雨が降ると男のおしゃれの難易度が上がる。足元の靴、アウター等々、天気の良い日とは違ったコーデが求められるが、雨の日だからこそできる楽しみ方というのものもある。それが傘だ。出番は少ないが常日ごろから準備をしておけば、いざという時に役立つエレガントな傘を4本紹介する。ビニール傘など、もってのほかだ。雨に濡れたあの人に傘を差し掛ける、そんなジェントリーな行為ひとつできやしない。

よい傘がないなら、濡れて行け!
 いや、そうは言ってもむろん程度問題である。びしょびしょに濡れて他人に会うのは失礼である。第一風邪をひく。どうぞコンビニでビニール傘をお求めください。しかし、いつもいつもビニール傘ではせっかく整えた服や靴が泣く。バランスがとれていないからである。
 外見というのは全体で見てサマになるという「引きの目線」が大切である。四季折々の雨の日の自分を想像したコーディネート・ジグソーのおそらくラストピースが傘だろう。
 家の兵站には優れた傘がいつでも出番を待っている状態は、紳士の精神衛生への貢献大である。

A.Maglia Francesco マリア フランチェスコ
エレガンスが解き放たれ、雨の日が待ち遠しくなる傘
イタリアで最も古い歴史を有し、傘専業のブランドとして名高い。工房はミラノにあり、昔から不変の製法でひとつひとつをていねいにつくり上げる。これはグレーレザーを巻いたハンドルが艶っぽい。ネイビー×ブラウンのストライプも華やか。¥35,000(伊勢丹新宿店〈マリア フランチェスコ〉)
B.Tie Your Tieタイ ユア タイ
ハンドルが放つ雰囲気にダンディズムが潜む傘
北イタリアの工房でつくられた、クラシコイタリアに精通するショップのオリジナル。柄と中棒は、継ぎ目がない皮付きの栗の木。重量感があるため、重心が安定して持ちやすい。既製品だが、まったく同じものはなく、洒脱な個性を主張する。¥50,000(タイ ユア タイ 青山〈タイ ユア タイ〉)
C.Fox Umbrellas フォックス・アンブレラ
英国紳士を気どるなら、細巻きのステッキタイプの傘
細く巻けて、ステッキ然としたシルエットに英国紳士の傘への想いが宿る。ハンドルは滑らかな手触りのマラッカ(籘の木)。使い込むと、美しい飴色に変化する。ハンドルトップにはスターリングシルバーをあしらい、気品も格上。¥127,000(ヴァルカナイズ・ロンドン〈フォックス・アンブレラ〉)
D.Maehara Kouei Shouten 前原光榮商店
日本の職人の魂を宿し、携えることに優越を抱く傘
これぞ日本の熟練職人の技、といえるのが寒竹のハンドル。竹の地中部になる茎を素材とし、ゆっくりと時間をかけて成形する。骨数は16本で大きいタイプだが、薄手の生地を用いて、スタイリッシュに細く巻くことができる。灰色が東京の街並みになじむ。¥20,000(伊勢丹新宿店〈前原光榮商店〉)
A.Maglia Francesco マリア フランチェスコ
エレガンスが解き放たれ、雨の日が待ち遠しくなる傘

イタリアで最も古い歴史を有し、傘専業のブランドとして名高い。工房はミラノにあり、昔から不変の製法でひとつひとつをていねいにつくり上げる。これはグレーレザーを巻いたハンドルが艶っぽい。ネイビー×ブラウンのストライプも華やか。¥35,000(伊勢丹新宿店〈マリア フランチェスコ〉)
B.Tie Your Tieタイ ユア タイ
ハンドルが放つ雰囲気にダンディズムが潜む傘

北イタリアの工房でつくられた、クラシコイタリアに精通するショップのオリジナル。柄と中棒は、継ぎ目がない皮付きの栗の木。重量感があるため、重心が安定して持ちやすい。既製品だが、まったく同じものはなく、洒脱な個性を主張する。¥50,000(タイ ユア タイ 青山〈タイ ユア タイ〉)
C.Fox Umbrellas フォックス・アンブレラ
英国紳士を気どるなら、細巻きのステッキタイプの傘

細く巻けて、ステッキ然としたシルエットに英国紳士の傘への想いが宿る。ハンドルは滑らかな手触りのマラッカ(籘の木)。使い込むと、美しい飴色に変化する。ハンドルトップにはスターリングシルバーをあしらい、気品も格上。¥127,000(ヴァルカナイズ・ロンドン〈フォックス・アンブレラ〉)
D.Maehara Kouei Shouten 前原光榮商店
日本の職人の魂を宿し、携えることに優越を抱く傘

これぞ日本の熟練職人の技、といえるのが寒竹のハンドル。竹の地中部になる茎を素材とし、ゆっくりと時間をかけて成形する。骨数は16本で大きいタイプだが、薄手の生地を用いて、スタイリッシュに細く巻くことができる。灰色が東京の街並みになじむ。¥20,000(伊勢丹新宿店〈前原光榮商店〉)

レンコートやレンブーツなど雨の日限定で活躍するアイテムは数多くあるが、真のジェントルマンを目指すならまずは、お手軽な傘から挑戦してみるのはいかがだろうか?

※価格はすべて税抜きです。※価格は2016年春号掲載時の情報です。

この記事の執筆者
TEXT :
林 信朗 服飾評論家
BY :
MEN'S Precious2016年春号『東京ジェントルマン50の極意』より
『MEN'S CLUB』『Gentry』『DORSO』など、数々のファッション誌の編集長を歴任し、フリーの服飾評論家に。ダンディズムを地で行くセンスと、博覧強記ぶりは業界でも随一。
クレジット :
撮影/戸田嘉昭(パイルドライバー/静物)