2016年10月25日(火)から2017年2月26日(日)まで、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーにて開催された「マリー・アントワネット、ヴェルサイユの王妃」展を、世界5大時計ブランドのひとつ、ブレゲが支援しました。

注目したいのは、これが単なる支援活動ではなく、ブレゲとフランス最後の女王であるマリー・アントワネットとの、深い結びつき、絆から実現したという点にあります。

マリー・アントワネットの肖像画(左)と、ブレゲの手がけた時計「マリー・アントワネット」

1775年、母国スイスからパリに移り住み、時計工房を開いたブレゲの創始者、アブラアン-ルイ・ブレゲ。ほどなくしてひとりの女性が、時計制作に彼を指名するようになります。

その女性こそ、フランス王妃、マリー・アントワネット。

1782年に王妃から初めて注文を賜り、カレンダーとリピーター機能を備えた自動巻き時計を制作しました。新しいものに目がなかった王妃は、その精巧で見事な時計に魅せられ、ブレゲの時計をすべて買い占め、当時はまだ無名に近かった職人の才能について、フランスの宮廷人や外交官を含む外国からの客人にも進んで伝え、その名声を高めたのです。

そして1792年に囚人としてタンブル塔に幽閉されたあとも、ブレゲのシンプルウォッチを発注し、生涯の終わりまで心変わりすることなくブレゲをひいきにしました。

ブレゲはそのほかにも、マリー・アントワネットのために最も複雑な機構を備えた、前代未聞の時計づくりに挑戦。

その懐中時計が完成したのは、なんと注文から44年後。彼女の死後34年後、ブレゲ本人の死から4年後のことでした。

ベルサイユ宮殿

2005年、ブレゲのメゾンにて、当時から残っているわずかな資料だけを頼りに、この並外れた懐中時計のレプリカの制作という、壮大な計画がスタートしました。

その過程で、王妃が愛したベルサイユ宮殿の樫の木が病気にかかり、切り倒される予定であることが発覚。

そこで、伐採された木の一部で、このマリー・アントワネットの時計を収める化粧箱をつくり、樫の木に第二の命を与えることに。

その樫の木の一部を提供されたお返しとして、ブレゲはメゾンの歴史とも深く関わっている、ヴェルサイユ王宮のサポーターとなることを決めました。

こうして、また新たな絆が結ばれ、今回の「マリー・アントワネット、ヴェルサイユの王妃」展の支援にまでつながっていったのです。

240年もの絆の時を刻んできた、ブレゲと歴史の象徴ともいえる「マリー・アントワネット、ヴェルサイユの王妃」展。公式サイトもチェックしてみてください。

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Precious.jp編集部 
2017.8.25 更新
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クレジット :
文/安念美和子