前回のブログでご紹介した、西宮の超濃厚セレクトショップ

アントニオ洋服店

今回はそこで私が一目ぼれしたブツを紹介いたします。

それはお店の奥のほうに、何気なくかかっていたこれ。

ほぉー。イタリアのファクトリー系のムートンかな?

面白そうだけど、ちょっと高そうだな・・・。10万近く?

なんて思いスルーしていたのですが、

店主の須々木さんから衝撃情報が。

「これ、ブルガリア軍の

ベストなんですわ。

値段も1万5000円」・・・・!

ミリタリーアイテムはもともと好きだったのですが、

ブルガリア軍のモノなんて初めて見ました。

シ、シビル!?

ブルガリア語・・・なんですかね? さっぱり読めませんね。

ともあれ、

そのオシャレ度は本物。

 

レザーはもちろん本革。

(裏地はフェイクのようだから、

厳密にはムートンベストではなく

スエードベストになるのかな?)

樹脂製のボタンも、くるみボタン風の刻印が施されて小粋です。

ずいぶん適当なつくりのようで、モノによって

色が全然違ったりもします。

ということで、さっそく購入して着てみました。

 

 アニエスbのロングTシャツ、

ハバーサックのペグトップ、

ジャコメッティのサボ。

身幅はほどよく細身だから、スタイリッシュ。

インナーにもいけそうです。着丈もベルトが隠れるくらいでちょうどいい!

こ、これは使えるな・・・!

 

そして、 なんといってもこいつの一番のお洒落ポイントは

詰まったデザインのネック。

ふつうのベストのようにV字にカットされていないところが

クールに見える秘訣です。

うーん、なんとなくこの雰囲気。

90年代後半のモードシーンを

彷彿させませんか?

そう、ベルギー、ドイツや東欧から様々な才能が

次々と溢れだしていたあの頃・・・・。

彼らのストイックなデザインのルーツには、

きっとこんなミリタリーウエアが影響していたのでしょうね。

この秋は、コイツを着てサブカルに浮かれていた

大学生時代を思い出しながら、

とびきりダークな映画を見てドスンと落ち込みたいですね・・・。

この記事の執筆者
MEN'S Preciousファッションディレクター。幼少期からの洋服好き、雑誌好きが高じてファッション編集者の道へ。男性ファッション誌編集部員、フリーエディターを経て、現在は『MEN'S Precious』にてファッションディレクターを務める。趣味は買い物と昭和な喫茶店めぐり。
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