大好きな国、トルコを

16年ぶりに旅してきました。

心が震えるような風景。

激ウマのトルコ料理。

心暖かな人々。

美しい工芸品。

西洋のエレガンス・・・。

(オリエント急行の乗客が宿泊した

HOTEL PERA PALACE)

学生の頃とは違って限られた日程での旅行でしたが、

心とおなかにたっぷり栄養を蓄えて帰りました。

今回はファッションから離れた旅というのが

テーマではあったのですが、

やはり職業柄、トルコのクラフツマン事情も気になって

黒海沿岸にある職人の街、

サフランボルにも行ってみました。

黒革の足袋のような防寒履きをつくる職人さん。

小さい街なのにけっこう忙しそうにしていた、

街のテーラーさん。

ミシンがひとつもない工房で

たったひとり、オスマントルコ時代の軍靴を

つくっている職人さん。

僕も室内履き用に一足購入しちゃいました。

しかも価格はなんと80TL(4~5000円くらい)!

イスタンブールの観光地は東京並みに

物価が高くなっていましたが、

トルコの田舎には、ツーリストプライスとは無縁の

素朴な暮らしが残っていました。

壮麗なモスク、雄大な大自然、

個性的な美食・・・。

この国の見所はほんとうに様々なのですが、

なかでも僕が一番大好きなのは、

とても親切で、素朴で、男らしい
オジサンたちの姿です。
 
 
 
 
 
それではここで、一挙公開!

顔に無造作に巻き付けたアフガンストールに

ダブルのジャケット、サルエルパンツ・・・。

ウミット・ベナンもお手本にしたであろう、

古きよきトルコ流オジサンスタイル。

このズボン、いったいどこで売っているのだろう。

捜索したのですが、結局わからずじまいでした。

トプカピ宮殿で発見したイスラム紳士は、

恐らくトルコ人ではなく周辺各国からの観光客。

カフタンとジャケットという組み合わせは

私も以前から大好きなコーディネートですが、

今季モードの世界でついにトレンドとなりました!

サフランボル行きのバスの中で会ったオジサンも、

サルエルパンツをはいて。

トルコの梅宮辰っつぁん&松方弘樹!!

こちらはイスタンブールのアジア側、

クズグンチュクという街で会ったオジサンたち。

右の方はティアドロップ、

仕立ての良さそうなツイードのジャケット、

カシミアのマフラー、レザーのベスト、

磨き上げたウエスタンブーツ・・・と、

明らかに他のトルコ人とは違う伊達男っぷりでした。

イスタンブール、ガラタ橋付近を歩く

おじいちゃんたち。

色違いの帽子がキュートです。

そしてグランドバザールの隅っこや

蚤の市も、渋いオジサンの宝庫。

そのなかでも山下認定の

ベストドレッサーといえるのが、こちら。

蚤の市でアンティークの真鍮製品を

売っていたオジサン。

ちょっと無愛想な表情もたまりません。

決してイタリアオヤジのように

ファッショナブルではないけれど、

実に味わい深いトルコのオジサンたち。

その魅力の根源は自分たちがオジサンであることを

全力で肯定する潔さにあるのではないでしょうか?

そういえば、ちょっと興味深かったのが

私が着用していたM-65ブルゾンが

トルコオヤジの間で大人気だったこと。

なんでも、トルコには古着やミリタリーといった

本物のアメリカンファッション文化がないらしいのです。

そういえば、若い男子たちもディーゼルみたいな

ヨーロッパ風アメカジばかりだったなあ。

というわけで、その中のひとり、

ウズベキスタンだかトルクメニスタン人の

アフメッドさんと交渉成立。

現地のカフタンやストールと物々交換いたしました。

こんなの日本だったら5000円くらいで

買い直せちゃいますからね。

でもこの格好で出国審査するときは、

ちょっと緊張したぞ!

この記事の執筆者
MEN'S Preciousファッションディレクター。幼少期からの洋服好き、雑誌好きが高じてファッション編集者の道へ。男性ファッション誌編集部員、フリーエディターを経て、現在は『MEN'S Precious』にてファッションディレクターを務める。趣味は買い物と昭和な喫茶店めぐり。
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