犯人とネクタイは、締め上げろ

 1990年代にクラシコイタリアというイタリアの男性服装文化が日本に紹介されてから、イタリアスタイルのネクタイとその結び方にぼくたちは夢中になった。5通りも6通りものノットを練習したけれど、それがほんとうに必要だったか。

 残念ながら「熱に浮かされていた」としか総括できないのが今のホンネである。

 締めるところは納得いくまで結びなおす。だが、その方法論については、こうでなきゃいけないなんて規約はない。朝そのために10分余計に早起きをする気持ちがあればいい。それが尊い。

基本にして深遠なるタイ結びの王道!「プレーンノット」

別名フォア・イン・ハンドと呼ばれるプレーンノットは、伊達男たちが最も愛用するダービータイの結び方。その日の気分をも表すプレーンノットは、人生をかけて追求したいタイ結びだ。

タイ¥24,000 (伊勢丹新宿店〈シャルベ〉)

ノットに表れるわずかな形の差が、洒落た首元になる「ダブルノット」

プレーンノットよりも、さらにひと巻き多く結ぶダブルノットは、芯地の薄いセッテピエゲのタイで最適な結び方となる。わずかに二重に見えるノットが、遊び心である。

タイ¥27,000(タイ ユア タイ青山〈タイ ユア タイ〉)

プレーンノットとダブルノット。ネクタイの結び方はこのふたつさえ押さえておけば大丈夫。結び方はたったふたつでも、しっかりと締め上げないと格好よく決まらないし、ネクタイの生地や織りの強さ、厚みにも左右される。ネクタイの結び方は奥が深いのだ。あなたも極めてみてはいかがだろうか?

※価格はすべて税抜きです。※価格はすべて2016年春号掲載時の価格です。

この記事の執筆者
TEXT :
林 信朗 服飾評論家
BY :
MEN'S Precious2016年春号『東京ジェントルマン50の極意』より
『MEN'S CLUB』『Gentry』『DORSO』など、数々のファッション誌の編集長を歴任し、フリーの服飾評論家に。ダンディズムを地で行くセンスと、博覧強記ぶりは業界でも随一。
クレジット :
撮影/戸田嘉昭・唐澤光也・小池紀行(パイルドライバー)、小林考至(静物) スタイリスト/櫻井賢之、大西陽一(RESPECT)、村上忠正、武内雅英(code)、石川英治(tablerockstudio)、齊藤知宏 文/林 信朗 構成/矢部克已(UFFIZI MEDIA)、山下英介(本誌)