イタリア・ミラノから車で3時間、エミリア・ロマーニャ州サン・マウロ・パスコリにある“セルジオ ロッシ”のファクトリーで、パンプスづくりを体験してきました。
今回挑戦したのは、エレガントで力強いミラノマダムをイメージした『sr MILANO』。
広大な敷地を擁し、クリーンでモダンなファクトリーは「靴工房」とはかけ離れた印象で、働く職人さんたちもみなさん映画に出てくる、俳優のような雰囲気のある方たちばかり。
実際にこのファクトリーではショートムービーの撮影が行われたこともあるそう。その場所が「マジック キングダム」と呼ばれる所以です。海と山に囲まれた自然豊かな場所にあり、明るく清潔なファクトリーで働くことは、美しいシューズをつくる上で必要不可欠なのだとか。
セルジオ ロッシでは「リビング・ヘリテージ」プロジェクトと称して、重要なヘリテージを再確認する作業を進めていて、過去のアーカイブを世界中から集めて、木型を再現しています。
美しいシルエットの木型が並んだアーカイブルームは圧巻、また過去の作品を集めたミュージアムも併設されていますが、単に過去を賞賛するためのミュージアムではなく、今働く職人の方々が新しい発想を得るためのスペースなのだとか。
さて、イニシャル入りの白いコートを用意していただきパンプスのパーツと向き合った私たちでしたが、なんとも難しい作業です。職人さんが優しく丁寧に付き添ってくれるのですが、釘をまっすぐに打つことさえ難しく、ヒールをつける作業に七転八倒。
そして私たちがつけたゆがんだパーツをきれいに直してくださる、熟練の職人さんたちのきめ細かな手仕事や、大胆な手さばきに感動するばかり。こうしてひとつひとつ、人の手でつくれていく美しい靴を、大切に大切に履いていきたいなと実感しました。
”セルジオ ロッシ”の美しいパンプスは、Precious11月号(338ページ~)でご覧いただけます。
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- Precious編集部