喫茶店のような外観の店に惑う
中央区日本橋茅場町。証券会社などが多く集まるビジネス街として知られるが、メインストリートの新大橋通りの周辺の路地には、飲み屋が軒を並べるエリアもある。そんな中の1軒が今夜訪れる『アンデルセン』だ。
レトロな外観の店はカラオケのネオンがスナックらしさを感じさせるが、珈琲や喫茶という看板もある。スナック? 喫茶店? 耳をすますと、中からシャンシャンというタンバリンを叩く音が聞こえる。ええい、ままよ、と入る。
内装はスナックのようでもあるが、少し照明が明るい気もする。その理由は、昼間は喫茶店、夜がスナックとして営業する二毛作の店だからだ。しかもただの喫茶店ではなく、45年ほど前にオープンした時のままの姿を残す純喫茶だ。純喫茶という単語に郷愁を感じる。
お酒好き美女が頼んだドリンクとフードは?
店の歴史を聞く前に、今夜の美女・冨樫さんと乾杯をしようとメニューを眺める。ドリンクはアサヒとキリン、サッポロから選べるビール、ウイスキー各種、焼酎、日本酒、カクテルなど20種類以上を揃える。
フードは枝豆やあたりめ、ミックスナッツといったつまめるものから焼きそば、焼きおにぎりなどの腹にたまるものまである。ドリンクは飲み放題、フードは2品オーダー、歌い放題で2時間3,000円だ。金融街のイメージが強い茅場町だが、下町のような良心的価格で提供してくれるのがうれしい。
レモンサワーをオーダーした冨樫さんと、早速乾杯!
こんな可憐な彼女であるが、平日はワイン1本、休日ともなると2本を晩酌で空けるほどのお酒好き。スナックも幼少の頃、お父上に連れられて訪れたことがあるという。
「一人飲みが好きで、最近は一人でバーとかによく行っていたから、スナックは25年ぶり。大人になってからは初めて来たけど、落ち着きますね」
彼女が選んだフードはエイヒレと焼きうどん。チョコやフルーツといった甘いつまみもあるが、塩気のあるものを肴にするのも酒飲みらしい。
人気メニューの焼きうどんは、ソースではなく塩で味付けをしている。むっちりとしたうどんと、大きく切った野菜のシャクシャクとした食感の対比が楽しめる。
美女が選んだのは、あの男性歌手の曲
「コードレスマイクでドライブ中に熱唱はするけど、カラオケボックスには行かない」という冨樫さんに一曲リクエストする。
「早口で歌えないので、ゆったりとしたバラードが好きなんですよね」
デンモクを操作しながら選んだ曲は、クリス・ハートの『I LOVE YOU』。
「キーが高いのは歌えないから」と言いながら、伸びやかな歌声で歌い上げていく。
後編では、この店の歴史にも触れていく。
【アンデルセン】
問い合わせ先
- アンデルセン TEL:03-3669-0886
- 住所:東京都中央区日本橋茅場町3-4−6
営業時間:18:00〜23:30(日中は10:30〜L.O.14:30で営業中)
定休日:土曜・日曜・祝日
メニュー:セット料金2時間税込3,000円(歌い放題、おつまみ2品、ウイスキー、焼酎、日本酒、カクテル、ソフトドリンク飲み放題/ビールのみ2本まで) 追加のおつまみ各500円、延長料金30分500円
- TEXT :
- 津島千佳 ライター・エディター
- PHOTO :
- 小倉雄一郎