現在のような背広型のスーツが、イギリスで誕生してからおよそ150年を経た。この150年の間、往年の紳士たちが身につけてきたスーツは、いかにも男らしく格好よさが際立っていた。体になじんだスーツの美しいドレープ感、基本と遊びをVゾーンで楽しむ正統性と洒脱感、場をわきまえた着こなしの妙味……。今スーツ離れといわれていても、男のお洒落の根本は、やはりスーツをしっかりと着ることにある。
歴代名士たちが着こなしたストイックで完璧なスーツスタイル!
世界の男たちの心をつかんだ、偉大なスタイルの伝道師
男のスタイルを牽引してきた第一人者は、間違いなくウィンザー公である。プリンス・オブ・ウェールズ時代、年齢が25〜37歳の間に、いわばファッションの英国親善大使としても世界を飛び回り、持ち前のスーツスタイルを披露。ロンドンのサヴィル・ロウの凄腕テーラー「ショルテ」や「ジェームズ&ジェームズ」で仕立てた、スリーピースやダブルのスーツを完璧に着こなしていた。
完璧なスタイルでアメリカを席巻したお洒落アイコン
そんなウィンザー公のファッションに多大な影響を受けたのが、超一流ダンサーのフレッド・アステアだ。ウィンザー公に憧れ、やがて英国譲りのスタイルが完成していった。
フランス流の色気を放つエレガンスの代弁者
ここでもう一度、一流の紳士たちの写真を見てほしい。なんと格好いい姿だろう! 時代を超えた普遍的な男の美学、正統かつ強烈なダンディズム……。お洒落なスーツを極めることなくして、真の男のスタイルは完成しない。
男のロマンを超一流の仕事と服で示した稀代の英雄
※2012年秋号取材時の情報です。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
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