スーツスタイルや、ジャケパンスタイルは慣れてくると自分流にアレンジを加えてコーデを楽しむことができるが、ルールが多くて、堅苦しく感じてしまうフォーマルコーデを着崩すのは難しい。では、実際のところフォーマルコーデのアレンジはどこまでOKなのか? そのぎりぎり許される範囲を攻めてみた。ちょっとした集まりでもすぐに実践できる、フォーマルの着崩しコーデを紹介する。
変化球的なラペルでモダンにアプローチ
タキシードの顔となるのがラペル。通常は黒無地のシルクサテンを用いるが、チェックとドットを組み合わせた生地をあしらい、王道路線でありながらも、現代的な存在感を発揮する。
正統タキシードはラペルがシルクサテンだが、「グッチ」はラペルをチェック&ドットの生地にアレンジし、進化版タキシードをつくり上げた。構築的なビルドアップショルダーは男らしく、ドロップ9のシェイプがシャープさを際立たせる。身頃がネイビーストライプのクレリックシャツも、さりげなくヒネリを効かせた選択。
カントリー風味を醸す、軽妙洒脱なる茶合わせ
クラシックの名手、「サルトリオ」のファンシータキシードは、ブラウン調ミックスカラーのベルベットがユニーク。コットンにポリウレタンを混紡した、生地の伸縮性も現代的である。
ジャケットは素朴感のあるミックスカラーのベルベットで、襟はブラウンのシルクサテン。胸にプリーツが入った黒のシャツを合わせることで、ジャケットのブラウンが引き立つ。パンツはデニム地で側章入り。ここまでアレンジしても、フォーマルなディテールによって非日常のパーティにふさわしいドレス感があふれ出る。
フォーマルコーデもここまでアレンジできるのがお分りいただけただろうか。近々予定のある方も、年末のパーティに何を着ていこうかと例年悩んでいる人も、是非とも実践していただきたいアイデアコーデだ。
※価格は2012年冬号掲載時の情報です。
- TEXT :
- 鷲尾顕司 エディター
- BY :
- MEN'S Precious2012年冬号「必読!フォーマルの強化書」より
- クレジット :
- 撮影/熊澤 透(人物)、小池紀行(パイルドライバー/静物) スタイリスト/梶谷早織 ヘア&メーク/MASAYUKI(the VOICE)モデル/Cuba 構成/鷲尾顕司(ViVid)