昼夜を問わず、フォーマルスタイルのシャツの基本は白無地。しかし、白無地であれば事足りるわけではない。特に襟や胸の仕様によって印象は変わり、違いを吟味することによって着こなしの完成度が高まる。
まず、注目すべきは襟。立ち襟の一種であり、襟先が三角形に折り返ったウイングカラーは、端的にフォーマルらしい。ボウタイやアスコットタイを合わせやすく、モーニングでは結び下げのタイを合わせもする。
一方で、セミワイドカラーのような見慣れた襟形もフォーマルに応用できる。
次に視線を向けるのは胸。俗にイカ胸と呼ばれる、スティッフブザムは夜の正礼装であるテールコートに合わせるシャツに必須のディテール。
ヒダ胸と呼ばれる、プリーテッドブザムはタキシードに合わせるシャツにふさわしい。プリーツの幅、数などは多様。
そで口はカフリンクスを必要とするダブルカフスが、フォーマルを盛り上げる。また、胸ポケットはカジュアルなディテールであるから不要であることを心に留めておきたい。
白シャツの差異にこだわるのが伊達男の流儀
A.夜会に臨む際の最もドレス感の高い正統デザインのターンブル&アッサー
さすが正統のフォーマルシャツを美しくつくり上げている。胸にコットンピケを貼ったスティッフブザムは、テールコート用シャツに不可欠なディテール。ボタンホールはスタッズボタンにも対応。¥47,250((ヴァルカナイズ・ロンドン〈ターンブル&アッサー〉)
B.美しく開く襟型はボウタイではなく、スカーフが好相性の名門ブランド、イザイア
ウイングカラーではなく、180度以上襟先が開いたホリゾンタルカラーでフォーマルシャツを大胆不敵にアレンジ。この襟形なら、スカーフを合わせやすい。また胸のプリーツも幅が約2㎜と細いところが特徴。¥35,700((スローウエアジャパン〈イザイア〉)
C.夜会で活躍するタキシード専門の正統なデザイン、シャルべ
ボウタイがしっくり収まるウイングカラーで、細かなプリーツが入ったプリーテッドブザムのシャツはタキシード用としてふさわしい。カジュアル感のあるファンシータキシードの格上げにも有効だ。スタッズボタンが必須のボタンホール。¥67,200~/オーダー価格(日本橋三越本店〈シャルベ〉)
D.オーソドックスな白無地のシャツは昼夜兼用で万能のフライ
滑らかさが極めつきのブロードを用いたセミワイドカラーのシャツは、胸ポケットや前立てのないシンプルなデザインでドレス感がとても高い。カフリンクスでフォーマルを盛り上げるためには、ダブルカフスのディテールはぜひとも外せない。¥42,000(ストラスブルゴ〈フライ〉)
※価格は2012年冬号掲載時の情報です。
■ディナージャケットを例にシャツを替えてみた
英国式スタイルの威厳と格式のタキシードコーデ
エレガントで男らしいタキシードコーデに変化
シャツ1枚でフォーマルコーデは幾重にも変化をするのがお分りいただけただろうか?あなたに合ったコーデを見つけていただきた。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2012年冬号「必読!フォーマルの強化書」より
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- クレジット :
- 撮影/小池紀行(パイルドライバー) スタイリスト/梶谷早織 構成/鷲尾顕司(ViVid)