「ギターのエキゾチックな音色に隠された香りへの憧憬」

15歳でクラシックのギタリストとしてデビューして、昨年、40歳で25周年を迎えた村治佳織さん。フランスやスペインともゆかりの深い半生を通して、豊かな香りへの感受性も、音楽とともに育まれてきたようです。

ギタリストとして大きな節目を迎えた今、新たに出合ったのが『メゾン クリスチャン ディオール』の香りでした。モダンなライフスタイルに寄り添い、空間を共有する人たちとその日の気分で楽しめるという、豊かな香りのラインナップのなかから彼女が旅人のように、自由な気分で選んだのは?

幸福な香りとエキゾチックなギターの音色に包まれた、一夜のお話から始めましょう。


今の気分に合うのは、好きな香りだけをわがままに選べる自由

かご¥38,000(麻平) 香りは下記をを参照 その他/私物

「季節によって、音楽によって、香りはその日の気分で選びたい」。自由気ままな旅人、村治さんらしい香り選び。とはいえノートはほぼ決まっていて、ウッディでスモーキー、オリエンタルなコクがあって、官能的…。そんな一筋縄ではいかないラテンの女性像も見えてくる。花摘みのパニエが、地中海に咲くローズの香りを思い出させてくれます。


「ウッディでスモーキーな香りに心惹かれ、なめらかに漂う官能的なローズの女らしさに癒やされる」

メゾン クリスチャン ディオール オードゥ パルファン  全22種 40ml 各¥11,500/125ml 各¥26,000/250ml 各¥36,500/(パルファン・クリスチャン・ディオール)

メゾン クリスチャン ディオール ウード イスパハン

村治さんが愛するスペインに残る、イスラム様式の美しい宮殿。魔法のスモークに包まれて、宮殿の扉を開けた瞬間、ローズの芳香に圧倒されるような香り。古代から伝わる希少な香木、ウードウッドをベースに、ダマスクローズやフランキンセンスなどが奏でる、ウッディオリエンタルが艶やかに香ります。

ウード イスパハンの詳細

メゾン クリスチャン ディオール ローズ ジプシー

地中海の眩しい太陽と、切ない物語を謳い上げる、南仏からスペインの民族音楽のギターの調べが、ローズの甘い香りとともに聴こえてきそう。収穫されたばかりのみずみずしいメイローズと、その茎から放たれる、いきいきとした青い香りに、胡椒を思わせるスパイスが効いています。

ローズ ジプシーの詳細


香りを「聞く」愉悦

東京にみぞれ混じりの冷たい雨が降った夜、とある邸宅で『メゾン クリスチャン ディオール』の香りとアートを楽しむパーティが開かれました。

ゲストがそれぞれに選んだ香りをほのかにまとって、ディナーテーブルを囲む前のひととき。リビングで村治佳織さんのギターの調べに、間近で耳を傾ける幸運に恵まれました。繊細に、時に情熱的に、美しい音色が響き渡ると、初めて顔を合わせる人も多いなか、心が打ち溶け、壁が取り払われて、親密な空気が流れるのを、だれもが感じていました。それは五感に響く"香り"と"音楽"のマジックでした。

「たとえば 情熱的な『タンゴ・アン・スカイ』。香りをまとって演奏し、響きを香らせてみたい」

この日、村治さんが22本のフレグランスボトルのなかから選んだのは、『ウード イスパハン』。イスパハンという種類のダマスクローズの香木をイメージした香り。ほかにも『ローズ ジプシー』の官能的なネーミングにも心惹かれました。

「ウッディでスモーキーな香りが汗や体温によって匂い立つ、少し動物的でその人だけの香りになるのが好きなんです」

明るく愛らしい笑顔でそう語る村治さんからは連想し得ない、オリエンタル系のスパイシーな香りが並びました。

けれど演目のなかに「タンゴ・アン・スカイ」というアルゼンチン・タンゴを思わせる情熱的な名曲があり、そのイメージと見事に重なっていたのです。一瞬、アーティストの感性が、嗅覚を通してかいま見えました。

楽譜のイメージ

村治さんは、東京の下町で生まれ育ちました。作家の故・井上ひさし氏は、村治さんの家の前を通るたび、まだ10代の少女が奏でるギターの音色に足を止めて「江戸前で歯切れのいい音」と評したそう。

その早熟な才能が見出されて15歳でデビュー。パリへ留学するころから、旅人のようなギタリストの暮らしが始まり、香りの記憶も多くは空港やヨーロッパの街の中に残っています。

二十歳のころ『アランフェス協奏曲』で有名な、ホアキン・ロドリーゴ氏の前で演奏したことをきっかけに、よく訪れるようになったスペイン。一年のうち3、4か月をマドリッドで暮らす生活が続きました。

「陽気な下町気質が肌に合っていたのでしょう。毎朝のように公園を散歩して木々の香りを感じていました。とても乾燥していて、匂いが淀まないのです」

スペインの乾いた空気によく鳴り響く音は、村治さんの「江戸前で歯切れのいい音」に通じるものがあります。

名門レーベル「デッカ」と契約したロンドンでは、ウイスキーの香りも覚えたそう。

「ウイスキーもスモーキーで芳醇な香り。ブレンダーは指揮者のようにひとつの味をつくっていくのです。調香師が香りを"聞く"ようにお酒を嗜たしなむ。香りの楽しみ方を、ウイスキーが教えてくれました(笑)」

アロマの香りに夢中になり、まだ若くて力みがあったころは、緊張をほぐすために、楽屋でお香を焚くこともありましたが、「もう何かに頼らず、現状に感謝することでリラックスできるようになりました」。

そんなふうに香りをポジティブに楽しめる今、『メゾン クリスチャン ディオール』の新しい香りのあり方と出会いました。

「ひとつの香りがその人そのものになっている女性は素敵。でも私はまだひとつに絞れないから、香りをイメージソースに音楽や季節の彩り、生活とつなげて、自分らしく香りを楽しんでいきたいですね」


「香りを聞けばあの女性とだとわかる…。年齢を重ねた今、そんな風情に憧れる」

メゾン クリスチャン ディオール アンブル ニュイ ボディクリーム 150ml ¥12,000(パルファン・クリスチャン・ディオール) ボディ クリームを載せたブラン デュボワールのガラスドーム付きケーキスタンド¥16,000・エジプシャングラスのオーナメント/クリームの横¥1,700・左下から¥1,800・¥1,800・¥1,700・ボルゴ デレ トヴァーリエのテーブルクロス¥51,000~(麻平) その他/私物

メゾン クリスチャン ディオール アンブル ニュイ

海外のアーティストが教えてくれた香りの重ねづけ。その洗練されたセンスを簡単にかなえるのが、香りを自由に重ねることを意図してつくられたこのコレクション。

ボディ クリームなら、たっぷりの潤い成分で肌を整えながら、ほんのりとまろやかな香りを添えてくれます。選んだのは、やはり村治さん好みのアンバー系の深い動物的な表情に、ターキッシュローズの繊細な女らしさを重ねた香り。

アンブル ニュイの詳細


村治佳織さん
ギタリスト
(むらじ かおり)幼少のころより数々のギターコンクールで優勝し、15歳でデビュー。パリのエコール・ノルマル音楽院へ留学。帰国後は、海外と日本を行き来しながら、幅広く活動。2003年には名門レーベル・英国「DECCA」と日本人初の長期専属契約を結び、昨年、第13弾となるアルバム『シネマ』は、第33回日本ゴールドディスク大賞2019インストゥルメンタル・アルバム・オブ・ザ・イヤー受賞。現在、FM「J-WAVE」の音楽番組「RINREI CLASSY LIVING」(毎週土曜20時~)のナビゲーターを務める。2019年12月には東京・サントリーホールでのリサイタルを控えている。

問い合わせ先

パルファン・クリスチャン・ディオール・ジャポン

03-3239-0618

※掲載した商品はすべて税抜です。

PHOTO :
Fumito Shibasaki (DONNA)
STYLIST :
小倉真希 
EDIT&WRITING :
藤田由美、五十嵐享子(Precious)