Series 4の新たな革新で、時計好き唸らせたのが、コーナーが流れるようにカーブを描くケースフォルムの美しさと、表面仕上げの高いクォリティだ。
コーナーをラウンドにすることで、文字盤の枠が薄くなり、ディスプレイが縁までいっぱいまで広くなった。ケースサイズは「38mm」が「40mm」へ、「42mm」が44mmへとサイズアップされたが、表示部分は約30パーセント以上も大きくなり、丸みのある新しいフォントも採用された「インフォグラフ」とネーミングされた文字盤には、最大8つのアプリを表示可能だ。
初代からApple Watchから飛躍的に進化! 安全と健康を見据えた新機能でユーザーの心を掴む
Appleユーザーなら持つべき最新モデル「Apple Watch Series 4」
さらに、Series 4には、ユーザーの転倒を検知するとアラートが本人へ届き、60秒間反応がないと、緊急連絡先にメッセージを送信する「転倒検出」機能や、認可の関係上、現状日本では使えないが、心電図のモニタリング機能も備えている。
安全と健康を見据えた新機能は、Apple Watchが目指すウエアラブルの理想形をカタチにしたものといえるだろう。新採用の「S4」チップのパフォーマンスもパワフルで、アプリのアイコンをタップすると、もたつくことなくサクサクとアプリが展開する。初代からApple Watchを使い続けていると、今回の処理スピードの速さには特に驚かされる。
こうした新たな革新以外に、今まで搭載されていた資産も引き継がれた。電話、メッセージ、LINEの送受信、Apple Payによる決済をはじめ、心拍センサーや気圧高度計などを使い、1日の消費カロリーや運動量なども自動的に計測し記録される。耐水性能によって、水泳から雨天のワークアウトまで使えるので、時計というよりライフパートナーに近い。用途次第で使う機能は異なるが、電車やショッピングのSuica決済は、1度使うと後戻りできないほど快適だ。
気になる充電稼働時間は18時間。この数値は初代からSeries 4まで一貫して変わらないが、新たな機能が追加されても18時間をキープし続けてきたともいえる。ディスプレイが広がり、より薄くなったSeries 4も、さまざまなテクノロジーで電力効率を向上させ18時間を確保した。実際に使ってみると、通常使用であれば帰宅、就寝までにバッテリーが切れることはまずないので1日1回の充電で大丈夫。ワークアウトや音楽再生、アプリの使用頻度の高い人でも、オフィスで小一時間充電したり、Apple MFiライセンスの認証を取得したモバイルバッテリーを用意すれば、バッテリー切れの不安は解消されるだろう。
GPSモデルと、GPS+セルラーモデルの2種類がある
セルラー+GPSモデルは、iPhoneが近くになくてもApple Watch単独で通信などができるのが特徴。Apple Watchだけをつけてランニングなどに出かけても、電話やメッセージの送受信、Apple Musicのストリーミングなどに対応する。iPhoneをドコモ(月額500円)、au(月額500円)、ソフトバンク(月額500円)で契約(2018年12月現在)していれば利用が可能だ。ジムトレーニングやスポーツシーンでの利便性は高いが、経験上、Apple Watch単独でLTE通信を使うと、バッテリー減りが早くなることは伝えておきたい。
一方のGPSモデルは、Apple WatchだけでLTE通信は使えないものの、スポーツ利用の頻度が少なく、iPhoneを常に持ち歩いている状況なら、さほど不便さは感じない。GPSが付いているのでナビとしても役立つ。
あえて触れることではないかもしれないが、Apple WatchはiPhone専用で、Android端末とはペアリングができないので、iPhoneユーザー以外は注意が必要だ。
腕時計メーカーからも次々にスマートフォンがリリースされているが、iPhoneとの連携を前提に、利便性をフルに活用したいのであれば、Apple Watch以外の選択肢はあまりおすすめできない。ウォッチではあるのだが、通信、ワークアウト、健康といったライフ全体をフルにモニタリングするかつてないツールといってもいいだろう。高級時計に肩を並べる上質感と視認性もまた、時計ファンに響くはずだ。
- TEXT :
- 安藤政弘 ライター
- WRITING :
- 安藤政弘