「LADIES & GENTLEMEN」の文字の真っ赤なサインボードに迎えられて会場に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、若き日のミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ブライアン・ジョーンズが共同生活をしていたというイーディス・ グローヴのアパートメントの再現コーナー。キッチンや居間がリアルに再現されていて、その散らかり様、汚れっぷりは、思わず笑ってしまうほど。しょっぱなからバンド誕生時代へのタイムスリップで盛り上がる。
興奮が止まらない「ザ・ローリング・ストーンズ展」


その先にも、ミック・ジャガーの歌詞ノート、貴重なオリジナルの楽器の展示、メンバーそれぞれの楽器が置かれたレコーディング・スタジオの再現、体験型ミキシング・コーナーなど、ファンならずとも楽しめる展示が盛りだくさん。
世界最強のロックバンドの歴史を知る

そんな中、おすすめしたいのが、ストーンズとコラボレーションした美術アーティストたちのオリジナル・アートワークの展示。アンディ・ウォーホルの作品やバンドの象徴であるベロのマークをデザインしたジョン・パッシュのアートは、時間をかけてじっくりと観ていたくなる。
アーティストとのコラボも見逃せない!

もうひとつ注目なのがステージ衣装のコーナー。メンバーたちがロンドンのチェルシー地区のキングズ・ロードでショッピングをしていた'60年代から現在まで、彼らが実際に着た衣装が展示されているのだが、とくに見入ってしまうのが“スペクタル”と名づけられたコーナー。エディ・スリマン、アレキサンダー・マックイーン、ジャンポール・ゴルチエなど、さまざまな大物デザイナーたちが手がけたステージ衣装を至近距離で見ることができる。その一着一着の豪華なこと。ため息が出る。


「500席しかないクラブのステージでゴテゴテに着飾っても意味がないけど、5万人を相手にしながらボロを着るのも意味がないからね」とはミックのコメント。一方で、なんとも新鮮な気持ちになるのが、1963年7月7日に初めてテレビ出演したときに着たという千鳥格子のテーラード・ジャケット。当時のマネージャー、アンドリュー・ルーグ・オールダムがユニフォームとして揃えたものだ。メンバーたちは、そんな優等生っぽいイメージとは早々におさらばしたため、すぐにおはらい箱になったジャケットだけに、逆に貴重。


終盤に待ち受ける、熱狂の3Dコンサートのコーナーも楽しい。実際に会場にいるような臨場感を味わえる。ずっと酔いしれていたくなるだろう。
1800平米にも及ぶ展示空間を巡っていくと、ストーンズは、音楽だけでなく、アートやファッションも含むカルチャー全体にインパクトを与える存在であり続けていることが分かる。

開催は5月6日まで。一度行くと、二度三度と足を運びたくなること請け合い。半世紀以上にわたりシーンの第一線で活躍、君臨し、ロックの代名詞的な存在であるザ・ローリング・ストーンズの熱気を肌で感じたい!
Exhibitionism-ザ・ローリング・ストーンズ展
- Exhibitionism−ザ・ローリング・ストーンズ展
- 開催会場:TOC五反田メッセ (東京都品川区西五反田6-6-19)
開催日程:2019年3月15日(金)~5月6日(月・振休)※6月5日まで延長
開館時間:月~金・土・祝前日 11:00~20:00
日・祝日 11:00~18:00 ※最終入館は閉館の30分前まで。展示物は撮影可能です。但し、フラッシュのご使用はご遠慮ください。
- TEXT :
- 堀 けいこ ライター