前回のブログでご紹介した

「平林洋服店」のコットンスーツを

どう着こなそうかと思案していたのですが、

そのヒントは意外なところにありました。

それは・・・

トレンディドラマ!

1980年代後半から90年代前半にかけて、

バブルの夢を体現した民放ドラマの数々。

一介の若手サラリーマンや公務員

(石田純一、陣内孝則、柳葉敏郎、そして・・・KONTA)が

50平米はあろうかという都心のリッチなマンションに住まい

高級フレンチで飯を喰らい

ジョルジオ・アルマーニに身を包む・・・。

田舎に住む少年たちに間違った東京観を植え付けた、

まさに時代の徒花であります。

ちなみに私は「プールバー」を30になるまで

「プールがあるバー」だと思っておりました。

そんな余談はさておき、

この時代のドラマによく出てくる

「うぐいす色のソフトスーツ」

の着こなしが非常に興味深いのです。

今までの自分ならオリーブグリーンのスーツは

ネイビーあたりでさわやかに締めるところですが、

今年の私はバブル期のなんだかモヤッとした

中間色を多用したVゾーンの配色がどうにも気になる。

というわけで、

「トレンディVゾーン」

を自分なりに再現してみましたよ。

そう、禁断のタブカラー&

ドゥエ・ボットーニ。

(これが流行ったのは90年代末ですが)

シャルベのシャツとアルニスのタイです。

いかにも現代の女子にはウケが悪そうな、小振りノットと

モチャッとした柄、そして配色・・・。

かなりギリギリであります。

かくしてこのVゾーンを

平林洋服店のスーツに合わせると、こうなります。

うーん、これぞアーリー90'S!

確かに「キワ」ではありますが、

絶対に子供には使いこなせない

配色であるのもまた事実です。

小学生〜中学生時代には

正直「気色ワルッ!」と思っていたこんな配色を

楽しんでいる自分。大人になったなぁ〜。

それにしても、現在ウミット・ベナンあたりが提案している

デザインやシルエットは、まさに80〜90年代の

アルマーニスタイルそのもの。

やはり改めてこの時代のファッションには注目したいですね。

この記事の執筆者
MEN'S Preciousファッションディレクター。幼少期からの洋服好き、雑誌好きが高じてファッション編集者の道へ。男性ファッション誌編集部員、フリーエディターを経て、現在は『MEN'S Precious』にてファッションディレクターを務める。趣味は買い物と昭和な喫茶店めぐり。
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