大人のファッションにおけるスニーカーというアイテムは、ながらく、ファッション上級者のものだった。普通に履くと子供っぽいし、テーラードスーツやジャケットになじませるにはテクニックも必要だ。だが、シリコンバレーの若きセレブリティたちは窮屈なドレスシューズを軽やかに脱ぎ去り、最高の品質のスニーカー、つまりは大人のためにあつらえられたスニーカーをこぞってはきこなし始めた。では、そのはきこなし術とはいかなるものか?

スニーカーにおける微差

 シリコンバレーに行ったことのある方はご存じだろうが、向こうで働いている男性の足元におけるスニーカーの占有率は圧倒的だ。あの軽さとリラックス感が開発者やエンジニアにプラスの影響を与えるのだろう。
 ただひとつ大人のスニーカーで気をつけたいことがある。どんなスニーカーでも、清潔に保ち、それを「キレイに」はくことである。
 若い人は磨かれざる原石だから多少汚いカッコをしていても許される。だが大人は若い人が目標にできるような輝きを放ってほしい。その第一歩が服も靴も「キレイに」身につけるということなのである。

ソール部に施されたハンドステッチが特徴のスニーカー。グレーのカーフスエードとホワイトのマットカーフのコンビが、東京のモダンな町並みに映えそうだ。¥141,000((ベルルッティ・インフォメーション・デスク)
ソール部に施されたハンドステッチが特徴のスニーカー。グレーのカーフスエードとホワイトのマットカーフのコンビが、東京のモダンな町並みに映えそうだ。¥141,000((ベルルッティ・インフォメーション・デスク)
アーティスティックディレクター、パウラ・ジェルバーゼのもと新たな展開を見せるブランドを象徴するような、ミニマルな雰囲気が魅力のネイビースエードを使ったスニーカー。¥110,000(ジョン ロブ ジャパン)
アーティスティックディレクター、パウラ・ジェルバーゼのもと新たな展開を見せるブランドを象徴するような、ミニマルな雰囲気が魅力のネイビースエードを使ったスニーカー。¥110,000(ジョン ロブ ジャパン)

いかがだろう、シリコンバレーの大物、スティーブ・ジョブズも生涯こだわったスニーカースタイル。ここで紹介したスニーカーはどれも現代紳士にふさわしい、スポーティかつカジュアルな名品だ。

※価格はすべて税抜きです。※価格は2016年春号掲載時の情報です。

この記事の執筆者
TEXT :
林 信朗 服飾評論家
BY :
MEN'S Precious2016年春号『東京ジェントルマン50の極意』より
『MEN'S CLUB』『Gentry』『DORSO』など、数々のファッション誌の編集長を歴任し、フリーの服飾評論家に。ダンディズムを地で行くセンスと、博覧強記ぶりは業界でも随一。
クレジット :
イラスト/緒方 環 撮影/熊澤 透(人物)、川田有二(人物)、篠原宏明(取材)、戸田嘉昭・唐澤光也・小池紀行(パイルドライバー/静物)、小林考至(静物) スタイリスト/櫻井賢之、大西陽一(RESPECT)、村上忠正、武内雅英(code)、石川英治(tablerockstudio)、齊藤知宏 ヘア&メーク/MASAYUKI(the VOICE)、YOBOON(coccina) モデル/Yaron、Trayko、Alban レイアウト/澤田 翔(H.D.O.) 文/林 信朗 構成/矢部克已(UFFIZI MEDIA)、鷲尾顕司、高橋 大(atelier vie)、菅原幸裕、堀 けいこ、櫻井 香、山下英介(本誌) 撮影協力/銀座もとじ、マルキシ