1969年7月、全世界が注目する中、月面に降り立った宇宙飛行士、バズ・オルドリン博士の腕にはオメガ「スピードマスター」があった。この偉業から4か月後の1969年11月、1014本限定で作られた18Kイエローゴールド製の“スピードマスター BA145.022”が、月面着陸を達成した英雄たちを讃える晩餐会で、宇宙飛行士たちに贈呈されたことをご存知だろうか。
これはオメガ初となる限定番号入りの記念モデルであり、少数ながら一般発売もされたが、腕時計愛好家にも人気が高く。その希少性から、現在では非常に入手困難なアイテムとなっている。
月面に踏み出した宇宙飛行士にも贈呈された幻のイエローゴールド特注モデルがここに!
歴代スピードマスターへの深遠なるオマージュ!「スピードマスター アポロ11号 50周年記念 リミテッドエディション」
今回のリミテッドエディションは、このスピードマスター“BA145.022”のデザインを踏襲。第4世代のスピードマスターに採用された非対称のケースデザインを受け継ぐポリッシュ&ブラッシュ仕上げの42mmケースに、コマ1列が5つのアーチ形リンクで構成される、1969年当時のデザインを再現したブレスレットを採用している。
素材には、“ダークブルーの空に輝く月の光”にインスパイアされた新開発の18Kムーンシャイン™ゴールドを使用。従来の18Kイエローゴールドよりも色合いが淡く、色や輝きが経年変化に強いという特徴があり、ケース、ブレスレット、文字盤、そしてインデックスのベゼルと時・分針にも使われている。
バーガンディとセラミックとオニキスの美しい調和がたのしめる
1969年の歴史的タイムピースを忠実に再現するため、バーガンディのセラミック「ZrO2」製のベゼルリングが用いられ、タキメータースケールには、セラゴールド™が施されている。また文字盤のインデックスにはブラックオニキスをセットし、時・分針の中央部とクロノグラフ秒針、サブダイアルの針は深遠な風合いをもつブラックの光沢仕上げ。バーガンディとブラック、そしてムーンシャイン™ゴールドが美しい調和を生み出している。
ムーブメントは新しい手巻きのマスター クロノメーター キャリバー3861で、スイス連邦計量・認定局(METAS)による世界最高水準の精度や耐磁性を誇るマスター クロノメーター認定を取得。コーアクシャル脱進機やシリコン Si14 ヒゲゼンマイが使用され、バーガンディのマーキングや美しく装飾されたムーンシャイン™ゴールドのメインプレートやブリッジを、シースルーケースバック越しに見ることができる。
スピードマスターコレクターも注目のディテールを再現
ヴィンテージのスピードマスターに見られるダイアルの周囲に段差を施したステップダイアルを採用。また毎時500単位の目盛がついていた初代スピードマスターを継承し、タキメータースケールの90の数字の斜め上にドット(丸印)が記した“ドット・オーバー90(DON)”も再現。こだわりのディテールはスピードマスターコレクターも息をのむ。
ケースバックリングには、外側にバーガンディカラーで“1969-2019”の年数と限定番号、無色で“MASTER CHRONOMETER”の文字をレーザーで刻印。またその内側には、マット仕上げの黒いリングに、“APOLLO 11 - 50th ANNIVERSARY”、“THE FIRST WATCH WORN ON THE MOON”という文字がポリッシュ仕上げで施されている。さらに、アポロ11号の打ち上げ場所となったケープ・カナベラルを含むエリアのアメリカ大陸の地図をポリッシュ仕上げで、周囲のブルーオーシャンをマット仕上げで描き出し、その向かい側には月の象徴として、ドーム型の月隕石がはめ込まれている。
月のクレーターをデザインした特製ボックス
インナーリングにデザインされた地球と月の大きさは直径比3.67:1と、実物と同比率で表現される。アポロ11号計画が残した遺産、そして宇宙飛行士たちとの深い絆が感じられるタイムピースとなった、このスペシャルなリミテッドエディションは、オリジナルモデルの生産数にちなみ世界限定1014本で、今年の夏に発売される予定だ。
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- TEXT :
- 安藤政弘 ライター