地味に思われがちだが、特にポルシェに限っては、退屈とは無縁の世界である。「ポルシェ・カレラ・カップ」の第7、8戦は、再び富士スピードウェイを舞台に、8月5~6日に開催されるので、興味のある方は足を運んでみてはいかがだろう。

本邦発登場の「936」は、当時のレギュレーションに基づき、オープントップ形状のボディをもつ。エンジンは空冷の水平対向6気筒SOHCターボ(520~540PS)。ル・マン24時間には1976~81年までエントリーし、76、77年にジャッキー・イクスのドライブで(76年はジィズ・ヴァン・レネップと、77年はユルゲン・バルト/ハーレイ・ヘイウッドと組んで)、連覇を成しとげた。

1982年に始まったスポーツカーレースのカテゴリー、グループC規定に基づいて開発された、「956」も富士を走った。初参戦した82年のル・マン24時間で、表彰台を独占するという快挙を成し遂げた名車である。ポルシェ製レーシングカーでは初のモノコック構造をもち、走行中の風の流れを制御して地面に押さえつける、グランドエフェクト効果を取り入れている。

(取材協力:ポルシェ・ジャパン)
「ポルシェ・カレラ・カップ」公式サイト
http://www.porsche.co.jp/ms/pccj/

この記事の執筆者
男性情報誌の編集を経て、フリーランスに。心を揺さぶる名車の本質に迫るべく、日夜さまざまなクルマを見て、触っている。映画に登場した車種 にも詳しい。自動車文化を育てた、カーガイたちに憧れ、自らも洒脱に乗りこなせる男になりたいと願う。