現代絵画の世界で最も注目を集めている女流作家のひとり、宮北千織(みやきた ちおり)さんが、11月15日(水)より日本橋三越本店にて、待望の個展を開催します。
宮北さんは明治期に日本美術を世界に紹介した岡倉天心、日本画家の横山大観や菱田春草などが設立に携わった団体「日本美術院」に所属する日本画家。本院に所属する作家は、公募展への入選回数などにより肩書きが与えられますが、宮北さんはそのトップの地位「同人(どうにん)」といわれる肩書を所持しています。
宮北さんの作品の魅力は、なんと言ってもその「あたたかみ」と「すがすがしさ」。まるで植物に囲まれているかのようなすがすがしさと、春の訪れを告げるかのようなやわらかい光から感じられる、あたたかみ。
宮北さんは自身の姪を作品のモデルにしていますが、自分と同じ血をひくこどもが、この世に生まれてきてくれたことに感謝する気持ち。その子が元気に幸せな人生を歩んでほしいと思う気持ち。そして、純粋で無垢な女性に育ってほしいという気持ち。そうした一杯の愛情を込めて描いていることが、作品から観て取ることができます。
日本画は、自然の素材を使って描かれる絵画ですが、白い色としてよく使われる「胡粉(ごふん)」は、貝殻が原料。それ以外のものは、鉱物をそれぞれ細かく砕いた「岩絵具」が用いられています。「顔料」と総称されるこれらを、動物性ゼラチンの「膠(にかわ)」を使って、キャンバスに定着させることで、制作されます。
このような岩絵具と膠を混ぜ合わせる作業は、描く人自身が行います。自分の裁量で発色を決められるため、出したい色を求め、顔料の粗さ、比率の調整、そして膠と合わせたときの硬さを決めるなど、工程は多岐に渡り、製作にはかなりの時間を要します。
大切な大切な作品を描く準備。作品の画材を用意する、その準備段階から沸き起こってくる宮北さんの愛情、小さきものへの気持ちが、観る者の心を揺さぶるのです。
次の世代へとつながれる生命への深い愛情、大人の女性なら人生の中で折に触れ、感じた経験がおありになるのではないでしょうか。欠けかけがえのない「あの気持ち」を再体験するために、ショッピングの傍で、日本橋三越本店に足を運んでみてはいかがでしょうか?
問い合わせ先
- 「―想― 宮北千織 日本画展」
- 場所/日本橋三越本店 本館6階 美術特選画廊
- 開催期間/11月15日(水)~21日(火)(※最終日は午後5時閉場)
- 住所/〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1丁目4−1
- TEL:03-3241-3311
- ※入場無料・事前予約不要
- 【宮北さんのギャラリートークのご案内】
- 11月19日(日)午後2時より 展覧会会場にて
- ※入場無料・事前予約不要
- 【作品購入はインターネットでも可能です】
- 宮北さんの作品は、三越伊勢丹のラグジュアリーオンラインストア「NOREN NOREN」でも購入が可能です(2017年11月15日(水)10:30より開始)
- TEXT :
- Precious.jp編集部