ちょっとしたテーラー遍歴あり

 大都市に暮らすよさのひとつは、その道のプロとわりとカンタンにつきあいができることである。テーラーなどその最たるものだろう。好みの服を仕立ててもらうだけではない。定期的に彼らのところに通うその「つきあい」が、男を磨いてくれるのである。服づくりを通して、ものづくりの真髄を垣間見ることもできる。さらに、よい客であろうとする努力が人間の幅をひろげてくれる。「今、ちょっといいテーラーを探していてね」なんていうキザっぽいセリフも、東京のバーでならそう無謀ではない。

TOKYO GENTLEMAN’S TAILOR①
南青山「チッチオ」

マスターテーラーの上木規至氏は、ナポリの名店「ダル クオーレ」の凄腕マエストロの下で仕立て技術を習得。精緻なステッチワークと体に沿う美しいラインのスーツは、世界の洒落者たちからも注文が絶えない。今や東京を代表する仕立て服店だ。

■SHOP DATA
南青山 「チッチオ」
住所:東京都港区南青山5-4-43
TEL: 03・6433・5567
営業:11時~20時
納期:約6か月
問い合わせ http://www.ciccio.co.jp

TOKYO GENTLEMAN’S TAILOR②
日本橋「サルトリア イプシロン」

30年にわたり、ローマとミラノでサルトリアを構えていた、マエストロの船橋幸彦氏。近年、独自で研究した「やじろべえ理論」を打ち立て、究極の着心地を備えたスーツを仕立てる。ベテランの技を味わうならここだ。

■SHOP DATA 
「サルトリア イプシロン」
住所:東京都中央区日本橋本町4-7-1 イマスHKビル5F-B
TEL:03・6225・2257
営業:10時~19時30分
納期:約2か月半
問い合わせ http://www.sartoriaypsilon.com

この記事の執筆者
TEXT :
林 信朗 服飾評論家
BY :
MEN'S Precious2016年春号『東京ジェントルマン50の極意』より / 2017.7.11 更新
『MEN'S CLUB』『Gentry』『DORSO』など、数々のファッション誌の編集長を歴任し、フリーの服飾評論家に。ダンディズムを地で行くセンスと、博覧強記ぶりは業界でも随一。
クレジット :
イラスト/緒方 環 撮影/熊澤 透(人物)、川田有二(人物)、篠原宏明(取材)、戸田嘉昭・唐澤光也・小池紀行(パイルドライバー/静物)、小林考至(静物) スタイリスト/櫻井賢之、大西陽一(RESPECT)、村上忠正、武内雅英(code)、石川英治(tablerockstudio)、齊藤知宏 ヘア&メーク/MASAYUKI(the VOICE)、YOBOON(coccina) モデル/Yaron、Trayko、Alban レイアウト/澤田 翔(H.D.O.) 文/林 信朗 構成/矢部克已(UFFIZI MEDIA)、鷲尾顕司、高橋 大(atelier vie)、菅原幸裕、堀 けいこ、櫻井 香、山下英介(本誌) 撮影協力/銀座もとじ、マルキシ