フォーマルスタイルの靴は昼と夜で選択が異なる。昼の場合、カーフのオックスフォードシューズ(=ひも靴)がふさわしい。光沢感のあるエナメル(=パテントレザー)を用いたシューズは避けることが厳格なルールだ。軽卒にアレンジのつもりでエナメルを選ぶと、本当のミスマッチになる。
夜の場合は逆にエナメルのシューズがふさわしい。デザインはオペラパンプスと呼ばれるリボンつきスリップオンが最もドレッシーだが、正統のテールコートやタキシード以外では、足元だけが浮いて見えかねないので注意しよう。カーフのオックスフォードシューズもNGではない。ピカピカに磨き上げたストレートチップなら、文句なしに夜のパーティにも対応する。
足元のアレンジでおすすめするのは、ベルベットを用いたシューズ。エナメルに通じる光沢感があり、エナメルよりもくだけた印象がある。ルールを知りながら、あえてアレンジしているという洒脱感の演出に最適だ。
ベルベットシューズはフォーマルのキーアイテムである。
フォーマルスタイルでも足元の選択で着こなしの幅が広がる
■格式の高いパーティに!
夜会用シューズの代表で最もドレッシーなイメージ
![元々は観劇や舞踏会用で、用途は夜間の礼装に限られ、テールコートやタキシードに合わせるためのシューズだった。黒のエナメルで、足の甲にあるシルクグログラン製のボウ飾りが特徴。このシューズを昼間のパーティではくことは許されない。¥64,050(ストラスブルゴ〈エドワード グリーン〉)※参考価格](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/e/8/720mw/img_e8bedbf10102fdc25b717f0548134cca77196.jpg)
■結婚式や披露宴に!
昼夜兼用の応用範囲の広い万能シューズ
![ビジネス用としても活躍するストレートチップは、内羽根式でメダリオンがないシンプルなデザインがフォーマルに適する。昼間の正礼装であるモーニングにも、夜間の準礼装であるタキシードにも合わせられ、まさにオールマイティ。¥155,400(阪急MEN'S TOKYO〈ガジアーノ&ガーリング〉)※参考価格](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/5/e/720mw/img_5e4e203a82e1eac74908c9d8bd81764383915.jpg)
■音楽会や観劇に!
プレーントゥならエナメルでもキメすぎにならない
![エナメルシューズは夜のパーティにふさわしい華やかさを持つ。アレンジを効かせたタキシードの着こなしには、オペラパンプスは大袈裟なイメージになりかねない。シンプルなプレーントゥならミスマッチにならず、装いのドレス感を盛り上げてくれる。¥210,000(ジョン ロブ ジャパン)※参考価格](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/c/8/720mw/img_c815db4d58f375df7ffc1c1b574188a868640.jpg)
■結婚式の二次会に!
足元のアレンジに最適なのはベルベット
![タキシードをドレスダウンしたなら、シューズも変化球で勝負したい。ベルベットはエナメルに通じる光沢感があり、堅苦しさのないドレス感を装いに加えることができる。このベルベットはヒネリの効いたパープルで、黒よりも艶やか。¥141,750(ベルルッティ・インフォメーション・デスク)※参考価格](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/b/e/720mw/img_be4c8b89ed2ce12e9a8bf74d289a44b461933.jpg)
ここでは結婚式やその二次会などをはじめ、宴席のシーン別に最適な靴を4本紹介した。フォーマルな場では、靴の選択で正しい服装ができているかが決まるのだ。
※価格は2012年冬号掲載時の情報です。
- TEXT :
- 鷲尾顕司 エディター
- BY :
- MEN'S Precious2012年冬号「必読!フォーマルの強化書」より
- クレジット :
- 撮影/小池紀行(パイルドライバー) スタイリスト/梶谷早織 構成/鷲尾顕司(ViVid)