最近、ことあるごとに

「アルマーニがいい!」

主張し続けている私。

誰でも服がつくれるようになり、

編集者的発想でつくった「かゆいところに手が届く」

ものづくりが主流になった今だからこそ、

(もちろんそれも好きなんですよ。私は)

「天才がつくった服」

の魅力と価値を、もう一度再確認しなくてはいけないのでは?

という編集者としての義務感。

そして実際に、最近のコレクションが

単純に「格好いい」という事実。

そしてアルド・ファライが撮った

GIORGIO ARMANI

IMAGES OF MAN

ここに掲載されている80年代後半のアルマーニの

スタイルが、「とっても今の気分」であること。

ぐむむ・・・このコート、ほしい!

どこかでビスポークしちゃおうかな・・・

(↑という発想が編集者的なんですよね)

以上がその理由であります。

しかしただ主張するだけでは説得力がないので、

やっぱり何かを買って、着てみなくてはいけません。

実はアルマーニの服って髪型をかなり選ぶので、

(エレガントなミディアムヘアがやっぱり格好いい)

坊主頭の私に似合う服はそれほどないのですが、

昨年秋号のメンプレで撮影した、こいつならいける!

と踏んで購入しました。

すねの真ん中まで隠れる、 

超ド迫力のロングコート!

みっちり敷き詰められた

ラビットファーには

ビビッてたじろいでしまいそうですが・・・

表地は

まるでキャバルリーツイル

のようで、いわゆるゴージャスな

雰囲気ではないのが、気に入ったポイント。

要はちょっとミリタリーっぽい

雰囲気なのです。アルマーニと言えば

ウール23%、レーヨン37%・・・といった具合の

微妙な混率の生地が特徴ですが、

こちらは意外にもウール100%。

ただし本物のキャバルリーツイルは

ガッチガチの育てる系生地ですが、

こちらは実に柔らかで軽く、着心地も抜群でした。

しかしそんな、今季NO.1のとっておきコート、

やはりこの強烈なインパクトに畏れをなして、

つい最近まで出番がありませんでした。

頼みの綱だったイタリア出張も暖冬に終わり、

もう今年の出番はないかな?と思っていた矢先に

雪。

着るなら今しかねぇ〜!

そんな脳内リフレインに

勇気づけれられて、ついに今季初登板。

まあ、着ちゃえば普通だったかな・・・。

ともあれ、ラビットファーの

インパクトに私の生頭では負けてしまうため、

クラシックな帽子は必須。

ニットキャップのほうがアルマーニっぽいかな?

バッグもこんな、

ボロッちいほうが合いますね。

足元は今年に入って初めて買って、

大活躍したビーンブーツ。

こんな丈の長いコートを着る上で靴はとても大事。

というか、もはや靴しか見えませんから。

ビーンブーツの場合、ニューヨーカー的。

グッチのロングブーツの場合、二・二六事件的

昭和ミリタリーな薫りを漂わせます。

私が着るとアルマーニのイメージを

ぶち壊してしまいそうですが、

この雰囲気。

この着心地。

実感、

やっぱりアルマーニは素晴らしい!

この記事の執筆者
MEN'S Preciousファッションディレクター。幼少期からの洋服好き、雑誌好きが高じてファッション編集者の道へ。男性ファッション誌編集部員、フリーエディターを経て、現在は『MEN'S Precious』にてファッションディレクターを務める。趣味は買い物と昭和な喫茶店めぐり。
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