紳士の足元を支える基本にして永遠の「黒靴」11選
紳士の足元を支える基本にして永遠なる「黒靴」をとことんまではき込んだ一足。修理を重ねたチャールズ皇太子の靴のごとく、ものに対する愛着がにじんだ風情だ。末永く愛用できる「黒靴」をできるだけ多く、紳士なら持っていたい。
英国老舗の貫録を見事に打ち出す凜とした黒
ジョン ロブ『フェルトン』『セネン』
世界に先駆けて2018年に登場した、細身のエレガントなローファー『フェルトン』。繊細なサドルストラップと細かいエプロンステッチなど、実に美しい意匠である。一方の、ダブルモンクストラップの『セネン』も’18年デビュー。綺麗に曲線を描いたダブルモンクが絶品だ。
カントリーの表情を黒でエレガンスに変える
エドワード グリーン『ドーバー』
1950年代に登場した、ブランドを代表する人気モデル。チェスナットなどの茶系は見慣れた表情だが、黒のバージョンはカントリーの雰囲気が一切なくモダンな面構え。「黒靴」でも、つま先の繊細なスキンステッチが見せ場だ。
つま先が際立つ黒いダイヤモンドキャップ
ガジアーノ&ガーリング『サヴォイ』
ビスポークから派生した、つま先のダイヤモンドキャップが圧巻だ。細かい飾り穴を連ねたデザインに、繊細な靴づくりの矜持が宿る。ビスポーク譲りのフィドルバック仕上げも美麗だ。
稀代の名作だからこそ、深い味わいが黒に宿る
ベルルッティ『アレッサンドロ』
一枚革でつくり上げた『アレッサンドロ』は、フラッグシップモデルのひとつだ。1895年に登場し、現在では微妙に異なる3つの木型で楽しめる。どれもエレガンスを極める一足だ。
エキゾチックレザーで名品をさらに格上げする黒
ジェイエムウエストン『シグニチャーローファー』
今も多くの靴愛好家から高い評価を得る、ブランドを象徴するローファーは1946年に誕生した。’60年代、パリの学生たちのスタイル・アイコンとなり、世界に浸透した名靴だ。綺麗にそろった斑が美しい。
ラギッドなブーツで堪能できる黒の重厚感
ジョセフ チーニー『ペナイン Ⅱ R』
多彩な木型のなかでも、最も歴史のある『4436』を使ったブーツは、無骨な雰囲気。英国軍にも供給した木型で、ミリタリーの表情を色濃く反映する。革のシボの具合が、黒をより艶やかに見せる。
何層にも塗り重ねる芸術的漆黒の質感
コルテ『アルカ ツイン』
スマートなロングノーズが得意のコルテ。同ブランドで初めてのダブルモンク。前後のバックルの大きさを変えるという、靴づくりの繊細な美意識が宿る。名職人ピエール・コルテ氏の真骨頂だ。
コードバンのツヤで、より一層輝く黒の広がり
オールデン『タッセルモカシン』
腰革に施した革ひもから、タッセルに繫がるデザインを創案したのは、1940年後期のオールデンだ。丸みのあるつま先とタッセルとのバランスが実に綺麗。コードバンのしっとりとした漆黒が、エレガントな大人を虜にする。
クラシックなたたずまいに溶け込んだモダンな黒
ヨウヘイ フクダ『ゲーテ』
凄腕ビスポーク靴職人の福田洋平氏が、2017年、満を持して投入した既製靴。ヨーロッパが主体の靴ブランドにおいて、圧倒的な完成度を誇るこの「黒靴」は、日本の高度な靴づくりを証明する。特別に入手するボックスカーフは、極上の輝き。
立体的に黒色を表現するイタリア靴職人の秘技
エンツォ ボナフェ『シングルモンク 3583』
イタリアを代表する名靴職人のエンツォ・ボナフェ氏は、御年83歳。今も現役で活躍する。大きなバックルを使ったモンクストラップには、そんな年齢を微塵も感じさせない力強さがある。ツヤのある黒革と丸いトウシェイプが融合したモダンな靴だ。
以上、紳士のための「黒靴」を紹介した。あなたにとっての最高の一足は見つかっただろうか? 「黒靴」はブランドや素材によってはっきりと違いが出てくるデリケートなものである。これを機に見つめ直してみてはどうだろうか。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2018年冬号より
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- クレジット :
- 撮影/戸田嘉昭・小池紀行・池田 淳(パイルドライバー/静物) 構成・文/矢部克已(UFFIZI MEDIA)