多彩なアイテムや新しいブランドが出展したなかで、まず気になったのがニットの豊富なバリエーションだ。ローゲージからミドルゲージを中心とした、存在感のあるアウター感覚で楽しめるタイプが目立った。
最初は、まだ地味な存在だが、日本のマーケットを意識した、ニットも展開する“マクローレン”に着目した。1962年、スコットランドに創業したニットブランドは、現在はイタリア企業がオーナー。ブレーシャ近郊に本社を構える。
1枚羽織ればコーディネートの主役になる“マクローレン”のニット
マルチカラーの糸をジャカードで編み上げたニットは、鮮やかさに加え懐かしさがあった。1980年代の雰囲気を彷彿とさせる、実にイタリアらしい表情が絶妙だ。やわらかなスーパージーロング・ラムズウールを使い、ほどよく生地の肉感が伝わる。襟元のデザインがモックネックのため、インナーを合わせることなく、ニット1枚で楽しめる。他にも、久しぶりに復活の兆しをみせそうな、アーガイル柄をデザインしたクルーネックのニットもよかった。
創業40年の歴史を持つニットブランド“ランベルト ロザーニ”
今回、初出展を果たしたニットブランドが“ランベルト ロザーニ”。ニットの名産地、イタリア・ウンブリア州に1979年に創業した。レディースで人気を誇っていたが、2018年春夏からメンズを始動し、俄然話題に上ったブランドである。大人好みの、この上なく上質な、今最も高価な糸と呼ばれるカシミヤ×シルク混を使ったニットも展開する。
写真のクルーネックのニットは、ノルディック調の裏編みを大胆に生かしたデザインが新鮮に映る。レディースで展開した多彩なデザインをストックするだけに、メンズのニットが華やいだ雰囲気に仕上がるのも“ランベルト ロザーニ”の妙味である。
今年の秋冬はニットが大人気になるような気がするほど、デザインや素材、カラー展開が豊富だ。このふたつのブランドは、まずおさえておきたい。
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- TEXT :
- 矢部克已 エグゼクティブファッションエディター
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