大人の心をくすぐるモードなバッグ、「ディオラマ」に隠された秘密とは?

ディオール2018年春夏コレクション物語のVol.1では今季のコレクションのキーワードとなったアーティスト「ニキ・ド・サンファル」、Vol.2ではディオールのロゴが鮮やかに並ぶ「ディオール オブリーク」についてご紹介しました。そして今回フィーチャーするのは、華やかでありながら上品で、大人の女性の装いを高めてくれるバッグとして、ディオール2018年春夏コレクションのなかでも熱い視線を浴びている「ディオラマ」です。

バッグ「ディオラマ」¥385,000【縦13×横21.5×マチ8cm】・シャツ¥145,000・ジャンプスーツ210,000・ピアス¥36,000(すべて税抜)
バッグ「ディオラマ」¥385,000【縦13×横21.5×マチ8cm】・シャツ¥145,000・ジャンプスーツ210,000・ピアス¥36,000(すべて税抜)

シルバーメタリックのカーフスキンに、マットなエイジドゴールドメタルスタッズを並べ、洗練された着こなしに一役買ってくれるこのバッグ、ある伝統的なモチーフが元になっていることにお気づきでしょうか?

「レディ ディオール」に代表される伝統柄、カナージュ モチーフとは?

「ディオラマ」の新作に隠されているのは、名品バッグ「レディ ディオール」でもおなじみのカナージュ モチーフです。ちなみにカナージュとは、当時流行していたナポレオン3世スタイルの籐椅子の編み目柄のこと。ディオールの創業者、ムッシュ ディオールは彼のファッションの精神とエレガントで控え目なカナージュの存在感とが完璧に一致していたことから、この柄を愛し、1947年のデビューコレクションではゲストを座らせる椅子にチョイスしたほどでした。

左/デビューコレクションでも使用されたナポレオン3世スタイルの籐網みの椅子。座面の編み目柄を「カナージュ」と呼ぶ。© Droits réservés 右/メゾンの創業者、クリスチャン・ディオールのポートレート。© Association Willy Maywald / ADAGP, Paris 2017
左/デビューコレクションでも使用されたナポレオン3世スタイルの籐網みの椅子。座面の編み目柄を「カナージュ」と呼ぶ。© Droits réservés 右/メゾンの創業者、クリスチャン・ディオールのポートレート。© Association Willy Maywald / ADAGP, Paris 2017

このカナージュがメゾンを代表するシンボルとなったのは、1995年に発表された、カナージュ ステッチを施したバッグ「レディ ディオール」がきっかけでした。そのエレガントな佇いは故ダイアナ妃をも魅了し、たちまち世の女性たちの羨望の的となりました。当初は別の名前で呼ばれていましたが、その後、ダイアナ妃へのオマージュとして「レディ ディオール」と名付けられたのです。

カナージュのステッチが美しい「レディ ディオール」の新作は、ストラップでモダンに。¥530,000【縦20×横24×マチ11cm】
カナージュのステッチが美しい「レディ ディオール」の新作は、ストラップでモダンに。¥530,000【縦20×横24×マチ11cm】

カナージュ柄を大胆にクローズアップ! それが「ディオラマ」

「レディ ディオール」はカナージュ柄をキルティングステッチで表現した優美なバッグとして誕生しましたが、カナージュをぐんとクローズアップし、シャープなラインを浮き立たせたのが、2015年春夏コレクションで登場して以来人気のバッグ、「ディオラマ」です。一見、全く雰囲気の異なるふたつのバッグが、同じインスピレーション源から生まれていることに、ディオールのクリエイションの豊かさを実感します。

合わせるジュエリーや時計の色を選ばないシルバー&ゴールドも秀逸。バッグ「ディオラマ」¥385,000【縦13×横21.5×マチ8cm】
合わせるジュエリーや時計の色を選ばないシルバー&ゴールドも秀逸。バッグ「ディオラマ」¥385,000【縦13×横21.5×マチ8cm】

「レディ ディオール」の新作カードケースと比べてみると、カナージュ柄をクローズアップしていることがわかりやすいはず。

小ぶりバッグにも対応する薄型。カードケース「レディ ディオール」¥69,000(税抜)【縦9×横11.5㎝】
小ぶりバッグにも対応する薄型。カードケース「レディ ディオール」¥69,000(税抜)【縦9×横11.5㎝】

いつも私たちを楽しませてくれる、ディオールの新作バッグたち…。デザインや機能だけでなく、それぞれに秘められたバックストーリーが、身につけたい気持ちをさらにかき立ててくれますね。

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この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
BY :
『Precious5月号』小学館、2018年
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PHOTO :
生田昌士(まきうらオフィス)
STYLIST :
伊藤美佐季
HAIR MAKE :
芝田貴之(HAIR/SIGNO)・Ken Nakano(MAKE-UP)
MODEL :
小野リリアン
WRITING :
安念美和子
EDIT :
岡本治子、遠藤智子(Precious)