暑いし忙しいしで

お洒落をする気になれない昨今ですが、

そろそろ展示会で注文した

秋冬ものの洋服たちが続々到着する頃。

日本男児として気持ち悪いことこの上ありませんが、

毎年この時期はクーラーの効いた部屋の中で

ファッションショーを繰り広げております。

そして今年、先陣きって到着したのがこちら。

サンカッケー

SUN/kakke

なる不思議な名前をもつ日本のブランドの

シャツを色違いで購入しました。

最近シャツと言えばシャルベか

サルヴァトーレ ピッコロといった

インポートブランドがほとんど。

ドメスティックブランドのカジュアルシャツには

ちょっと子供っぽい印象もあったのですが、

こちらはデザインが実にさりげなく

そしてクオリティが素晴らしい。

前立ての折り返しが逆ということを覗けば

超シンプルなデザインです。

レギュラーカラーですが、

襟先がバタつかないように隠しBD仕様に。

台襟にはダイヤモンドステッチが。

補強の役割を果たすガゼットの部分には

なんとシルク布を手縫いで!

しかも袖付けは、

イタリアのブランドのように

手縫いです!

しかも全商品にはお守り付き

という凝りっぷり。

もちろん上質な生地や

精緻な縫製は言うまでもありません。

イタリアでもアメリカでも決してつくれない、

まさしく日本が世界に誇る実力のシャツでした。

実はこのブランドのデザイナーを務める

尾崎雄飛さんは若干33歳の

松坂世代なのですが

かつて有名セレクトショップでバイヤーを努めており、

世界中のよいものを知り尽くしたお方。

音楽や食、インテリアといった

大人の趣味の世界にも非常に造詣が深く、

活版印刷を駆使した展示会の案内など、

彼の趣味のよい仕事ぶりにはクリエーターとして

いつも大変刺激を受けています。

そしてコストの上昇をいとわず

ビッグメゾンばりの

素材や仕立てを駆使してつくる彼の服には

素直に感動させられるとともに、

ここまでこだわって大丈夫?

と心配になってしまうほどです。

こういう「まっとうに高い服」が

ちゃんと売れる日本であってほしいですね!

この記事の執筆者
MEN'S Preciousファッションディレクター。幼少期からの洋服好き、雑誌好きが高じてファッション編集者の道へ。男性ファッション誌編集部員、フリーエディターを経て、現在は『MEN'S Precious』にてファッションディレクターを務める。趣味は買い物と昭和な喫茶店めぐり。
TAGS: