映画監督・黒澤明、作家・山口瞳など、地位や名声を築きあげた男たちは、つねに、その人だと知れる、特徴的な眼鏡をかけていた。黒縁、べっ甲、丸メガネなど、スタイルを徹底した眼鏡なら、かけているだけでその人のイメージを形作れるし、特別な印象を与えることができる。ハリウッドスターもまた然り。役柄ゆえ、眼鏡なしのビジュアルももちろんたくさんあるけれど、ジョニー・デップの野性味や知性を程よいバランスで見せるアイテムといえば、眼鏡をおいてほかにない。そんな名を轟かせた男たちの眼鏡スタイルには、我々が学びたい個性の際立たせ方、というものが確かにある。
眼鏡顔でいいではないか
ジョン・レノンやウディ・アレン、カール・ラガーフェルド、日本でいえば吉田茂は眼鏡顔でぼくたちの記憶に残っている。眼鏡なしの彼らの顔なんて想像できないでしょう?
どうせ眼鏡をかけるなら、眼鏡顔で売り出すぐらいの重大な決意で眼鏡選びに臨みたい。間違っても日本の政治家のような〈してるんだかしてないんだかわからん〉ようなフチなし眼鏡でお茶をにごさない。
流行などは一切無視し、基本一本を決め、そのほかはPC用ならPC用という用途で構成するのが王道。そして浮気は慎む。
迷わず、ウエリントンかボストンタイプを選ぶ
いかがだろう? 眼鏡ひとつで印象がグッと変わるもの。あなたの個性を際立たせる、最適な眼鏡スタイルを見つけてほしい。
※ウエリントン「リムの形状が台形であり、上辺が下辺よりも長い眼鏡のことを指す」
※価格はすべて税抜です。※価格は2016年春号掲載時の情報です。
- TEXT :
- 林 信朗 服飾評論家
- BY :
- MEN'S Precious2016年春号『東京ジェントルマン50の極意』より
- クレジット :
- 撮影/唐澤光也(パイルドライバー/静物)スタイリスト/武内雅英(code)