ヴァシュロン・コンスタンタンから、待ちに待った女性向け時計『エジェリー』がお目見え
「名門」と謳われる時計ブランドのなかでも、最も古い歴史と伝統を誇るラグジュアリーメゾン、ヴァシュロン・コンスタンタン。時計の真価を知る人々にとっては、性別や国境を越え、「雲の上のブランド」として、強い憧憬を集める存在です。
そんなヴァシュロン・コンスタンタンから、この春、久しぶりに新しいレディスコレクションが登場します。その名は『エジェリー』。至高のエレガンスと時計ブランドとしての矜持が融合した、「“オート”マニュファクチュール」の世界へようこそ!
世界の女性時計ジャーナリストが心待ちにしていた、ヴァシュロン・コンスタンタンの新しいレディスコレクション!
私自身、長年ヴァシュロン・コンスタンタンの時計を愛用していて、思い入れが深いこともあり、毎年1月に開催されていたSIHH(リシュモングループ主体の新作時計エキシビジョン)で、「今年もレディスウォッチの発表はありません」と言われるたびに、ガックリ肩を落としてきました。
それだけに、この新たなミューズの登場には、世界的に大きな注目が集まっています。
キーワードとなるのは、「"オート"マニュファクチュール」。
『エジェリー』は、繊細でエレガントなオートクチュールの世界を映した、世界で唯一無二の本格時計の誕生、そう言い切っていいでしょう。
『エジェリー』に漂うのは、まるでオートクチュールのドレスをまとうようなエレガンス
まず目を奪われるのは、1時と2時の間位置に配したサークルによる、アシンメトリーなデザイン。
ヴァシュロン・コンスタンタンが19世紀初頭から取り入れてきた「オフセンター表示」というデザインコード、そこに現代的な解釈を加えた顔つきは、ただ美しいだけではなく、ひと目見ただけで強く印象に残る、ラグジュアリーなインパクトを放ちます。
ムーンフェイズ、或いは日付を表示するサークルのアシンメトリーなデザインが『エジェリー』の主役とするなら、オートクチュールのコスチュームをまとったさまざまなディテールが、ダイヤルという舞台の上で、美しい競演を繰り広げます。
まず目を惹くのが、ダイヤル中心部と外周部に施された、プリーツ模様。オートクチュールの世界観を最も象徴的に表すこの繊細なプリーツ模様は、自社内のギョウシェ彫りの工房で、歴史的な「タペストリー技法」を駆使してつくりだされました。
また、このコレクションのために、書体を特別にデザインしたインデックスは、オートクチュールのコスチュームに施される刺繍のよう。それらを差し、時を告げるリーフ型の時分針と細い秒針は、刺繍針を彷彿とさせ、エレガントなオートクチュールの美学を完結させます。
『エジェリー』の美貌をより非凡なものにしているのは、その横顔。ダイヤルのアシンメトリーなデザインに呼応し、リュウズも1時と2時の間位置に。
『エジェリー・ムーンフェイズ・ダイヤモンドパヴェ』にはローズカット・ダイヤモンド、『エジェリー・ムーンフェイズ』、『エジェリー・オートマティック』、『エジェリー・クォーツ』にはカボション・カットのムーンストーンがあしらわれ、ジュエリーウォッチの優雅さも湛えています。
高度な複雑機構をいくつも搭載したコンプリケーションも手がけ、比較的男性的なイメージが強い「ヴァシュロン・コンスタンタン」ですが、実は女性のためのウォッチメイキングの歴史も世界最古。
伝統的に受け継がれてきた女性へのオマージュ、それらがこの『エジェリー』には多く込められています。
例えば、自由に、そしてとても簡単に付け替えることができるインターチェンジャブル・ストラップ。
『エジェリー・ムーンフェイズ』と『エジェリー・オートマティック』のピンクゴールドモデル、『エジェリー・クォーツ』には購入時に、ナイトブルー、キャンディッドチェスナッツ、ラズベリーピンクの3色のアリゲーターストラップが付随し、気分やシーンによってコーディネートを楽しめます。
女性のための時計製造の歴史も!世界最古を誇る「ヴァシュロン・コンスタンタン」
1755年から実に265年もの間、一度も途切れることなく時計製造を続けている、ヴァシュロン・コンスタンタン。
世界最古のマニュファクチュールであることは広く知られていますが、レディスウォッチにおいても、世界で最も長い歴史と伝統を誇ります。
ヴァシュロン・コンスタンタンが、女性のための時計の製造を開始したのは、ブランド創業間もないころ。
ヨーロッパの上流社会において、まだ、「時計は男性のためのもの」と認識されていた18世紀から19世紀への変わり目には、他ブランドに先駆け、エレガントな機械式時計を手がけていました。
いくたびも世紀を超えて相思相愛の関係を続けてきた、ヴァシュロン・コンスタンタンと女性たち――芸術的感性にあふれた美しいヘリテ―ジたちは、真のエレガンスの源流として、長い歳月を経てもなお、輝き続けます。
ハイジュエリーウォッチからクオーツまで!現代を生きる女性に寄り添う4モデルのバリエーション
ここからは、新作『エジェリー』の中から、働く大人の女性におすすめの4本をご紹介していきます。
■1:圧巻のダイヤモンドセッティングに魅了!『エジェリー・ムーンフェイズ・ダイヤモンドパヴェ』
ケースには292個(約3カラット)、ダイヤルには510個(約1.85カラット)、そしてバックルにまで21個(約0.21カラット)ものラウンドカットダイヤモンドをセッティング。
リュウズには約0.17カラットのローズカットダイヤモンドがあしらわれ、全方向に強い輝きを放ちます。
■2:『エジェリー』のアイコニックモデル『エジェリー・ムーンフェイズ』
マザー・オブ・パールを重ねて雲を表現したムーンフェイズ表示と、プリーツパターンを施したセンターのサークルに、輪を重ねたダイヤルがアイコニック!
搭載されている自社自動巻きムーブメントは40時間のパワーリザーブを誇り、実用性の高さも兼ね備えています。
■3:リッチカジュアルな雰囲気が今のムード!『エジェリー・オートマティック』
1時と2時の間位置のサークルで日付を表示する『エジェリー・オートマティック』。『エジェリー・ムーンフェイズ』とともにラインアップされているステンレススチールケース&ブレスレットのモデルは、今のムードにマッチするリッチカジュアルな雰囲気が魅力です。
■4:小ぶりなクオーツモデル『エジェリー・クォーツ』もストラップ3本付き
クオーツムーブメント搭載のモデルまでそろえているのも、注目すべき点。
世界的に機械式時計にこだわる女性が増えている昨今ですが、機械式ムーブメント搭載の時計より小ぶりなクオーツモデルも、女性たちの根強い支持を集めています。
機械式 or クオーツ――これはもう、本当に好みなので人それぞれ。ただ、その選択肢をこの新作で与えてくれたところに、女心に寄り添うヴァシュロン・コンスタンタンのフェミニズムを感じました。
個人的な話になりますが、私がヴァシュロン・コンスタンタンというブランドを知ったのは、時計の仕事を始めた20年ほど前のこと。
取材を重ねていくなかでどんどん憧れの気持ちが強くなり、数年後にやっと手にしました。それから10年以上経った今でも私の宝物で、とても大切に使っています。
2020年春に登場する『エジェリー』とはもちろん違うモデルですが、ヴァシュロン・コンスタンタンのレディスウォッチには共通して、「強さ」と「美しさ」、そして「知性」が内包されています。
それは自分が「こうでありたい」という女性像と重なり、手にするたびに「この時計が似合う自分でありたい」と思わせられる、ある意味手ごわい相棒です。
『エジェリー』も間違いなく、そんな風に、自分の生き方や人生を問いかけてくれる名品として、美しい物語を紡いでいくことでしょう。
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- TEXT :
- 岡村佳代さん 時計&ジュエリージャーナリスト
- EDIT :
- 安念美和子
- EDIT&WRITING :
- 岡村佳代